メイン

2006年09月19日

球へのマーキングとALCへの取付

先日の施工です。1/4球型テントの張り替えでした。
でも、最初の写真は弊社の縫製場。
張替なら現場作業なんじゃないかって思うでしょ。

何故かというと、この「イラスト」なんです。
球体のテントなので、生地は立体的に縫製されてます。
なので、生地だけでは「球面」にならないのでイラストを切り抜いたマーキングフィルムが貼れないのです。
分かります?平らな面なら床や作業台に広げて作業できるけど、球面に貼るには球面になっていないと駄目なんです。
なので、一度フレームを取り外して作業場内で生地を張って球面を作ってからフィルムを貼ります。

さて、現場です。
このフレームはALCと呼ばれる外壁材でできた壁に取り付けられていました。
ALC用の釘で打たれていたので、一時撤去時にバールで釘を抜いてしまいました。
再取付では同じ場所で固定しなくてはいけないので、今度は「釘」は使えません。
そこで、ALC用のアンカーを使いました。
釘の穴を大きくあけ直して、白い樹脂製のアンカーを入れます。
このアンカーはねじ込んでいくタイプです。ねじ山があってALCに食い込みながらねじ込まれます。

すっかりねじ込んだ状態です。
壁の面と同じところまで入っています。
このアンカーの穴が、ボルトのナット役を果たします。
今回は直径6ミリのボルトを入れます。すると、このアンカーは先ほど細い穴になっているので、入れたボルトで押し広げられてしっかりと固定されるのです。

縫製場で生地を張り込んだまま、生地ごとフレームを持ち上げて固定しました。
一気に再取付完了です。
コーヒーカップのイラストが回り込んでいる球面に貼られているのがよく分かると思います。

完成後の姿です。
明るいオレンジ色が強いポイントとなってお店を引き立てています。
特に今回使った生地は高度の防汚処理がされているハイグレード生地なので、このオレンジ色が長い間まばゆく輝いていることでしょう。

この現場は、「ペイントサインマツモト」様の現場でした。ありがとうございました。

参考資料
使用生地 泉(東レ) クールテントクリーンロイヤル T-6003F
文字フィルム IKC Eカルテント

2006年09月10日

窓は大きな看板スペース

一昨日の施工です。
窓ガラスにマーキングを施して、大きな看板にします。
大型インクジェットプリントで、地色と文字を一緒に出力した一枚物を貼り込む方法も有りますが
今回は、マーキングフィルムを重ねて貼っていく、「伝統的」な方法を採用です。
理由は、後ほど。

まず、地色のフィルムを貼ります。
この部分は濃いめのブルーが地色になります。

地色フィルムを貼り終えたところ。
手前は白地になる部分です。

地色フィルムの上に、ロゴタイプや文字を重ねて貼っていきます。
あらかじめ文字などの形に切り抜いたマーキングフィルムに、
アプリケーションフィルムと呼ぶ「転写フィルム」をかけた上で、貼ります。
アプリケーションフィルムだけ剥がすと、文字などが現れます。

この方法にした理由ですが、第一は発色の良さです。
インクジェットプリントも、年々発色が良くなってきていますが、あくまでも「ドット」の集合でできています。
今回の様に背景に「色ベタ」がある場合、もともとその色でできているマーキングフィルムと比べると発色性の違いが出ます。
また、色の耐光(耐候)性も理由です。
これも、インクジェットプリントの性能が日増しに高くなっています。
しかし、フィルムの樹脂に「顔料」が練り込まれて発色しいるマーキングフィルム自体の色と比べると
まだ色の耐光(耐候)性が低いのがインクジェットプリントです。

しかし、グラデーションの有るデザインや、写真がある場合はインクジェットプリントでの表現がベストです。
「適材適所」それぞれの長所を生かした方法を選択することが、より良い製品をご提供する基本と鳴海テントは考えます。

この現場には、後日に壁面の大型看板を設置予定です。
全ての完了後に全体の画像をご披露したいと思います。

参考資料
使用フィルム 東洋インキ製造 ダイナカル

2006年08月30日

ちょっと考えた看板

タイヤをバーストさせながらもたどり着いた現場
おなじみキャラクターの店舗で看板関係の施工でした。
まずは完成写真。
欄間の部分の看板とフロントサッシのマーキング類、店内のアクリルパネルを作りました。

ショッピングセンターのテナントです。
壁面に看板を付けられないと言う条件だったので、既存のガラスにマーキングフィルムを貼って看板としました。
でも、夜間用に内部照明が欲しい。
そこで、鳴海テントは考えました。
ガラスの内側に「ライトボックス」を付けよう。

これが裏側です。
下端に蝶番を付けた開閉式です。
でも、照明器具は本体側ではなく、フタ側に取り付けてます。
こうすることで、ガラスの内側の掃除もできます。
蛍光灯の交換も低い位置で確実にできます。
店舗のスタッフでも蛍光灯交換作業やガラスの掃除が可能です。
そんな一石二鳥を追い求めました。

他には、このステッカー。
透明な粘着フィルムにシルクスクリーン印刷の多色刷りです。
白い部分があるので普通のインクジェットプリンターではダメなのです。
(パソコンのプリンターも同様ですが、白は紙やフィルム自身の白を使っているのです。)
今は白インクも使うインクジェットプリンターもありますが、白がくっきり出る伝統的手法のシルクスクリーン印刷を選びました。
同系列の営業店にもスタッフの方々が自分達で貼れるようにとの事で、全部で22枚作りました。

そしてこのパネル。
以前は透明アクリルで長方形のパネルの支給品を使いましたが、ここでは弊社で用意した楕円パネルでした。
アクリル板を楕円に切って縁を仕上げます。曲線の仕上げはちょっと面倒です。
そして、インクジェットで透明なフィルムにプリントしたものを、画像輪郭でカットして貼り込みます。
壁面にあけた楕円の窓からの照明で明るく輝きます。
この輝きを背にしてスタッフが、お客さまと契約の手続きや相談をするのです。
「交渉ごとをするときは太陽を背にして行え」
という格言があるそうです。
良いことがあるのでしょうね。これも輝く「太陽」の効果を出すかもしれません。

いろいろな制約の中で、使いやすくメンテナンスしやすい「かたち」を考えます。
あきらめる前に鳴海テントにご相談下さい。経験と知恵で打破してみせます。

2006年08月10日

コットン調生地にもキラキラ黄金文字

今度はコットン調の生地にキラキラぴかぴか黄金色の文字を入れました。
マクロ(接写)で撮ったので布目の質感が分かりますでしょうか。

塩ビラミネートの生地ならば、粘着系の専用フィルムを貼ればOKですが、コットン調生地に粘着系フィルムは上手にくっついてくれないのです。
そこで、熱転写シートで下地貼りをして、その上に粘着系フィルムのメタリックゴールドを貼りました。
接写の写真なので、少しずれているのがばれちゃってます、では無く、下地の熱転写シートの文字の方を少しだけ大きくしているのです。
剥がれ防止の為なんです。
普通の視点で見ると、この「ずれ」は気になりません。
それより剥がれにくさの方が大切なんです。

2006年08月08日

キラキラ、ぴかぴか、黄金色の文字

照明の光を受けて輝く文字
可動式オーニングのフリルに入れた文字です

金属光沢を持っている文字ですが、ペイント描きやシルク印刷ではメタリックなゴールドは表現できません。
これは、テント生地専用のマーキングフィルムを使いました。
塩ビラミネートの生地なので、粘着タイプのマーキングフィルムです。
えんじ色の生地に、輝くゴールド文字は豪華さを演出します。
他にメタリックシルバーのフィルムもあります。
お店に取り付けた後には、太陽の光を受けて、もっとキラキラ輝く事でしょう。

2006年06月22日

今日は「看板屋さん」でした。

今日の施工です。
昨日作っていた「箱文字」を取り付けてきました。

でこぼこした仕上げの壁に貼付け施工です。
凹凸が激しいので、普通の接着剤ではなくデコボコでもしっかりくっつく材料を使用しました。
この角度からの写真だと、文字の厚みがよく分かると思います。
文字の大きさ(高さ)は250ミリ、厚みは15ミリです。
デコボコの壁と合わせて、立体感が豊かなサインになりました。
表面の色は、マーキングフィルムを使っています。
以前は、アクリルや塩ビの「色板」を使いましたが、最近はほとんどマーキングフィルムです。
色が豊富なのと、加工性の良さがメリットです。

お店の正面中央のサインです。
こちらも写真では分かりにくいのですが、激しくデコボコした壁面です。
昨日、加工中の写真で登場した「所」は、アーチ状に配置された文字列の一番右端。
「台所」の「所」です。(見えますか?暗くなっちゃたので写真がイマイチですが)

今回の現場では、テントのお仕事は無く、この箱文字をお店の前面に貼ったのと、ガラス面へのマーキング、そして少し離れた所にあるこのお店の駐車場まわりの看板製作でした。
社名は「鳴海テント」ですが、こうした「看板屋仕事」もやっています。
テントと一諸に「看板」も一新してみませんか?
全部まとめて「鳴海テント」がお請け致します。

2006年06月21日

糸鋸で文字を切る

今日の作業です。
弊社は「テント屋」ですが、看板のお仕事もお受けしています。
今回は、壁面に取り付ける「文字」の加工です。

厚さ15ミリの板を、電動糸鋸で切ります。
漢字の「所」という文字を切っている最中です。
この素材は、薄い塩ビの板で発泡ウレタンを挟んだ構造です。
糸鋸で切れる程度の堅さなので、加工性は高い素材です。
仕上がると厚みを持つ、ボリューム感有る「箱文字」になります。

参考資料
使用素材 筒中プラスチック工業 サンロイドチャンネル 15mm

2006年06月15日

看板の中身公開

すこし前に施工した看板です。
まずは、加工途中の写真から。

作業場内で組立を終え、内部照明の試験点灯を行っているところです。
ちょっと暗くて分かりにくいですが、既に「面」の生地を張込んであります。
普通の固定テントと同様にロープで編み込んでいて、以前に施工した看板と同じ方式です。
内部はこんな仕組みになっています。

そして施工後の写真です。
看板の上端は「蝶番」で繋がっているので、蛍光灯の交換時は面全体を蓋の様に持ち上げられるので作業が簡単です。
「看板だけど中の仕組みはテント方式」の看板です。

参考資料
表示面プリント使用プリンター 武藤工業(MUTOH) ラミレスグランデ

2006年06月12日

明るいミドリ色のテント

今日の現場です。
生地の張替でした。
新たにお店がオープンする現場です。

とても明るいミドリ色の生地を使いました。
梅雨入りしたと言うのに、朝からピーカンな空でした。
施工完了が正午少し前だったので、太陽が空の真上に有り、テントの前面が強い太陽光でハレーションを起こしています。
ロゴが中央に入っているのですが良く見えません。
アップの写真を用意しました。

文字の色は薄いベージュ色です。
文字の色には悩みました。
ベースの生地が白成分の多いミドリ色なので、濃紺とか黒とか強い色ならば文字はハッキリ見えます。
でも、少し品が無い様な気がしました。
白文字では弱すぎるし、グレーは濃ければ黒と同じ雰囲気になってしまうし、薄ければやはり弱い。
そこで、無彩色から手を引き、淡い有彩色を使う事に決定。
ミドリ色に調和する色相群から「ベージュ」を選びました。
上品な仕上がりだと自負しています。

でも、ピーカンが災いして写真では上手く表現できませんでした。
是非、現物を見て下さい。
このお店はダイニングバーなので気軽に入っていただけると思います。
場所は東武鉄道春日部駅西口
市役所通りに有るボーリング場の裏の道に面しています。
表通りから少し入るので分かりにくいかも知れませんが、是非、探し当てて下さい。

参考資料
使用テント生地 クラレ パロニィFC 5148F
使用フィルム(文字) IKC Eカルテント ET-150

2006年04月30日

国や地域で色の好みが違うのかな?

先日、電子メールで懸垂幕のお問い合わせをいただきました。
生地色に関して、DICカラーガイドでご指定いただきました。
「日本の伝統色」と「中国の伝統色」からでした。
「日本の」は手元にありましたが「中国の」が無かったので、早速デザイン用品のネット通販で購入し到着しました。

伝統色チャート1

これが弊社にある「伝統色」のカラーガイドです。
いずれも、お客様からの指定色を生地の色の中から探したり、プリントデータ作成時の色合わせ等に使っています。
本家のカラーガイドと合わせて5種類のガイドを持っていますが、全てお客様からのご指定をいただいた際、手元に無かったのを取り寄せて増えました。
こと色に関してはお客様に教えていただき勉強している点が多いのです。

伝統色チャート2

今回購入した「中国の伝統色」はチョット面白いです。
各色票の上にその色に関する説明があるのですが、これが「中国語」「日本語」「英語」の三か国語表記。
中国語は「簡体字」でカタカナの発音ふりがなも入ってます。
色の勉強に留まらず、中国語の勉強にもなりそうです。

もしかして、と「フランスの伝統色」を見ましたら、案の定「仏語」「英語」「日本語」でした。
そして、「日本の伝統色」は、日本語のみでした。あたりまえかもしれませんが、ちょっと残念。
「萌葱色(もえぎいろ)」とか「蘇芳色(すおう色)」が英語でどのように説明されるのか見たかったなぁ

2006年04月24日

とても繊細な線の文字

今日の縫製場です。
明日取付の生地に文字を入れました。
細長い生地ですが、とても小さなテントです。
出巾が17センチ、立ち上がりが34センチ。両手に入ってしまいそうな断面寸法です。

文字はお客様からデータを戴いたロゴタイプ。
凄く繊細な書体で、一番細いところは1ミリ強しかないのです。
生地がコットンライクなファブリックなので、熱転写シートでの作業です。

そーっとカットして、そーっとウイード(カス取り)して、いざ貼付け。
あまり加熱すると、細い部分が溶けてしまって失敗する、しかし、加熱不足は接着が不充分で剥がれてしまう。
微妙なバランスで加熱圧着しました。
なんとか綺麗に仕上がりです。

2006年03月31日

年度末だから

今日の作業です。
地元の自治会から、役員の「札」の御依頼です。
年度が新しくなると、色々な役が代わります。
既に役員札は有るのですが、汚れたり壊れたり、中には盗まれたりで足らなくなっているのです。
この年度末に、不足分や新設分を作ります。

役員札

材料は、ベース板が「アルミ複合板」文字はマーキングフィルムの切り文字貼りです。
比較的安価に出来るので、汚れたら即新調、と言う感じで作らせていただいています。

桜が満開!
移動中の車の窓から、色々な場所の「桜」を楽しんでいます。
今日は、国立市の「一橋大学」前の大学通の桜が綺麗でした。
明日は「花見」に行く予定、数年ぶりに本格的花見をします。楽しみだなぁ。

2006年03月27日

熱して写して貼付けて、剥がれない

昨日の施工です。
美容室の休業日に張替を行いました。
コットン調のポリエステルファブリック(織物)を使いました。
ふんわり柔らかな風合いです。

ケイパレット

この少し毛羽立っている様な生地に文字を入れる方法は?
普通の塩化ビニールラミネートの生地だと、テント生地用の粘着フィルム(マーキングフィルム)で貼りますが、このファブリック系生地には貼れません。
そこで「熱転写シート(フィルム)」です。
「鏡文字(裏文字とも呼びますが、文字を裏から見た形)」でカットし、裏返して位置を決め、そのあとはアイロンで加熱しながら加圧します。
すると、熱で樹脂が柔らかくなり、テント生地側に接着します。
熱が冷めたら、「台紙(透明な樹脂フィルム)」をゆっくり剥がすと完成です。
写真では「K’」が、加熱直後で透明な台紙がかかってます。「HAIR SAISON」は鏡文字のフィルム側の姿。
下の「Palette」は、冷却後で台紙を剥がしています。
アイロンは家庭用。専用の「ヒートプレス機」も有る様ですが、普通のアイロンで大丈夫です。

熱転写

熱転写のしくみは「アイロンアップリケ」と同じです。
小学生の時、運動着に校章をアイロンで転写したのを憶えています。
また、昔のお菓子におまけで付いて来た「転写シール」にも似ています。
家の柱やタンスに勝手にシールを貼ってしまって、お母さんから怒られた事はありませんか?
あれは、指の爪でゴシゴシこすって写し貼りましたね。
今でも同じ様な事をやってます。
もちろん仕事で、ちゃんと決められた位置にですけど。

素材データ
使用生地 テイジン シャガール EC23
文字素材 ショウワ カラーフレックス(白)

2006年03月16日

全面プリントで懸垂幕づくり

描く、貼る、に続く文字づくりの方法。昨今の主流であるプリントです。
写真は、180センチ巾の白いターポリン生地に80センチ巾でオレンジ色の地色と文字をプリントした姿です。
「貼る」ならば、オレンジ色の生地に、白と黒の文字を貼るのですが、プリントの場合全て白生地です。
何故かと言うと「白インク」が無いからです。
これは、オフィスや家庭で使うインクジェットプリンターと同じなんです。
(昇華型というプリンターには、白も金も銀もあるそうです)

プリント懸垂幕

懸垂幕は、この後にオレンジ色の部分を裁断してロープ縫い込み、ハトメ打ちなどをして完成です。
えっ? プリントの説明なのにプリンターの姿が無いって?
実は、当社ではプリンターを所有していません。
でも、原稿編集(データ作成)を自社で行っています。
Power Mac G4をメイン、G3をサブのマシン構成で、画像処理にはアドビフォトショップ、レイアウト作成にはアドビイラストレーターを使っています。共にヴァージョンは「CS」までアップしています。
手元で出力寸前の完全データにした上で、使う生地(メディア)に最適な出力ツールを持つ「出力屋さん」に送りプリントしてもらってます。

ブロードバンドのお陰で、大きなファイルも電子メールで送れるようになりました。
宅配業者さんのお陰で、出力された完成品は翌日手元に届きます。
「さいたま」で編集したデータは、日本のあちこちで出力されています。
それぞれの「得意技」を集めて、より良い製品を創っています。

写真の加工・編集やオリジナルロゴ作成などの技術を駆使して、看板やバナーとして最適な訴求性を持たせつつ、周囲とマッチした構成をお創りします。
あなただけの、世界にひとつの「オンリーワン★サイン」は鳴海テントにご相談下さい

2006年02月24日

マーキングフィルムでの文字づくり

以前、「伝統的レタリング」として、手描き文字についてエントリーしましたが、今回は現在の主流の文字づくりの道具をご紹介します。

プロッター

文字を切り出す「カッティングプロッタ」です。
パソコンから送られて来る文字のデータ(袋文字の様な輪郭線データです)で、写真真ん中少し上のカッターヘッドが左右に動いたり、ブルーのフィルムの左右両端を押さえているローラーが回転してフィルムを前後に動かしたりして、直線、斜線、曲線を使って文字を切り出します。
弊社のカッティングプロッタは、フィルム巾60センチまでの、今となっては超小型のモデルです。
現在では1メートル以上が主流。
でも、弊社の製作能力は、つい最近まで45センチ巾でしたので、それでも少しは進化したのです。

ちなみに「プロット(plot)」という英語の訳語は、とんでもない事で
「陰謀・策略」などとあり「たくらむ」と動詞でも。また「筋書き」「区画」とも。
でも、この機械のような場合は「座標上の点を結んで引く」という数学用語や、「見取り図をかく」とか「図面上に表す」が適当なんでしょう。
元々、コンピュータで図面をかく「CAD(キャド)」の出力で、紙にペンで線を書いていく「ペンプロッタ」のペンをカッターに置き換えたものなんだと思います。

この「陰謀なる」機械、文字の輪郭線に「刃」を入れてくれるとこまではやってくれるのですが、文字として使う部分と、ゴミとなる部分(塗り潰した文字の余白部分と思って下さい)を分けて、ゴミ部分を台紙から剥がして捨てる作業(ウイード作業)はやってくれません。
その作業は、ピンセットとカッターを持った「人の手」が、二つの「眼」をセンサーとして「脳」で処理したデータに基づき行います。つまり「手作業」です。カットの精度が向上し、数ミリの小さな文字も切れるのですが、ゴミ取りは「手作業」ですから、ねぇ、分かるでしょう。
このゴミ取り作業が自動化される日はいつの日なのかと考えながら、小さな文字を凝視してゴミ取りしていたら、いつの間にか「プリント全盛時代」に突入してしまいました。
「プリント」による文字づくりに関しては、また別の機会にお話致しましょう。
今日はこの辺で、ご機嫌よろしゅう。

2006年01月13日

伝統的レタリング=手描き文字

刷毛を使っての作業
屋形テント(集会用テント)天幕への文字入れです。
店舗のテントは、マーキングフィルムの貼付けで行いますが
屋形テントの天幕はたたむ事が多いので、昔ながらのペイント書きです。
普段は天幕メーカーに入れてもらいますが、今回よんどころない事情で
自社作業となりました。

マーキングフィルム用プロッターのペン出力で原寸原稿を作り、天幕に輪郭線を転写します。
文字職人は一発描きでやりますが、指定書体でもあるので私は転写の道を選びました。

ペイント開始です。
使うのは「テントカラー」という専用塗料です。
軟質塩ビの可塑剤の関係で普通の塗料では癒着等が起こりやすく問題有りなのです。

描き進めます。
輪郭線が転写されているので、その中を「塗り絵」の様に潰していきます。
でも、エッジは刷毛遣いで出来るだけシャープに仕上げようと奮闘しています。

ようやく完成です。
まあまあの出来と自画自賛です。
このあと充分に乾燥させるため、このままにしておきます。
明後日の日曜日に「防災訓練」で初披露となる予定です。
なんとか明日の納品に間に合いそうです。

多くの作業を機械に任せてしまう昨今ですが、もし機械が壊れたら?もし停電が続いたら?
そんな時の為に、「手仕事」の技術も維持しようと思っています。
災害や争乱時に、たよりになるのは「手」の技術だと思います。