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2006年04月30日

国や地域で色の好みが違うのかな?

先日、電子メールで懸垂幕のお問い合わせをいただきました。
生地色に関して、DICカラーガイドでご指定いただきました。
「日本の伝統色」と「中国の伝統色」からでした。
「日本の」は手元にありましたが「中国の」が無かったので、早速デザイン用品のネット通販で購入し到着しました。

伝統色チャート1

これが弊社にある「伝統色」のカラーガイドです。
いずれも、お客様からの指定色を生地の色の中から探したり、プリントデータ作成時の色合わせ等に使っています。
本家のカラーガイドと合わせて5種類のガイドを持っていますが、全てお客様からのご指定をいただいた際、手元に無かったのを取り寄せて増えました。
こと色に関してはお客様に教えていただき勉強している点が多いのです。

伝統色チャート2

今回購入した「中国の伝統色」はチョット面白いです。
各色票の上にその色に関する説明があるのですが、これが「中国語」「日本語」「英語」の三か国語表記。
中国語は「簡体字」でカタカナの発音ふりがなも入ってます。
色の勉強に留まらず、中国語の勉強にもなりそうです。

もしかして、と「フランスの伝統色」を見ましたら、案の定「仏語」「英語」「日本語」でした。
そして、「日本の伝統色」は、日本語のみでした。あたりまえかもしれませんが、ちょっと残念。
「萌葱色(もえぎいろ)」とか「蘇芳色(すおう色)」が英語でどのように説明されるのか見たかったなぁ

2006年04月29日

扁平半ドーム型&砲弾型完結編

今日の施工現場です。
あの砲弾型テントの壁が出来上がっていました。
こんな感じです。

以前は、レンガ壁に直線的な尖塔が建っていて洋館風な造りでした。
今回、壁が岩の様な造形になり、中央アジアとか中東アラブの雰囲気に変わりました。
「砲弾型テント」は、膨らみを持った「アラビア風」もしくは「ムスリム風」の「塔」のイメージでした。
内部に蛍光灯が入っているので、空が暗くなると、ほんのり緑色に光って見えるはずです。

今回「扁平半ドーム型テント」もこの現場への取付でした。
外部のテントが全部見えるアングルからのショットです。
2階の窓の「扁平半ドーム型」10台と屋上の「砲弾型」2台がフレームから新調のテント。
1階左側に3台ある緑色のテント、それから右側の高所作業車ブーム下に見えるカマボコ型のテントが生地の張替でした。
他にも、この写真で見えない場所にも・・・・・。

入口の「自動ドア」
テント生地で作ったゲートです。
よく「のれん状」のゲートを見ますが、ここは赤外線センサーでの「自動開閉式」
オーナーの発想で、普通の自動ドア(ガラスの)駆動装置を使ってテント生地ゲートを動かしています。
今回は生地の張替でした。
今までは単純な一枚物の幕でしたが、新しい幕は、風圧で大きくなびいてセンサーが働いて開いてしまうのを避ける為に、数多くの「窓」をあけました(色の違う部分が窓です)
裏にフラップを付けて、風が当たったら窓のフラップが開いて風を逃がすことで、全体が大きく動くのを避ける仕組みです。
お客様との話し合いの中で提案しました。
幕本体の裾には、鉛の入った重い「ウエイトロープ」を入れています。これも「振れ止め」の一環です。
さて、このゲートをくぐると・・・・。

中に、こんな幕があります。
少し前に縫製場で加工していたストライプ生地です。
オーナーのプライベート部分と駐車場を分ける仕切幕として使いました。
この生地は、このような使い方はあまりしないのですが、オーナーが「色柄重視」で選んだ結果です。
間違われない様に「出口ではありません」と文字を入れています(笑)

他に、建物裏側にあるテントの張替も行いました。

今月初旬に曲げ加工された鋼材が入荷した時から始まった「製作・施工記」ですが、これをもって「完結」といたします。
ご愛読(?)ありがとうございました。

今日はみどりの日の祝日でした、皆様、良き「ゴールデンウイーク」をお楽しみ下さい。
ちなみに上記現場は5月1日リニューアルオープンです。
場所は、ヒ・ミ・ツです。写真を参考に探して下さいませ。(ヒント、国道4号線)

今回の現場は「株式会社パムコ」様の現場でした。
ネット上にサイトをお持ちなのでアクセスしてみて下さい。
「株式会社パムコ」様のサイトはこちら

参考資料
各テントの使用生地です。
「扁平半ドーム型」東レ(泉)ルミパールテント(透光性生地)T-3002F 
「砲弾型」テイジン テトロンテント 3669FP
1階部分張替 東レ(泉)クールテント T-1788F
自動開閉ゲート クラレ パロニィFCテント 4170F&1171F
内部仕切幕 東レ(泉)コスモエバリア 5103

2006年04月27日

「砲弾」の行き先=着弾点?

お客様の意図とは無関係に「砲弾型テント」と勝手に名付けたあのテント。
今日、施工しました。
ある建物の屋上に設置した姿です。

砲弾タワー1

実は、そのすぐ隣にも同じ砲弾型テント。
同型同サイズのテントを2台取付でした。

砲弾タワー2

この建物は、まだ改装工事途中です。
写真でもガムテープの様なものが見えていると思います。
お客様がイメージした姿は、テントの下の壁が完成すると、なお分かりやすいので今日のところは答えを出さないでおきましょう。
近々、壁も完成した姿をお見せして「う〜ん、なるほど、そうか」って納得していただきます。
では。

2006年04月26日

扁平半ドーム型テント取付SP2

全部で10台作った「扁平半ドーム型テント」
先日そのうちの6台を取り付けたけれど、残りの4台はどうなるのか。

今日、取付してきました。
例によって高所作業車からの高い視線での写真。
う〜んなかなかピンと張れている、艶も良いのう(って自画自賛)

シルクロード7

そして、グラウンドレベルからの写真。
こうして見上げてもツヤツヤしておるのう(再度自画自賛)

シルクロード8

これで、「扁平半ドーム型テント」10台は、無事に予定された場所に取付完了です!

今日は、昨日や一昨日みたいな「にわか雨」に祟られる事も無く、平和に作業できました。
ありがとうございました。

2006年04月25日

完全なる装飾テント

昨日、文字を加工した生地を今日取り付けしてきました。
場所は、東京都国立市、あの「一橋大学」がある街です。(だからと言って「国立市」は「くにたちし」で、決して「こくりつし」では無い)
近日オープンの喫茶店でした。
実は、このテント「完全なる」装飾テントなんです。
何故「完全」かと言うと、このテントは全く「雨除け」の役を果たしません。
壁から5センチも浮かせて取り付けています。
理由は、テントを出来るだけ汚さない為。

cafe_latin

「テントってよごれるからなぁ」との声を聴きますが、それは結構ぬれぎぬなんです。
テントの汚れの大半は、壁の汚れなのです。
テントを取り付ける前は、壁などの汚れが雨が降る度に雨水に流されて軒から地面に落ちています。
そこにテントが付くと、その汚れを含んだ雨水がテントの上面に滞留します。
そして、テントの前面を伝って落ちるのです。
垂直な壁では、雨水は勢い良く落ちて、汚れも地面に落ちます。
でも、テントはその役目上緩い傾斜の屋根を持つので、一種のダムになり雨水の勢いを止めます。
そして、ゆっくり落ちるのです。
その為に生地の表面に汚れを残してしまうのです。

今回は、入口以外の部分は隙間をあけたままなので雨は壁際から落ちます。
でも、入口部分は困るのでテントの内部に別の「ヒサシ」を付けて、テントの先端内側に排水する様にしました。
「ヒサシ」の代わりに「雨樋」を内装する場合もあります。
ロゴの入っている前面を出来るだけ綺麗なままにしたい、そんなテントの仕組みも鳴海テントは考えます。

そうそう、この現場のお隣はこんなお店でした。

あひる

オーガニック野菜の専門店。
お客さんが絶え間なく来ていて人気がある様でした。
オーガニック野菜をお買いにこの八百屋さんにお越しの際は、お買い物のあとで左隣の喫茶店の美味しいコーヒーと天然酵母のパンでおくつろぎ下さい。
喫茶店の名前は「Cafe Lapin(カフェ ラパン)国立」です。

今回は「ジャスティプロモーション」様の現場でした。
ネット上にサイトをお持ちなのでアクセスしてみて下さい。
「ジャスティプロモーション」様のサイトはこちら

カフェラパンのテント素材データ
使用生地 テイジン シャガール EC17
文字材料 ショウワ「カラーフレックス(白)」(熱転写フィルム)

2006年04月24日

とても繊細な線の文字

今日の縫製場です。
明日取付の生地に文字を入れました。
細長い生地ですが、とても小さなテントです。
出巾が17センチ、立ち上がりが34センチ。両手に入ってしまいそうな断面寸法です。

文字はお客様からデータを戴いたロゴタイプ。
凄く繊細な書体で、一番細いところは1ミリ強しかないのです。
生地がコットンライクなファブリックなので、熱転写シートでの作業です。

そーっとカットして、そーっとウイード(カス取り)して、いざ貼付け。
あまり加熱すると、細い部分が溶けてしまって失敗する、しかし、加熱不足は接着が不充分で剥がれてしまう。
微妙なバランスで加熱圧着しました。
なんとか綺麗に仕上がりです。

2006年04月22日

お部屋の窓にいかがでしょう

今日の施工現場です。
カーテンの取付でした。
といっても、レールを使って横に引くカーテンではなく、上下に動く「シェード」タイプです。

バルーン1

生地は単純なケースメントです。
しかし、コードでたくし上げる事で、違った雰囲気が生まれます。
写真のタイプは「バルーンシェード(プレーン)」です。
この場所は北青山の「ヒーリングスタジオ」
営業時間が終わった後の夜間工事でした。

バルーン2

今回は「お店」での施工でしたが、普通のお部屋にもピッタリでは?
カーテンではなく、ブラインドでもなく、ロールスクリーンでもない。
少しリッチな雰囲気が簡単に実現。
鳴海テントにご相談下さい。プランニングから取付まで承ります。

2006年04月21日

長蛇の寝袋?

今日の縫製場の完成品です。
とても細長い品物。
長さは約6mあります。

布筒

写真奥の方が直径100ミリ、手前が直径300ミリの筒状です。
工場内でプラントとプラントを繋ぐ役目を担います。
筒の中を、生成途中の製品が流れるのです。
布でできている「ダクト」とでも申しましょうか。
もし、金属製でこのようなテーパー(先端と末端で直径が異なる形状)のかかったダクトを作ったら。どの位の費用がかかるのでしょう?
布(ポリエステル帆布)なら、安価でできます。
また、設置時に経路上に障害物があっても、少しなら曲げて取り付けられます。
やわらか素材の長所です。
堅い金属製では融通が効きません。

これも鳴海テントの仕事なんです。

素材データ
使用生地 平岡染織 ウルトラマックス U-21(シルバー)

2006年04月20日

こんなんできました。

最近、まるっこいテントが続いています。
今日の夕方、弊社駐車場にこんなモノが出現しました。

砲弾1

これは、現在製作中のテントフレームです。
鉄の加工が終わり、錆び止め塗装も済んだので生地縫製の型取りをする為に、鉄骨作業場から運んで来ました。
この形、中膨れの紡錘型ですが、「砲弾」に見えませんか。
「砲弾型テント」とでも命名しましょうか。

砲弾2

この「砲弾型テント」は外側の、曲げ加工されたパイプを外すとこうなります。
こうなると放送用のアンテナの様な形。

砲弾3

そして、最終的にはベース部分も4分割されてしまいます。
この「砲弾型テント」は、高さが約2.6m、一番太いところの差し渡しは約2mあります。
取付の時もですが、運搬も大変なサイズです。(弊社の2tトラックの荷台内のり寸法は、約1.7m)
そこで、バラバラに作って組み立てる「プレハブ形式」です。
取付も現場で順番にボルトで組み立てていくと完成します。

最終的にはこのフレームに生地がスッポリと被って、色鮮やかな「砲弾」になります。
ただ、ご注文いただたお客様のイメージは「砲弾」ではなく、全く別のモノなのですが、それは施工後の方が分かりやすいので、その時にでも。


2006年04月19日

扁平半ドーム型テント取付SP

お約束の「取付編」特番です。
今日、第1期分を取付しました。
写真が多いのでコメントは少なめで参ります。

シルクロード1

まず、フレームを壁に取り付け。

シルクロード2

続いて生地を掛けます。まだテンション(張力)をかける前、生地がしわしわです。
今回の工事、実は2階の窓への取付です。
写真右側に少しだけ「高所作業車」が見えるでしょう。

シルクロード3

とりあえず、高所作業車を動かさずに届く範囲だけを完成させました。
ふた窓飛んでいるのは、車に近すぎて作業できなかった(ブームを最短にしても高すぎるのです)ため。

シルクロード4

車を移動して、飛ばした窓にもフレームを取り付けました。

シルクロード5

今回の工事では、建物のこの面だけなので、全部で6台、全て完成しました。
なんとか、まあまあの仕上がりになりました。
高所作業車からの撮影、テントの取付位置の高さからの眺めです。
写真下端の黄色いパイプが高所作業車の「カゴ(バケット)」の手すりです。

シルクロード6

そして、完成した姿を地上から普通の視線の高さで撮影です。
普段は、このように見えるわけです。
下から見上げると間口寸法に対して、出っ張り(出巾)が少ない「扁平さ」が分かりやすいと思います。
間口寸法の半分(半径分)が出っ張ると「真円半ドーム」になるのです。

残りの4台は、別の壁面に取り付けです。
今、その面は足場が掛かっていて、壁面の清掃と塗装の作業が行われて居ます。
今月一杯で全ての工事が完了して、リニューアルオープンの予定です。
弊社も、この現場で他にも「テント」を施工します。
機会があれば、他のテントもお披露目したいですね。


2006年04月18日

縫製場では(ストライプの生地)

今日、縫製場で作業されていたのはこの生地でした。
ストライプ柄の生地です、これもテント生地なのです。
色が濃く見える方が「表」です。
画面左側の少し色が薄いのが「裏」です。
この生地は「ファブリック」と呼ばれる「織物」
表面に塩化ビニールがラミネートされているテント生地とは別物です。
この生地の表面は織物の「織り目」そのままの状態なので、本来は表裏共同じ色のはずなのです。
ても、テント生地として「防水性」を持たなくてはなりませんし、日本においては「防炎性能」も要求されます。
そこで、生地の裏面に樹脂を塗布する事で様々な性能を持たせているのです。
その樹脂の為に、裏は少し色が変わっています。

コスモエバリア1

ストライプ部分のクローズアップです。
細かいストライプが見えますでしょうか?
ベージュに見える地色の部分も、実は細いストライプの地紋になっています。(写真をクリックして拡大して見て下さい)
色数が多く、美しいと思います。

コスモエバリア2

今、テント屋業界では「ストライプ生地」が減りつつあります。
消費量が少ないのが廃番の原因ですが、国内メーカーでは年々ストライプ生地のラインナップが減っています。
ヨーロッパ(イギリスを除く)では、このファブリックで細いストライプ柄が好まれていて、生産量も多いそうです。
何故か日本では、と思っていましたが、昨秋に弊社が出展した見本市(コラボさいたま2005)では、弊社ブースにお立ち寄りいただいた方で、特に女性のお客様が多色で細いストライプ柄の生地に関心を示されていました。
従って、潜在的な需要は結構大きいのではないかと思っています。
日本の建物との調和を考えると難しい面もありますが、壁の色や瓦の色、そして窓から見えるカーテンなどの色や柄などとトータルコーディネートでしっかり計画すれば、色が豊かで、しかも落ち着いた雰囲気を建物全体に醸し出せると思います。

そんなご相談も鳴海テントにお寄せ下さい。
良いご提案が出来ると思います。

ちなみに写真の生地は国内メーカーの「泉(東レ)」が出している「コスモエバリア」です。
数少ない国内メーカーの「ファブリックのピンストライプ柄」です。
生地指定でのご用命、よろしくお願い致します。

2006年04月17日

テント屋の知恵

昨日の施工現場です。
西武新宿線の井荻駅近くの美容室です。
ヒサシ型テントの先端についているアルミの「見切り」が、シャープな雰囲気を作っています。

井荻1

この「見切り材」実は、とあるメーカーの「アルミオーニング」の部材を拝借して使っています。
この写真がその部材の断面です。

井荻2

それを、この様にカットしてしまいます。
右側の部分を使い、ヒサシ型テントの先端にキャップのようにはめ込みます。
そして、右端の丸い溝に「フリル」を通すと、最初の写真の様に完成です。

井荻3

残念ながら、これは当社のアイデアでは無いのです。
このお店は、昨年の夏に店舗改装に合わせてテントを張り替えしました。
その時すでにこの仕組みでした。
以前に何処かのテント屋さんが考えて編み出したのでしょう。
張替えの時には既存の部材をそのまま使いました。
今回、車がテントに接触する事故が起こり、アルミ材とフリルが損傷。
その原状復帰作業として、新たにアルミ材を当社で切断加工しました。

この方法、なかなか思い付く事ではありません。
長いアルミ材を真っ直ぐに「縦裂き」にするのも大変な作業です。
でも、思い付いて、やってみて、結構綺麗に仕上げた。
その何処かのテント屋さんに敬意を表します。


2006年04月16日

ちょっと一息(花とCAD)

連日、鉄の仕事をしたり、早朝に現場の下見に行ったりで忙しくしていたけど、ふと自社店頭に置いている「鉢物」を見ると花盛り。
桜に気が取られていたけど、他の花もそれぞれ綺麗だね(ヒット曲の歌詞か・・・)
色に関しても仕事の重要な内容なので、日頃から街中の「色」を気にしているつもりだけど、自然が創る配色はスゴイと思います。
花や木や空を先生に、色も勉強していかなくては。

パンジー

話は変わりますが、テントフレームの設計にCADを使っています。
フリーソフトのJW_CAD for Windowsですが、先日お客さんから添付ファイルで戴いた図面を開くと「真っ白」
なにが起こっているのか分からず、あたふたした挙げ句、CAD通の友人に電話すると「ヴァージョンアップすれば大丈夫じゃない?」との御託宣。
早速、ダウンロードサイトに繋ぎ最新版にしたら問題解決。
ヴァージョンナンバーが三つも大きくなっていた。
世の中の動きにもついていかないといけないって事。
それに友人は大切だなぁ、と感じた一件でした。

2006年04月15日

木綿のハンカチーフ、いやシート。

珍しく、綿帆布のシートの注文が入りました。
何故珍しいかと言うと、最近はシートと言えばポリエステル基布に塩化ビニールを含浸(がんしん)させた「ポリエステル帆布」が、ほとんどだからです。
軽く丈夫で長持ちなポリエステル帆布なので、綿帆布が負けるのもしかたありません。

写真左が綿帆布、右がポリエステル帆布です。
共に「OD色(オリーブドラフ色)」いわゆる自衛隊色とか国防色と言われる色です。
生地は裁断した後、巾継をする為にミシンの懐に入る大きさに畳みます。
あとはひたすらミシン縫製での加工です。

ハトメも打って仕上がりました。

綿帆布は、重くて、湿ったまま畳んでしまうとカビが生えるし、防水は「防水液」を表面に塗布して実現しているので一定期間を経るとだんだん防水性が低下してしまうなど短所が多いのですが、今回ご注文いただいたお客様には綿帆布を選択する理由がありました。
ひとつは、角の鋭い荷を積むお客様。
ポリエステル帆布は、全体的には丈夫ですが、鋭利なモノに当たるとぽちっと穴があいてしまうのです。
その点、厚手の綿帆布は尖ったものが当たってもなかなか突き抜けないのです。
二つ目は、高温のアスファルト合材を積むお客様です。
表面が塩化ビニールのポリエステル帆布では、アスファルトの高温で樹脂が柔らかくなり、アスファルトがこびり付いてしまうのです。
綿帆布ならば、こびり付きは無く快適に使えるのです。
他にも、綿帆布には適度な「通気性」があるので、蒸れてしまうのを嫌う「青果」や「生花」を扱う方にもお使いいただいています。
過去には「医療用酸素ボンベ」を運ぶお客様にもお使いいただきました。
ポリエステル帆布だと、夏の高温時に積荷のボンベが過熱して圧力が上がり、緊急弁が開いてしまうのだそうです。綿帆布だと繊維の厚みの断熱性と、適度の通気性で過熱が押さえられるとか。

天然素材の「綿」なので、廃棄時にも「可燃物」として焼却処理もできます。
また、キャンバスとは、もともと綿生地の事なのです。
天然由来という点で、バッグや帽子に使われるのも、この綿帆布の薄手生地です。
自然から戴く素材も上手に活かして使っていきたいものです。

素材データ
使用生地 綿帆布(平岡染織 スリーダイヤ)9号 OD色


2006年04月14日

連続ドラマ「扁平半ドーム型テント」

フレームの上塗り塗装が完了しました。
生地は既に縫い上がっているので、「扁平半ドーム型テント」計10台製作終了です。
天気に恵まれたので、露天で塗装しました。

domefinish

製作完了、即取り付けの予定だったのですが、現場のスケジュール変更で来週に取付が延びました。
それまでの数日の間、弊社駐車場で待機です。
テント、特に丸っこい形のテント製作を最初から御覧頂きました。
ひととおりの手順や方法をご理解いただけたと思います。

お楽しみいただいた(?)連続ドラマ「扁平半ドーム型テント」も「製作編」は本日が最終回です。
近々、特番形式で続編の「取付編」を公開すべくドラマ製作の準備を致します。
次回作は全編ロケで構成の予定です。乞うご期待!

2006年04月13日

フレームの化粧品選び

下塗りが乾燥したら仕上げ塗りですが、何色で仕上げるかはそれぞれの現場で異なります。
通常は、白・ライトグレー・黒の三色を超速乾の塗料で常時用意しています。
その他は、その都度のご指定に合わせて調色します。
お客様からの色の指定は色々な方法で頂くのですが、一番確実なのは「ペンキの色見本」である日本塗料工業会の「塗料用標準色見本帳」のナンバーでの指定です。
その見本帳はこんなモノです。

nittkou1

ズラッと並んでいますが、この見本帳の色なら各塗料メーカーに調色を依頼すると、ちゃんと同じ色で出てきます。
デザイナーさんは良く「DICカラーガイド」で指定して来るのですが、「DIC」は染料である印刷インクの配色見本なので、顔料のペンキでは再現できない色が多いのです。
なので、「DIC指定」の場合は、あくまでも近似色となりますが、中にはペンキで再現不可な色も有り、悩むところなんです。
今回のご指定はこの色

nittokou2

画面真ん中の色です。
限りなく白に近いのですが、マンセル値の「5YR9.2/1」が示す様に、ほんの少し「黄色と赤色」が入っています。
この色で「扁平半ドーム型テント」のフレームはお化粧(仕上げ塗装)をします。
メイクアップアーチストの腕が試されます。

今回の指定理由は、テントが設置される建物の壁に有る装飾部分と同じ色との事。
特段に調和を考えない場合は、前出の無彩色で塗装するのが無難ですが、生地の色に合わせたり、今回の様に建物側に合わせたり、また、敢えて合わせるのではなく生地とは反対の色を使ってフレームを際出せたり、などフレームの色の演出には様々な方法があります。
目的と環境に合わせた配色をご提案する事もできます。
是非、鳴海テントにご相談下さいませ。

2006年04月12日

フレームも同時進行

すっかりお馴染み「扁平半ドーム型テント」
こちらはフレーム製作現場です。
フレームも、錆び止め下地塗り完了です。

錆び止め

赤っぽい塗料が「錆び止め塗料です」
有害な「鉛」を含む塗料が錆び止めとしては高性能の様ですが、最近では「鉛フリー」なモノも良くなって来ています。
この赤みを帯びた色は「赤さび色」と呼ばれています。
他に、もっと鮮やかな朱色の「光明丹色」もありますが、いずれも「赤系統」
錆び止め塗料というと、この赤系統を連想しますが、「淡緑色」や「グレイ」はたまた「アイボリー」の錆び止め塗料もあります。
でも、この「赤系統」の方が錆びにくそう、と感じるのは「慣れ」でしょうか?

錆び止め塗装は、鉄の素地に強固に食い付き、大気と鉄の縁を切り、また、化学的作用で「防錆」するのが主目的です。
しかし、下地調整剤として、上塗りの仕上げ塗料の「ノリ」を良くするのも役目です。
ちょうど、お化粧の際の「ファンデーション」と同じですね。
しっかり丁寧にファンデーションを施す事で、仕上がりの美しさが決まります。
皆さん、ファンデーションをおろそかにしてはいけません。

このところ「扁平半ドーム型テント」の連続ですが、ひとつのテントが素材から加工され、施工を終えて完成する流れを知っていただくのに良い例と思い「連続ドラマ化」しています。
でも、他の仕事もやってますよ、ちゃんと。

2006年04月11日

テント縫製と洋裁は似ている?

引き続き「扁平半ドーム型テント」です。
最初に作ったフレームを使って、生地縫製も開始です。
まずは、型を取って型紙を作ります。

型紙

写真のピンク色しているのが「型紙」隣の赤い生地は型紙を基に裁断したものです。
それを縫い合わせていくのですが、各スパンを縫い合わせた段階で、一度フレームに被せます。

仮縫い

さながら「仮縫い」ですね。
「待ち針」は使いませんが、この段階で裁断や縫製の不具合を調べます。
細部を修正して仕上げ縫製をした後、ハトメを打って最初の生地が縫い上がります。

張込み

それをフレームに張込んでみます。
しわが生じないかどうか点検です。
ピンと張れる様なので、この型紙で残り9台分の裁断と縫製を続けます。

今回は、新規製作のテントなので、フレームを屋内に持ち込んで型取りをしています。
しかし、既存のテント張替の場合は、設置してある現場で型取りします。
風が吹いていると型紙が飛ばされそうで大変なのですが、この最初の段階が重要で、型紙が正確に取れないと綺麗に張れるテントになりません。
最初が肝心なんです。

型紙とか裁断・縫製・仮縫い、など用語も洋裁と同じです。
布とハサミとミシンで行う作業なので、自ずと似てしまいます。
テント屋も「服」を作るのと同じように、一つひとつ丁寧に心を込めて縫っています。

2006年04月10日

扁平ドームフレーム製作経過

昨日は休日返上で、数日前から手を付けている「扁平ドーム型テントフレーム」製作に勤しみました。
おかげさまで、昨日中でフレームは組み上がりました。
総計10台。

ドーム経過

写真は、その途中の風景。
手前に5台分、画面右奥の台上に組立途中の1台が載っています。
この時点で、既に1台は下地塗装を終えて生地縫製の為に「型取り」をするので縫製場の方へ移動していました。
フレームは、組立完了後、錆び止めの為の下地塗装を行い、乾燥後に着色の為の上塗り塗装を行います。
その模様は後日にご報告。

フレームが出来たので、生地の縫製も始まります。
こちらも明日以降にお披露目できると思います。

今日は、金物作業場の整理や、新規の現場の下見、また受注が決定したテントのフレーム設計・製図と忙しく過ごさせていただきました。
ありがとうございます。

2006年04月09日

線路は続くよどこまでも〜

今日は日曜なので「独り言」ネタを。

先日移動中に踏切で電車の通過を待っていました。
近くに有る「JR宇都宮線(東北線)」の踏切。
上り線の線路を、見かけない色の電車が走って来たので、思わずシャッターを。

日光直通485系

やっぱりね。
今年の3月のダイヤ改正で登場の、東武日光線直通乗り入れの特急でした。
新宿発で、大宮を通り、栗橋で私鉄の東武鉄道に乗り入れて日光まで行くのです。
写真は上り線なので新宿行き。
国鉄時代から特急として活躍している「485系」という車両が、東武日光線直通用として改装されたもの。
なんか嬉しくなっちゃいました。

中禅寺湖の遊覧船も運航再開とのニュース。
暖かくなって来たし日光辺りにでも出かけたいねぇ。

私は仕事で鉄を扱っているから、ではないのですが、少し「鉄」なんです。

2006年04月08日

道具7(バリバリ切ります)

今日は午前中、カーテンの打ち合わせの為に「北青山」まで行きました。
原宿駅から明治神宮表参道を歩きましたが、土曜日なので人が多い多い。
地方から出てきたての女子大生が、電車の中で前に居ました。
会話の内容で↑と分かったのです。

午後は戻って「半ドーム型テント」のフレーム製作続行です。

鋼材をバリバリ切断するのが上の機械。
比較的ゆっくりと回転する「刃」が、鉄を削り切ります。
以前は高速で回転する「砥石の刃」が鉄を「擦り切る」タイプの切断機を使いました。
派手に火花を出す代物です。
しかし、その機械は、
「ぎゅぅうい〜んん」と大きな騒音をまき散らすので、現在はあまり騒音を出さないこのタイプを使っています。

明日は日曜日ですが、「半ドーム型テント」が間に合わなくなるといけないので製作続行です。
まわりの桜ももう限界、花吹雪が激しくなっています。

そうそう、今日は「灌仏会(かんぶつえ)」「花祭」とも呼ばれるお釈迦様の誕生日祭。
打ち合わせ現場(青山)の近くにお寺があり、本堂の前に「天上天下唯我独尊」のポーズの釈迦像が、甘茶の中に立っていました。
手を合わせて、甘茶を掛けました。
打ち合わせの待ち時間に周辺をぶらついて出会った光景でした。

2006年04月07日

丸・○・マル・まる

今日の金物作業場の状況です。
朝、作業場に行くと材料屋さんから「曲げ加工」された材料が入っていました。
曲げ半径別に置いてみたのがこの写真です。
さて、何を作ろうとしているのでしょう?
巨大なフラフープ?、でっかい新体操の「輪」?
なんやて、そんなん誰が使うねん!

曲げ加工1

正解は、窓に付ける「ドーム型」のテントです。
正確には「半ドーム型」
窓の上に丸いテントが付いているの見たことありません?
あれです。
加工を始めたのがこの写真、扁平ドームなので丸い「骨」の半径が異なるのです。
(真円ドームなら全部一緒なんですが、扁平は大変なんです)

曲げ加工2

1台だけなら、「曲尺(かねじゃく)」の仕事で作っちゃいますが、今回は10台製作するので、それぞれ同じ形に仕上げる為に「ゲージ」を自作しての製作です。
CADで書いた図面で各部材の裁断寸法を割り出して、その通りに切断したら、あとはゲージに従って組み立てれば、全く同じ形のフレームがポコポコ出来上がる。
なーんて事なら楽なんですが。
手仕事で、一つひとつ確認しながら組み立てていきます。

完成した姿は後日にお披露目、できるかな?
結構急ぎのお仕事なんです。

2006年04月05日

道具6(非鉄金属用)

前に溶接機のご紹介をしましたが、あれは「鉄」専用の道具でした。
今回ご紹介するモノは、昨年に同業者から譲り受けた溶接機で「TIG溶接機」と言います。
これは優れもので、鉄はもちろんの事「アルミニウム」や「ステンレス」も溶接できてしまいます。
写真の上が「TIG溶接機」、下は今は現役を退いている「交流手棒溶接機」です。
どちらも三相200Vの「動力電力」を使います。

TIG

いつまでたっても全く錆びない「オールステンレスフレームのテント」や
大きいのに一人で持ち上げられる「オールアルミニウムフレームのテント」を作ろうと目論んだのです。
いずれも加工しにくく、また「テント」は一つひとつが「世界で一つ」のオーダー製品なので、外注で依頼すると材料が高価な事もあり非常に「お高い」製品になってしまいます。
そこで、自社内で加工出来れば良いなぁ、と思ったのです。

しかし、鉄の溶接に比べ、ステンレスやアルミニウムの溶接は難しい。
日頃の仕事の合間でしか練習できないので、なかなか腕が上達しません。
でも、少しずつ練習して、自分の手で「キラキラステンレスフレーム」や「軽々アルミフレーム」を製品レベルまで持っていく所存です。


2006年04月04日

応急処置

今日の朝「テントに穴があいちゃったの」との電話を受けました。
ここ数日、強い風の日だったので風で破損か?
早速、行ってみました。
見事にあいた大きな穴。
設置から十数年経過しているので、経年劣化と紫外線劣化で生地の強度が著しく低下していました。
指でも穴があいてしまう程。

応急処置1

何故あいてしまったか、というと、このテントの上にアームライトが有り、電球が切れたのでお店の旦那さんが脚立に乗って交換した時に、つい足を載せてしまったとの事。
強度が充分な時なら、片足くらい何でもないのですが、既に紙の様になっている生地はひとたまりも無く破れた様です。
でも、この真下には、このお店の商品が並んでいるのです。
ここは「魚屋さん」です。
運悪く、明日の天気予報は「雨」
応急処置をせざるを得ません。

応急処置2

穴に、大きな別生地を掛けて塞ぎます。
急だったので同じ色の生地が無く(例え有っても経年変化で色あせが激しいので・・・・)
違う色の生地となってしまいました。
普通、テント生地用の専用接着剤を使いますが、それは表面の「塩ビ」層を溶剤で溶かして融着させるのですが、今回は劣化が激しく、「塩ビ」の層がほとんど無くなっているので接着効果が期待できません。
そこで、いつもは雨仕舞に使うシール材の「シリコンコーキング」を接着剤代わりに使いました。
これで「穴くべ応急処置」完了。

とはいってもあくまでも「応急」です。
このお店も、生地全体の「張替」のお見積をさせていただきます。

でも、足をテントに突っ込んでしまったけど、お客様に怪我が無くて良かったです。

2006年04月02日

絶好のお花見日和

昨日、地元の「大宮公園」でのお花見に参加しました。
前の日は寒く風が強かったのですが、当日は晴れて暖かく、桜の花も満開でした。

花見1

主催者は「看板仕事人 関東」という看板屋さんのグループ。
お世話になっている看板屋さんから「大宮で花見やるから顔出さない?」とお誘いを受け、二つ返事でお邪魔しました。

花見2

溢れんばかりの花の数にも勝る、溢れかえっている「人」
お花見の主役は「桜」と「お酒」ですが、大事な脇役が「ブルーシート」です。
私達も含め、まわりの皆さんの腰の下には「ブルーシート」あり。
実は、これ、テント屋(シート屋)の取扱商品です。
ポリエチレン製の軽量シートですが、基布の繊維量により強度の異なる規格があります。
シートに貼られているシールに「#2000」「#3000」とあるのが規格表示で数字が大きい程、強度・耐久性の高い品物になります。
昨今は、ホームセンター等で手軽にお買い求めいただけますが、10m×10mやそれ以上の大きなサイズも用意されています。
お問い合わせいただければ、ご希望のサイズをお取り寄せ致します。
桜がこれから満開の地域の方、大所帯の「お花見」に「でっかいブルーシート」いかがでしょう。

花見3

宴が終わり、公園をあとにするときは少し日が落ちて来ていました。
満開爛漫な桜の一枝、美しいものです。
桜の下から離れた後も、バイタリティー溢れる看板屋さん達と仕事談義は続きました。
私もガンバロウ!、と。