メイン

2006年12月06日

これもテント張り替え

久しぶりに施工現場を手順を追って見ていただきます。
約6年前に新規で施工した現場の張替工事でした。

まずは、張り替え前。
こんな姿でした。
軒裏の右側は、少し天井部分を撤去しはじめています。
真ん中右側の脚立は3メートルあります。結構高い所まで手が届きます。

軒裏を全部はずしました。
中には蛍光灯の照明が仕込んであります。

古い生地を全部はがしてしまいました。
ほとんど錆もなく綺麗な状態のフレームでした。
白いペンキで再塗装を行ったところです。
この機会に蛍光灯も全部交換するため取り外しています。

一気に飛んで(笑)
新しい生地がすっぽりかぶりました。
中の蛍光灯も全部交換されて、明るい光に戻っています。
中央のロゴが最初の写真と異なるのがお分かりですか?

完成写真です。
辺りはすっかり真っ暗になってしまいました。
でも、暗くなってからがこのテントの本領発揮。
内蔵している蛍光灯の光で、テント全体が明るく光っています。
正面はくっきり明るく白い面、中央のロゴも綺麗に映えます。
軒下に相当する部分は、アルミパンチングメタル(アルミ板に無数の丸い穴があいているもの)を取り付けているので、正面より明るさが押さえられています。
足下は少し暗くなるのですが、その事が、正面のロゴ面をより一層目立たせる効果になっています。

普通の生地ではこんなに綺麗に明るく光りません。
内照式サインテント専用の、光の拡散性が良く、適度な透光性を持つ生地を使っているから明るくムラのない光で演出できるのです。
夜の長いこれからの季節、あなたのお店を印象的に演出するのは、内照式のサイン(デザイン)テントです。
ご相談は鳴海テントへ

参考資料 使用生地 テイジン ルナシャイン

2006年09月25日

表裏一体じゃない

先週の施工でした。
店舗の固定テントの張替でした。
生地が劣化していて、一部は大きく破損していました。
同じ生地での張替でした。

天気の良い日だったので、張り替えたばかりの生地が太陽の強い光で輝いているようです。
紺地に白文字で、和風の定番配色です。
一見普通の様ですが、この生地はちょっと面白いのです。

同じテントの裏側です。
表は「紺色」でした。この写真でも下端部分は生地を巻き込んでいるので表の面が見えています。
「紺色」でしょう。
でも、上の方を見ると「水色」です。
表と裏で色が異なっているのです。
と言っても「リバーシブル生地」ではありません、表には保護層や紫外線カット層、防汚層などがありますので、表は表として使わなくてはいけません。
では何故?
この色の組み合わせの利点があります。
「紺色」は、濃い色なのでどうしても内部が暗く感じます。
照明をしても、濃い色なので「反射」の効果は望めません。
しかし、「水色」なら、昼間は回り込んでくる太陽の光で明るく感じます。
照明をつける夜も、照明の光に照らされた「水色」の面は明るくなるので、店頭などテントの下も明るく見えます。
「表裏一体じゃない」事がプラスになる例です。
決して「表裏のある奴」と、ののしる事はやめてくださいませ。

テント生地にも色々な「個性」があります。
あなたのお店やお宅、お部屋に一番似合う生地はどれでしょう?
はい、鳴海テントにご相談下さい。お似合いの生地をお探しいたしましょう。

参考資料
使用生地 テイジン パスティ 8328FP

2006年08月04日

蛸かっぱのぞうさん

なんやて、ちょっと前に「蛸の雨合羽」なんて物こさえといて、今度は「象」かいな。
まったく、なんちゅーうもん作っとんねん、自分。(大阪弁調でお読み下さい)

いえいえ、「象」ではなく「増産」です。また、「蛸の雨合羽」でもありませんのでお間違いなく。
先日おさめた品の追加注文をいただきました。

製作途中の図です。
ベースになる生地は、丸い穴があり、この後色々な部分を縫製で付け加えて完成させます。
この品も「お盆前納品」。
縫製場は、ひとときも休めぬ忙しさです。

2006年08月01日

生地の巾のあれこれ

いよいよ8月に入りました。
弊社も「お盆前に」というお客様が多く、今週と来週は忙しい日々を過ごします。
さて、今日は「生地巾」について。
とりあえず縫製場にある生地を出してみました。

5種類の生地が写っています。
巾の広い方から

203cmの生地(写真では緑色)
「にめーたーはば」と呼ばれます。
一部のポリエステル帆布やターポリン生地のサイズです。

188cm(185・184なども)の生地(写真のアイボリー色)
「だぶるはば」と呼ばれます。
2倍という意味ですが、なんの2倍かは後で。
多くのターポリン生地や一部のポリエステル帆布のサイズです。

154cmの生地(写真のオレンジ色9
「ひゃくごじゅうせんちはば」と呼んでます。
まんまな呼び方ですが、他に知りません。
国産の一部のポリエステル(塩ビラミネート)テント生地にこのサイズがあります。
輸入生地にもこのサイズが見受けられます。
ヤードポンド法で考えると、約60インチなので、「60インチ巾」なのでしょう。

103cmの生地(写真のシルバー、ほとんどグレーに見えますが)
「めーたーはば」と呼びます。
実際は1mより少し広いのですが「メーター巾」です。
前出の「2m巾」は、このサイズの2倍というわけです。
でも、「2m巾」は「だぶるはば」とは呼びません。
この「m巾」は、ポリエステル帆布の基本サイズです。

94cmの生地(写真のエンジ色)
いよいよ真打登場です。
「なみはば」と呼びます。
漢字では「並巾」
普通のって意味です。
ほとんどの国産ポリエステル(塩ビラミネート)テント生地がこのサイズです。
また、昔から(おそらく戦前、大正・明治、いやその前から)ある生地の規格サイズで、木綿の帆布もこの巾です。
さっきの「だぶるはば」は、この「並巾」の2倍という事だったんです。

他には120cm(116cm・117cm)の生地(おもにファブリック系)や
137cm巾(主に懸垂幕用のターポリン)の生地もあります。
また、看板に使うFFシートと呼ばれる生地には、最大500cm巾もあります。

何故、こんなに色々なサイズの生地が有るのか、についてはまたの機会にさせていただきましょう。
とにかく、このような決まった巾の生地を繋いで大きな一枚の「布」にして色々な場面に必要な「テント」「シート」を作ってます。
東京ドームの屋根だって、細い巾の生地をいくつも繋いであんな広い「覆い」になっているんです。

2006年07月29日

オーター加工のメリット

2トントラック用のシートです。
半分に畳んだ状態です。
画像の下側、ハトメが打ってある所が、荷台の下のロープ掛け(ダボー)の面になります。

ハトメの間隔が等間隔では無いのがお分かりでしょうか?
決して間違ったのでは有りません。
トラックの荷台外側に有る「ロープ掛け」は、等間隔には付いていないんです。
しかも、車種によって、または同じ車種でも荷台のサイズや形状、材質によって位置が異なっています。
オーダー加工でお受けする時には、この「ロープ掛け」の位置も採寸します。
その荷台に合った位置にハトメを打つ為です。
また、お客様の使い勝手をお聞きして、「ロープ掛け」以外の場所にハトメを打つ事も有ります。
大量生産の既製品ではこのような事はできません。

あなたの「愛車」にピッタリのシートをお作りになりたいならば
鳴海テントにご用命下さい。
弊社専用駐車場で、ゆっくり確実に採寸し、ぴたっとフィットするシートをお作りします。
大型のダンプトラックも入れますのでご安心下さい。
4トンロングのトラックも悠々大丈夫です。
お待ちしております。

2006年07月26日

看板面の裏話

昨日の施工です。
晴れ上がった今日と違い、降ったりやんだりのグズグズ梅雨空でした。

このサイトで何度も御覧いただくキャラクターです。
今回は、この「面」の裏側をお見せします。
ここだけですよ、ご内密に。

ちょっとピントが甘いのですが、それは秘密保持の目的だったりして。
まるっきり「固定テント」そのものです。
生地にハトメを打ってロープでかがってテンションをかけています。
フレームはスチールパイプで組んだもの。
街のテント屋ならどこでも製作可能な構造です。
これを、照明の入った本体側に取り付けると、上の写真の看板が出来上がります。
高価な専用フレームや展張金具を必要としないので、コストを下げる事が可能です。
仕上がりは、上の写真の様に遜色有りません。

この現場は、1985年に「つくば科学万博」が開かれた場所のそばでした。
面している道路もその時に作られた、広い道です。
当時、科学好きの私は5回程でかけました。
作業中、この現場の現場監督との雑談で「科学万博懐かしいねぇ」と私が言ったのに、
その監督さんはきょとんとした表情で「いつやったんですか?」との問い。
「1985年だよ」と答えると、「じゃあ3才だったんだ」
それじゃあ記憶の端にも無いよね。
そうか、もう21年も経つんだ。
みなさん「コスモ星丸」憶えていますか?

2006年07月18日

ちょっとヨーロッパの街並?

少し前の施工です。
現場は、ワールドカップ目前のドイツの・・・・・・。
いやいや、東京調布の「つつじヶ丘駅」近くでした。

壁に掛かっている「バナー」です。
今回は「更新工事」

写真の様に、風で翻弄されて傷付いてしまったので、新しいものと交換です。
以前は「ファブリック生地」にシルクスクリーン印刷されていたのですが、今回の更新では「ターポリン生地」にインクジェットプリントに変更です。
写真では分かりませんが、えんじ色の部分には細かい「地模様」が入っています。(古いバナーの写真で少し分かるかな?)
一度に多くの数を作る場合はシルクスクリーン印刷が良いのですが、単品では高コストになってしまいます。
その点、インクジェットプリントは一枚でも低コスト。

このバナーは表裏両面にプリントしています。
ターポリン生地は、光を透過させるので逆光の時に裏の文字が透けてしまいます。
それでは困るので、この場合は「遮光ターポリン」という素材を使います。
白い生地の間に「遮光層」を挟んだ「サンドイッチ構造」です。
その為一枚の生地ですが、光が透けず文字もちゃんと見えます。

「バナー」の製作を承ります。
あなたのお店の「バナー」すり切れていませんか?
痛んだバナーはお店の雰囲気を壊してしまいます。
鳴海テントにご用命下さい。

2006年07月17日

深紅の大優勝旗じゃなく

一昨日納めた品です。
製作途中の縫製場での姿です。
当然「優勝旗」ではなく、トラック用シートです。

以前に「幸せの黄色いシート」がありましたが、今回は「真っ赤」
受注の経緯はこうです。
弊社は幹線道路(旧国道16号線、現県道さいたま春日部線)に面しているので、時折飛び込みでのお客様がみえます。
その日も「トラックのシートを補修するものが有るそうですが」とお寄りいただきました。
シート生地に粘着材を塗布した「補修用テープ」をお出しして、3mお買い上げいただきました。お会計を終えた後「トラックのシートって作ってくれるの?」との問いでしたので、「車を測らせていただいてオーダーで作っています」とお答えしました。
「じゃあ御願したい、車はそこの道を入った突き当たりの駐車場にあるから」
お客様は、すぐ近くに車を置いている「運送屋さん」でした。
「で、生地の色ってどんなの?」と。
「普通はグリーンとシルバー、それに自衛隊のOD色ですね」
「真っ赤とかは?」
「カラー帆布を使えば赤もできますよ、ただ、少しお高くなりますが」
「いくら位?」
「だいたいこの位で(と金額を伝える)」
「じゃあ、その赤で」
と言う事で、「真っ赤なトラックシート」の誕生になりました。
4t車のロングボデー、しかも「アオリ」が80センチある「大柄な」トラックの荷台をスッポリ覆うシートです。
イタリアンレッドに近い「真っ赤」なシートを纏ったトラックが走っていたら、たぶんこのお客様の車です。
後ろの車が興奮して追いかけたり、頭突きをしたりしなければ良いのですが・・・・・。

そうそう「深紅の大優勝旗」と言えば夏の甲子園。
母校が県予選で、一昨日初戦突破しました。
40年前は甲子園常連の「古豪」ですが、最近は全くダメ。
今日、試合がある日でしたが、雨で中止かな?ちょっと調べてみましょう。

参考資料
使用生地 平岡織染 ウルトラマックス U-13

2006年07月01日

足して加えて、生まれ変わる。第3話

お話は「第3話」となり、佳境に入って来ました。
まず、テントの完成姿

開店前の状態です。
テントの下に、開口部をスッポリ包む「引幕」があります。
内側にレールを仕込んでありますので、スムーズな開閉ができます。

さあ、開店時間間近。
「引幕」を開けて、「いらっしゃいませモード」です。
今回、波形で色分けされたデザインを採用しましたが、この色分けはどうやっているのか。
全面をインクジェットプリントで作れば、比較的簡単で自由にできます。
しかし、敢えて「色生地の接ぎ合わせ」で作りました。

理由は
1、テント生地の持つ「透光性」を活かして、店頭を明るくした。
(インクジェットプリントでは、インクの透光性が低いので暗くなってしまう)

2、赤系統の多い配色なので、インクより耐光(候)性の高い「生地の色」を使った。
(年々改善されていますが、まだまだ生地の地色(顔料の練り込み)の方が、インクより格段の耐光(候)性の高さを有しています。特に赤系統)

3、テント生地は、汚れ防止の為の特殊表面加工をしているので、生地地色を使った方が汚れにくい。

4、溶剤系インクジェットの場合、UVカットのオーバーラミネートを施すが、加工上ミシン縫製が必須のテントの場合、ミシン穴からの「浸水」等が懸念される。

5、ラミネート不要のプリンターの場合でも、上記3の問題が残る。

6、テント用の特殊配合の樹脂を使うテント生地と異なり、インクジェット用の「ターポリン生地」は、施工時の扱いが難しく、綺麗な仕上げが困難。

以上の様な理由から、色生地の接ぎ合わせで作ったので、テントの内部はこうなってます。

太陽光が、それぞれの色生地を通って来ています。
特に黄色は透光性が高いので、明るい店頭になっています。
手前に写っている照明器具が「紫色」になってますが、これはデジカメの特性の様です。
実際は白いまま見えますよ。

このテントのサイズは、間口12mで、テント本体の高さは3mです。
「薬」の文字のベースの赤い楕円形は、横3.4mで縦1.8mあります。
ちょうど4畳分の大きさです。
店名ロゴも、人の背丈程の大きさの文字でした。
文字の貼り込み作業は、ちょっと大変でした。

参考資料
使用テント生地 ダイニック レガード6000 6007(黄)6008(オレンジ)6009(赤)
使用マーキングフィルム(文字) IKC Eカルテント

2006年06月08日

万引き除け?ネット

今日の施工です。
茨城県稲取市まで行って来ました。往復の移動時間を含めて16時間もかかってしまいました。帰着は22時、逆算すると出発は、さて何時だったのでしょう。

施工現場はインストア型のドラッグストアです。

「ハト除け」ならぬ「盗難除けネット」です。
営業時間終了後に、写真の様に使います。
本体のスーパーマーケットより早く店じまいをする為に設置しました。
天井にレールを付け、ワイヤーでネットを吊っているので、簡単に開閉できます。

裾は金具で固定します。
ネットはゴルフボール用の「防球ネット」
ゴルフ用の25ミリ目のネットは、様々な素材と加工法で多くの種類があります。
やはり需要が大きいのでしょう。

ネットを固定していた金具は、ネットを開けた時にはたたんでしまいます。
床からの出っ張りがないので、歩く時に邪魔になりません。
けっこう優れた品物です。
これは、船舶で使われる部品で「リングプル」と呼ばれています。
狭い船内で、不要な時はたたんで平にしてしまう、そんな発想の金物だと思います。

参考資料 使用品リスト
カーテンレール 
岡田装飾金物 OSレール Dー30(アルミ)
ネット
中田産業 防球ネット ゴルフ(グリーン)ポリエステル ラッセル2000D×5本 25mm目
床金具
浅野金属工業 リングプル(小)
掛け金具
ワンツースリー Cリンク 6mm

2006年06月01日

早苗色のテント

昨日の現場です。
お米屋さんの建物に付いているテントの張替でした。

早苗色1

上の方にちょこんと2台のテント。
壁の中には大きな「精米機」が入っています。
背が高い機械なので、中は「吹き抜け」です。
精米する時に熱が発生して暑くなるので熱気抜きに窓があります。
でも、雨の時には吹き込んでしまうので窓を開けられない、でもムシムシ暑い。
そこで、雨除けとしてのテントです。
深くかぶっているので強い雨でも窓を全開できます。

早苗色2

施工後に中を覗くと、こんな色の世界です。
お米屋さんだけに「早苗色」
ちょうど今、田んぼの稲はこんな色でしょうか。
この写真で、太い影がフレームのパイプ。
その間に有る細い影が生地の「継目」です。
このテントは間口が2m。
94cmの普通の巾の生地を2枚と少し継いで作っています。
一昨日の現場や、一昨々日の現場のテントにはこの「継目」が無いのです。
お分かりいただけたでしょうか?

お米は日本人の「主食」です。
昨今は消費量が落ちている様ですが、やはり白いご飯を食べるとホッとしませんか?
炊きたての温かいご飯に「生卵」「明太子」「納豆」それからそれから。
でも、本当に美味しいご飯は何も無くても美味しいです。
ほんのり甘くて、噛むと弾力があって、ん〜たまりません。

参考資料
使用生地 クラレ パロニィFC 1140F

2006年05月30日

二日続けて・・・・

今日の施工です。
テントの文字で「なに屋さん」か、ってことは明らか。
スポーツ用品店です。

sankousya1

お店の間口いっぱいのテント。
赤・青・緑と「光の三原色」のラインが目立ちます。
写真左端に少し写っているのが、弊社の「主戦運搬機=メインのトラック」です。
それはさておき、
今日のタイトル「二日続けて」とは何でしょう?
何が続いたのでしょう?
それは次の写真で。

sankousya2

このテントも「継目無し」シームレスなんです。
昨日の現場と同様に艶有りの「広巾」(154cm巾)生地を使いました。
寸法が丁度良いと言う点も有りますが、このテントは光の三原色ラインと横組のロゴどちらも「水平」が強いデザインです。
出来る事なら「垂直」な継目は入れたくない。
そんなデザイン上の理由もありました。

このスポーツ用品屋さんは、地元大宮では「老舗」です。
私が小学生の時の「運動着」は、こちらのお店から。そして中学・高校と所属した運動部の備品もこちらのお店から購入しました。
その頃から、テントのデザインは同じです。
今回で何代目になるのか分かりませんが、長年同じイメージを維持しているのは凄い事です。
そして、そのデザインが決して古くない。
最初が良かったんですね。ただ、残念ながら最初は当社じゃなかったんです。
時代は変わり、学生達が変わってもずっとシューズやユニフォームを扱っていて欲しいです。

参考資料
使用生地  ダイニック REGARD(レガード)6000 6001

2006年05月29日

一枚布のテント

今日の施工です。
既存フレームへの生地張替でした。

何の変哲も無い「ヒサシ型テント」ですが、普通のテントとは少し違う部分が有ります。
このテントのサイズは、間口が4.6mで壁からの出巾が1.2mです。
テント生地の生地巾は94cmなので、4.6mだと5枚巾継をします。
屋根部分や正面部分には4本の継目が出ます。

でも、このテントの屋根に継目はありません。
真っ平らな一枚布です。

正面の文字が入っている面も同様に継目が有りません。
その謎解きは?
生地巾が154cmある「広巾」の生地を使っているのです。
生地を横に使い、継目の無い仕上げにしました。
強度が一様ですし、生地端部からの水分の吸い込みも有りません。
それより何より真っ平らで綺麗です。
現在、この広巾生地は色数が少なく、艶有りの生地のみですが、使い方によってはとても綺麗でスッキリしたテントが作れます。

今回、張替させていただいたのは「Kembang Teratai ソープカービングギャラリー」というお客様。
果物や石鹸に細密な彫刻を施した伝統的芸術品のギャラリーと教室です。
その作品の緻密で美しい姿は絶品です。
作品の写真や詳しい事は「Kembang Teratai ソープカービングギャラリー」のサイトを御覧下さい。
きっと、うっとりとする事、請け合いです。
このギャラリー(教室)は、さいたま市の東武野田線北大宮駅すぐそばに有ります。

参考資料
使用生地  ダイニック REGARD(レガード)6000 6019

2006年05月28日

これも丸っこいテントです

「またまた曲げられてしまったパイプ達」を使ったテントを施工しました。

オカノ1

施工後の写真です。
形はお分かりですか?
少しまわりがうるさくて良く分からないかもしれませんので、見やすい写真を。

オカノ2

施工前に、作業場で「仮張り」をしているところです。
これで形がよく見えると思います。
円筒形を1/4にした形です。
「1/4円筒(Quarter Cylinder)型」としておきましょう。
「1/4パイプ型」でも良いのですが、側面に布面が有るのでパイプ(Pipe)とは言いがたく、やはり円筒(Cylinder)。
これが、あの「嘘のクイズ」の答えです(笑)

オカノ3

生地を張込み、雨仕舞のシーリングも終わったのでテントの中を点検に入ったら、とっても綺麗な空間でした。
青いテント生地を太陽の光が通り、なんとも言えない「ブルーの洪水」
スキューバダイビングはやった事の無い私ですが、海の中ってこんな風景なのかな?と思ってしまいました。
テント生地の透光性が作り出す「色」の効果。
雨除けや日除けの機能だけではなく、「色」を上手に使った演出がメインな「テント」も出来るんじゃないかな?と思った瞬間でした。

「カラーフィルター」効果も合わせ持つ「テント生地」
「色」の事も考えていく鳴海テントです。
お店やお部屋に新たな「色」のアイテムとして「テント」を考えてみませんか?
是非、ご相談下さい。

参考資料
使用生地 クラレ 彩(いろどり)FC 9150F


2006年05月19日

クラゲじゃないよ、カバーだよ。

今日、納めた品です。
透明ビニールで作った「カバー」
大きさは、横30センチ、奥行き40センチ、高さ40センチ。
角にファスナーを付けています。

透明カバー

ある基礎工事会社からの御依頼品。
屋外の施工現場でつかう計測機器のカバーです。
雨に濡らしてはいけない機器で、しかも表示面が良く見えるように、そして操作する時は正面を開けたい。
その要望がこんな形になりました。
この後すぐに工事現場にデヴューする事でしょう。

でも、この写真「クラゲ」に似ている。
昔、「魚貝の図鑑」に出ていた「クラゲ」の絵にそっくり。
「ちょうちんくらげ」っていったかな?四角いクラゲ。
定かではありませんが。(アンドンクラゲが正解、2006.5.23加筆)
でも、「クラゲ」は漢字では「海月」と書きます。
船から見下ろす丸いクラゲは、海という「空」に浮かぶ「月」。
なんと風流な、でも刺されると痛い、しかし、食べると美味しい。

参考資料
使用生地 塩化ビニール透明フィルム(0.3mm厚) ビスロンファスナー#10(白)

2006年05月18日

アメリカ製の生地で

先日、お持ち込みの材料を縫製して、キャンピングカーのサイドオーニングをお作りしたお客様からの御依頼で、新たに、ストライプ生地のサイドオーニングを作りました。

4577-1

ブルーが基調のストライプ柄。
この生地はアメリカ製、残念ながら国産品にはこの手の柄が無いのです。
今回は、お客様の方でアメリカの業者さんから、直接輸入した材料を支給していただきました。

4577-2

前の加工では、樹脂製のブッシングを縫い付けた、車体側レールへの挿入部分を、生地に太いロープを縫い込む方法にしてみました。
ロープの径を替えて、お客様におねがいして試験していただき、フィットする太さを決めました。
固めの樹脂ではなく比較的柔らかいロープなので収納時にコンパクトにたためると思います。

今回使った生地は、コットン調のファブリックで、アメリカのSunbrella社の製品です。
日本国内にも在庫が用意されていますので、いつでも必要な分だけ調達が可能です。
ウエストコーストの真っ青な海と空に似合う鮮やかなストライプ。
他にも色々な色や柄の生地があります。
鳴海テントにご相談いただければ、このアメリカ製の生地を使ったテント・オーニングを、あなたのお好みの生地で、世界でひとつの「パーソナルフルオーダー」で加工致します。
是非ご用命下さい。

参考資料
使用生地 Sunbrella STYLE4577


2006年05月13日

しあわせの黄色い、シート?

昨日納品した品です。
鮮やかな黄色がまぶしい。

まっ黄色のシートですが、トラックの荷台用としてのご注文でした。
トラックのシートと言うと、普通はOD色(オリーブドラフ)やグリーンが主流で、最近はシルバーも有ります。
昔は(今もかな?)通運色と言って、ペリカン便の日本通運をはじめとする「通運グループ」が、車体もシートも「オレンジ(俗に通運色、通運オレンジ)」を使っていました。
今回の様な「カナリアイエロー」のご注文は珍しいです。
しかし、トラックの荷台が華やかになって良いかもしれません。

やっぱり黄色は開運と、そして「幸せ」の色ですから。
幸せを包み、運ぶ、「しあわせの黄色いシート」は、鳴海テントにご用命下さい

参考資料
使用生地 平岡染織 ウルトラマックス U-11

2006年05月01日

テントの「防炎ラベル」

以前、「シート」の防炎ラベルに関してエントリーしました。
今日は「テント」に貼る防炎ラベルです。
正確には「防炎製品ラベル」と呼びます。

テント防炎ラベル

カーテンなどに「防炎性能」を有する「防炎物品」の使用が義務づけられている場合、テントも「防炎製品」である事が望まれます。
また、「防炎防火対象物」(消防法で指定されている場所)以外でも、「防炎性能」を持った製品が使われる事で火災の危険が低減されます。
生地の防炎表示は、各メーカーが「防炎協会」の認定を受けて、素材に「防炎材料」を示す認定番号とラベルが付されています。
しかし、その素材を加工した「製品」への防炎表示は、消防庁に登録した「縫製業者」のみが行う事ができます。
上のラベルに有る「事業所番号」は、防炎ラベルの一括交付団体である「日本テントシート工業組合連合会」加盟の各県組合所属組合員に付されています。
「11006」が弊社の固有番号です。
前の「シート用ラベル」の弊社固有番号は消防庁登録者番号の「E-11-30876」でした。
つまり、二つの番号があり、消防庁への登録が「基礎登録」となっていて、それを前提にテント用ラベルの番号が付されています。

デパートやホテル、ホールにある「テント」や工事現場の「シート」でこの「防炎ラベル」を探してみて下さい。
きっと同じデザインのラベルが付いているはずです。

テントやシートのご用命は「防炎製品表示者」の鳴海テントにご用命下さい。

2006年04月29日

扁平半ドーム型&砲弾型完結編

今日の施工現場です。
あの砲弾型テントの壁が出来上がっていました。
こんな感じです。

以前は、レンガ壁に直線的な尖塔が建っていて洋館風な造りでした。
今回、壁が岩の様な造形になり、中央アジアとか中東アラブの雰囲気に変わりました。
「砲弾型テント」は、膨らみを持った「アラビア風」もしくは「ムスリム風」の「塔」のイメージでした。
内部に蛍光灯が入っているので、空が暗くなると、ほんのり緑色に光って見えるはずです。

今回「扁平半ドーム型テント」もこの現場への取付でした。
外部のテントが全部見えるアングルからのショットです。
2階の窓の「扁平半ドーム型」10台と屋上の「砲弾型」2台がフレームから新調のテント。
1階左側に3台ある緑色のテント、それから右側の高所作業車ブーム下に見えるカマボコ型のテントが生地の張替でした。
他にも、この写真で見えない場所にも・・・・・。

入口の「自動ドア」
テント生地で作ったゲートです。
よく「のれん状」のゲートを見ますが、ここは赤外線センサーでの「自動開閉式」
オーナーの発想で、普通の自動ドア(ガラスの)駆動装置を使ってテント生地ゲートを動かしています。
今回は生地の張替でした。
今までは単純な一枚物の幕でしたが、新しい幕は、風圧で大きくなびいてセンサーが働いて開いてしまうのを避ける為に、数多くの「窓」をあけました(色の違う部分が窓です)
裏にフラップを付けて、風が当たったら窓のフラップが開いて風を逃がすことで、全体が大きく動くのを避ける仕組みです。
お客様との話し合いの中で提案しました。
幕本体の裾には、鉛の入った重い「ウエイトロープ」を入れています。これも「振れ止め」の一環です。
さて、このゲートをくぐると・・・・。

中に、こんな幕があります。
少し前に縫製場で加工していたストライプ生地です。
オーナーのプライベート部分と駐車場を分ける仕切幕として使いました。
この生地は、このような使い方はあまりしないのですが、オーナーが「色柄重視」で選んだ結果です。
間違われない様に「出口ではありません」と文字を入れています(笑)

他に、建物裏側にあるテントの張替も行いました。

今月初旬に曲げ加工された鋼材が入荷した時から始まった「製作・施工記」ですが、これをもって「完結」といたします。
ご愛読(?)ありがとうございました。

今日はみどりの日の祝日でした、皆様、良き「ゴールデンウイーク」をお楽しみ下さい。
ちなみに上記現場は5月1日リニューアルオープンです。
場所は、ヒ・ミ・ツです。写真を参考に探して下さいませ。(ヒント、国道4号線)

今回の現場は「株式会社パムコ」様の現場でした。
ネット上にサイトをお持ちなのでアクセスしてみて下さい。
「株式会社パムコ」様のサイトはこちら

参考資料
各テントの使用生地です。
「扁平半ドーム型」東レ(泉)ルミパールテント(透光性生地)T-3002F 
「砲弾型」テイジン テトロンテント 3669FP
1階部分張替 東レ(泉)クールテント T-1788F
自動開閉ゲート クラレ パロニィFCテント 4170F&1171F
内部仕切幕 東レ(泉)コスモエバリア 5103

2006年04月21日

長蛇の寝袋?

今日の縫製場の完成品です。
とても細長い品物。
長さは約6mあります。

布筒

写真奥の方が直径100ミリ、手前が直径300ミリの筒状です。
工場内でプラントとプラントを繋ぐ役目を担います。
筒の中を、生成途中の製品が流れるのです。
布でできている「ダクト」とでも申しましょうか。
もし、金属製でこのようなテーパー(先端と末端で直径が異なる形状)のかかったダクトを作ったら。どの位の費用がかかるのでしょう?
布(ポリエステル帆布)なら、安価でできます。
また、設置時に経路上に障害物があっても、少しなら曲げて取り付けられます。
やわらか素材の長所です。
堅い金属製では融通が効きません。

これも鳴海テントの仕事なんです。

素材データ
使用生地 平岡染織 ウルトラマックス U-21(シルバー)

2006年04月18日

縫製場では(ストライプの生地)

今日、縫製場で作業されていたのはこの生地でした。
ストライプ柄の生地です、これもテント生地なのです。
色が濃く見える方が「表」です。
画面左側の少し色が薄いのが「裏」です。
この生地は「ファブリック」と呼ばれる「織物」
表面に塩化ビニールがラミネートされているテント生地とは別物です。
この生地の表面は織物の「織り目」そのままの状態なので、本来は表裏共同じ色のはずなのです。
ても、テント生地として「防水性」を持たなくてはなりませんし、日本においては「防炎性能」も要求されます。
そこで、生地の裏面に樹脂を塗布する事で様々な性能を持たせているのです。
その樹脂の為に、裏は少し色が変わっています。

コスモエバリア1

ストライプ部分のクローズアップです。
細かいストライプが見えますでしょうか?
ベージュに見える地色の部分も、実は細いストライプの地紋になっています。(写真をクリックして拡大して見て下さい)
色数が多く、美しいと思います。

コスモエバリア2

今、テント屋業界では「ストライプ生地」が減りつつあります。
消費量が少ないのが廃番の原因ですが、国内メーカーでは年々ストライプ生地のラインナップが減っています。
ヨーロッパ(イギリスを除く)では、このファブリックで細いストライプ柄が好まれていて、生産量も多いそうです。
何故か日本では、と思っていましたが、昨秋に弊社が出展した見本市(コラボさいたま2005)では、弊社ブースにお立ち寄りいただいた方で、特に女性のお客様が多色で細いストライプ柄の生地に関心を示されていました。
従って、潜在的な需要は結構大きいのではないかと思っています。
日本の建物との調和を考えると難しい面もありますが、壁の色や瓦の色、そして窓から見えるカーテンなどの色や柄などとトータルコーディネートでしっかり計画すれば、色が豊かで、しかも落ち着いた雰囲気を建物全体に醸し出せると思います。

そんなご相談も鳴海テントにお寄せ下さい。
良いご提案が出来ると思います。

ちなみに写真の生地は国内メーカーの「泉(東レ)」が出している「コスモエバリア」です。
数少ない国内メーカーの「ファブリックのピンストライプ柄」です。
生地指定でのご用命、よろしくお願い致します。

2006年04月15日

木綿のハンカチーフ、いやシート。

珍しく、綿帆布のシートの注文が入りました。
何故珍しいかと言うと、最近はシートと言えばポリエステル基布に塩化ビニールを含浸(がんしん)させた「ポリエステル帆布」が、ほとんどだからです。
軽く丈夫で長持ちなポリエステル帆布なので、綿帆布が負けるのもしかたありません。

写真左が綿帆布、右がポリエステル帆布です。
共に「OD色(オリーブドラフ色)」いわゆる自衛隊色とか国防色と言われる色です。
生地は裁断した後、巾継をする為にミシンの懐に入る大きさに畳みます。
あとはひたすらミシン縫製での加工です。

ハトメも打って仕上がりました。

綿帆布は、重くて、湿ったまま畳んでしまうとカビが生えるし、防水は「防水液」を表面に塗布して実現しているので一定期間を経るとだんだん防水性が低下してしまうなど短所が多いのですが、今回ご注文いただいたお客様には綿帆布を選択する理由がありました。
ひとつは、角の鋭い荷を積むお客様。
ポリエステル帆布は、全体的には丈夫ですが、鋭利なモノに当たるとぽちっと穴があいてしまうのです。
その点、厚手の綿帆布は尖ったものが当たってもなかなか突き抜けないのです。
二つ目は、高温のアスファルト合材を積むお客様です。
表面が塩化ビニールのポリエステル帆布では、アスファルトの高温で樹脂が柔らかくなり、アスファルトがこびり付いてしまうのです。
綿帆布ならば、こびり付きは無く快適に使えるのです。
他にも、綿帆布には適度な「通気性」があるので、蒸れてしまうのを嫌う「青果」や「生花」を扱う方にもお使いいただいています。
過去には「医療用酸素ボンベ」を運ぶお客様にもお使いいただきました。
ポリエステル帆布だと、夏の高温時に積荷のボンベが過熱して圧力が上がり、緊急弁が開いてしまうのだそうです。綿帆布だと繊維の厚みの断熱性と、適度の通気性で過熱が押さえられるとか。

天然素材の「綿」なので、廃棄時にも「可燃物」として焼却処理もできます。
また、キャンバスとは、もともと綿生地の事なのです。
天然由来という点で、バッグや帽子に使われるのも、この綿帆布の薄手生地です。
自然から戴く素材も上手に活かして使っていきたいものです。

素材データ
使用生地 綿帆布(平岡染織 スリーダイヤ)9号 OD色


2006年04月11日

テント縫製と洋裁は似ている?

引き続き「扁平半ドーム型テント」です。
最初に作ったフレームを使って、生地縫製も開始です。
まずは、型を取って型紙を作ります。

型紙

写真のピンク色しているのが「型紙」隣の赤い生地は型紙を基に裁断したものです。
それを縫い合わせていくのですが、各スパンを縫い合わせた段階で、一度フレームに被せます。

仮縫い

さながら「仮縫い」ですね。
「待ち針」は使いませんが、この段階で裁断や縫製の不具合を調べます。
細部を修正して仕上げ縫製をした後、ハトメを打って最初の生地が縫い上がります。

張込み

それをフレームに張込んでみます。
しわが生じないかどうか点検です。
ピンと張れる様なので、この型紙で残り9台分の裁断と縫製を続けます。

今回は、新規製作のテントなので、フレームを屋内に持ち込んで型取りをしています。
しかし、既存のテント張替の場合は、設置してある現場で型取りします。
風が吹いていると型紙が飛ばされそうで大変なのですが、この最初の段階が重要で、型紙が正確に取れないと綺麗に張れるテントになりません。
最初が肝心なんです。

型紙とか裁断・縫製・仮縫い、など用語も洋裁と同じです。
布とハサミとミシンで行う作業なので、自ずと似てしまいます。
テント屋も「服」を作るのと同じように、一つひとつ丁寧に心を込めて縫っています。

2006年04月04日

応急処置

今日の朝「テントに穴があいちゃったの」との電話を受けました。
ここ数日、強い風の日だったので風で破損か?
早速、行ってみました。
見事にあいた大きな穴。
設置から十数年経過しているので、経年劣化と紫外線劣化で生地の強度が著しく低下していました。
指でも穴があいてしまう程。

応急処置1

何故あいてしまったか、というと、このテントの上にアームライトが有り、電球が切れたのでお店の旦那さんが脚立に乗って交換した時に、つい足を載せてしまったとの事。
強度が充分な時なら、片足くらい何でもないのですが、既に紙の様になっている生地はひとたまりも無く破れた様です。
でも、この真下には、このお店の商品が並んでいるのです。
ここは「魚屋さん」です。
運悪く、明日の天気予報は「雨」
応急処置をせざるを得ません。

応急処置2

穴に、大きな別生地を掛けて塞ぎます。
急だったので同じ色の生地が無く(例え有っても経年変化で色あせが激しいので・・・・)
違う色の生地となってしまいました。
普通、テント生地用の専用接着剤を使いますが、それは表面の「塩ビ」層を溶剤で溶かして融着させるのですが、今回は劣化が激しく、「塩ビ」の層がほとんど無くなっているので接着効果が期待できません。
そこで、いつもは雨仕舞に使うシール材の「シリコンコーキング」を接着剤代わりに使いました。
これで「穴くべ応急処置」完了。

とはいってもあくまでも「応急」です。
このお店も、生地全体の「張替」のお見積をさせていただきます。

でも、足をテントに突っ込んでしまったけど、お客様に怪我が無くて良かったです。

2006年03月23日

今日の縫製場では

近くの看板屋さんからの御依頼。
横断幕の端部縫製の作業でした。
仕上がり寸法は、間口が約14mです。
使っている生地は看板用のFFシートと呼ばれるモノ。
既にインクジェットプリントがされています。
でも、この素材がクセ者なんです。

ジョンレノン

世界バレー

テント用の生地は、テントの多様な形に追随できるように柔らかく、しなやかさを保つ為の樹脂配合がされています。
しかし、看板用の生地は、真っ平らになるように(平面性が高い)堅く、融通が利かないのです。
箱形の看板に張り込む場合は、この堅い生地の方が真っ平らになって綺麗なのですが、ミシン縫製は大変です。
布ではなく、まるで「板」を扱っているような感触です。
でも、どうにか2枚とも完成しました。

写真でおわかりのように、1枚は「ジョンレノンミュージアム」の特別展。
もうひとつは、今年の秋に開催される「世界バレー」のPRです。
たぶん、「さいたまスーパーアリーナ」の線路側に設置されると思うので、大宮駅とさいたま新都心駅間で電車をご利用の方は、ちょっとアリーナ側を見て下さい。
この横断幕が見えると思います。

2006年03月07日

道具4(測る)

生地を縫う前に裁断をします。
裁断の時に登場するのが、測る道具の「物差し(ものさし)」
弊社で使っている「物差し(ものさし)」を並べてみました。
工場内で生地加工の際に使用しているものです。

ものさし1

中の3本が「竹さし」1m、1m半、2mの三種類です。
銀色のが「スチールさし」こちらは1mと2m。
一番右は「指距(さしがね)」1m×50cm。
蛍光イエローは「スチールメジャー」です。

みなさん「竹さし」は、最近目にしないのでは?
私が小学生の頃は30センチの物差しをランドセルに差して通っていました。
テント屋では今でも結構使います。
「竹さし」の利点は、万が一生地の上に落しても生地を傷つけないことです。
もし、「スチールさし」を落したら、角で生地に「かぎ裂き」を作ってしまいます。
でも、実は「スチール」も良く使ってしまいます。目盛りが見やすくまっすぐなので。
また、スチールメジャーで一気に測る事もしばしば。手間が省けるんです。

でも、何故か使いきれない数の「竹さし」が作業場に有ります。
こんな風に作業場の隅に掛かっています。

ものさし2

だいぶ前に永六輔さんが「尺貫法」擁護の運動をしていました。
和裁で使う「竹さし」の目盛りは「くじら尺」という独特な単位(建築の尺や寸=曲尺とは違う)」が刻まれています。
でも、上の写真の「竹さし」の目盛りは「メートル」
しかし、国産テント生地の生地巾は920mmです。
これは「三尺」ということ、尺貫法の名残です。
オープンカフェやウッドデッキを彩る「オーニング」も、間口寸法の規格は「三尺刻み」
まだまだ「尺貫法」は、日本の生活に馴染んでいます。

テント工事の現場でも「ロープを二尋(ふたひろ)切ってくれ」なんて会話があります。
「尋(ひろ)」は両手を広げた長さですね。
身体が基準、最も確実な「計測機器」かもしれません。


2006年03月06日

看板だけど中の仕組みはテント方式

少し前の施工です。
お馴染みのお店だと思います。
店舗正面のサイン全てを施工しました。
あちこちに「ダック」が入っています。

アフラック十条1

注目は壁面看板です。
変哲の無い看板ですが、面はアクリルではなく生地です。
内部からの光を拡散させてムラの無い明るさが出る「フレックスフェイス」とか「バックリット」と呼ばれる材料です。

アフラック十条2

この手の生地で看板をつくる場合、生地を平らにピンと張るために専用のアルミ製金具を使います。
専用金具を使えば、確実に、しかも簡単に均一で強いテンションを掛ける事が出来て綺麗に仕上がります。
でも、難点があります。
その金具が比較的高価なのです。
この現場は、アーケード商店街の中なので雨がかからない環境。
なので全てスチール部材で組みました。
生地を張る仕組みも、テントと同じく「ロープ編み方式」です。
面の部分を本体とは別の枠にして、ハトメを打った生地を巻き込んでロープで編んでテンションをかけます。
そして、化粧のアルミアングルで囲って、本体枠には蝶番で繋ぎます。
オール自社製の「開閉式看板枠」なのです。蛍光灯交換も簡単です。
本体枠は、白い「アルミ複合板」で覆ってあるので、綺麗に仕上がっています。
看板の寸法は現場の建物に合わせてピッタリフィット。

高価な専用部材を使わなくても、見た目の良い安価な看板が出来ます。
それが鉄骨加工を自社内で行っているメリットです。
手持ちの予算が少なくて、とお悩みの方。
鳴海テントにご相談下さい。
なにか良い方法を見つけだせると思います。

2006年03月04日

ミシンの日

昨日の3月3日は「桃の節句」であり「耳の日」でした。
今日、3月4日は「ミシンの日」なんだそうです。
伝聞形で書きましたが、実際知りませんでした。
現場に移動中、TBSラジオの「土曜ワイドラジオ東京 永六輔その新世界」で取り上げられていたのを聞いて、初めて知りました。
「テント屋の一番基本の道具はミシンでしょう」などというエントリーをしていながら、お恥ずかしい事です。
その番組の中で「ボビン」も語られていました。

ボビン

当社のミシンのボビン達です。
画面奥左側にあるのが、ボビンケース。その右側にあるボビンを入れてからミシンにセットして使います。
ボビンの直径は25ミリ。
手前の少し大きめのボビンは「水平釜式」のミシンに使うボビンで、直径28ミリ。
こちらはボビンケースを使いません。直接ミシンにセットしてしまいます。
ボビンに巻かれている糸は、下糸になります。
上糸は、大きな糸巻きから直接供給されますが、下糸は小さなボビンから供給されるのです。
なので縫製作業中に何度もボビンが空になり、新しいボビンと交換しなければならないのです。

ミシンの端に、ボビンに糸を巻取る装置が付いています。
幼かった頃、巻き上がったボビンを装置から外して、次の新しい空のボビンをセットするのが「お手伝い」のひとつでした。
懐かしいなぁ。

ボビンって何語?と思い調べたら「Bobbin」の綴りで英語でした。
例によって辞書すると、
Bobbin 名詞
1、糸巻き ボビン
2、電気用語でコイルを巻く巻き枠
3、細い組みひも、(扉の掛け金の紐に付いている)木製の玉
今回は意外な訳語が無くてつまらなかったですね。

昔、35年程前、アニメのキャラクターに「ボビンちゃん」という女の子が居た様な気がするのですが。
記憶が定かでは有りません。どなたかご存じの方居ますでしょうか?

そうそう、今日は「サッシの日」でも有るそうです。
こちらに関しては「アルミサッシ屋」または「アルミサッシメーカー」のサイトを御覧下さい。

2006年02月23日

ロープ穴などの処理

まずは写真を見て下さい。
先日施工した「お肉屋さん」のテント内側です。
見えるかなぁ、画像中心付近に丸いモノが。また左上側に黒いロープが入っている穴らしきモノが。
今日の話題は、その丸いモノです。

ハトメ

「ハトメ」と呼ばれるもので、金属の輪です。
ロープを通す穴は、生地を丸く打ち抜くのですが、そのままでは弱いので金属で補強するのです。
「ハトメ」は漢字で「鳩目」と書くのですが、まんまるな形が「鳩の目」なんでしょう。
かわいいネーミングです。
でも、「端止め」とも。これは機能を表した表記ですね。用途が良くわかります。

生地に取り付ける前はこうなってます。

アイレット

箱の仕切を境に2種類の「輪」があります。黄金色ですが「金」じゃないんです(あたりまえ)真鍮(しんちゅう)製です。
また、道具らしきモノもあります。左にある道具が生地に穴をあける『ポンチ」革細工でも使いますね。
右にある二つが「打ち具」で、この二つで一組です。
「ハトメ」は生地の片方から「凸状」の輪を差し込み、平たい輪を「凸」に通して、「打ち具の臼状の方=打ち台」に乗せ、「打ち具の棒状の方=打ち棒」を輪に差し込んで、ハンマーで叩きます。
すると、凸部が「打ち棒」の付け根のカーブに沿って外側にめくれて、平たい輪の方を固定して出来上がりです。

普段、何でもない作業ですが、こうして文字で表そうとすると大変です。
それが「職人の技」なのかもしれません、なかなか言葉では伝えられないって事です。

ちなみに「ハトメ」は英語で「アイレット(eyelet)です。
アイレットの方がテント屋業界ではポピュラーかもしれません。
でも、英和辞書で初めて引いてみました。
New Conciseでは

eyelet 名詞
ひも通し穴、はと目穴、はと目金(はと目穴補強の)、飾り穴(刺繍の)//のぞき穴
とありました。
eyeは「目」で良いとして、letは?させる(使役)とか、貸すとかの意味じゃおかしいので、もっと調べると
「身に付ける輪』つまりアームレットとかブレスレットのレット、という意味があったので、これを採用!
eyeletは「目輪」。
まあまあ意味の分かる単語構造ですね。


2006年02月16日

ワンチャン達のお風呂場

今日の施工は神奈川県厚木市でした。
ホームセンター内に新規オープンするペットショップ。
白いカーテンを取付ました。

トリミングルーム

まだまだ工事中ですが、完成するとこの部屋は「トリミングルーム」になります。
カーテンの奥は、ペット達のお風呂場です。
水に濡れても大丈夫で、汚れても一拭きで綺麗になり、丈夫で安価な生地と言う事で、使ったのは「ターポリン」です。
基布に塩化ビニールをラミネートした生地で(生地の製造法に関しての詳しい事はこちら)しなやかで丈夫で安価です。
街中の工事現場で足場を覆っている白いシートと同じ素材なので、とっても頑丈なんです。
普通のカーテン生地より重い事と、少し手荒に扱われる事も考慮して、カーテンレールも家庭用より丈夫な「工事用レール」と呼ばれる品を使いました。

カーテンも用途・目的に合わせて色々な素材を使います。
鳴海テントにご相談いただければ、適材適所の素材でお造り致します。
家庭用の普通のカーテン(あなたの窓にピッタリのオーダー加工)も扱ってま〜す。
よろしく!

2006年02月11日

糸へんに逢うで縫うとは、これ如何に

糸と糸が出逢い絡まって「縫製」になります。
特に上下2本の糸で縫うミシン縫製は、まさに出逢いと絡まり。
今日は、その主役の「糸」

ミシン糸

生地の色に合わせて何種類かの色糸を用意しています。
たくさんの「単糸」を合わせた撚り糸です。
写真の糸は「ビニロン」の糸です。
昔、綿の防水布を使っていた頃は「綿糸」を使っていた様ですが、耐久性と発色の良さで合成繊維の糸を使います。
「ビニロン」は吸湿性が高い繊維ですが、吸湿(吸水)性が低い「ポリエステル」で、撥水処理をした糸が、熱溶着のできないファブリック(織物)系のテント生地縫製用に使われるようです。

糸の太さは「番手」で表します。
数字が大きい程細くなります。8番より20番の方が細いのです。
生地の厚さや加わる荷重、形態の複雑さ等で最適な太さを選んで使います。

2006年02月03日

道具3(ちょきちょきチョッキン)

基本中の基本な道具を忘れていました。
ハサミです。
生地を裁断する為の手道具、これが無きゃ始まりません。

ハサミ

上の二丁(ハサミは一丁二丁と数えます)が「裁ちバサミ(ラシャバサミ)」
生地の裁断を行うハサミです。
良く見る典型的な形でしょう。別名は「洋ばさみ」
「洋」と呼ばれるからには「和」があるのか。
下の二丁が「和ばさみ(にぎりばさみ)」です。
もっぱら、ミシンの手元で糸を切るために使っています。
明治の文明開化で、西洋の道具や技術が日本に入るまで、ハサミと言えば「和ばさみ」しかなかったそうです。
つまり、和裁の仕事場では反物を裁断するのも、この「和ばさみ」の巨大ヴァージョンでやっていたそうです。
ここで理科の勉強を思い出して下さい。
「てこの原理」ってありましたね。「てこ」には、力点・支点・作用点があり、支点からの距離によって作用点に加わる力が変わるという奴です。
「洋ばさみ」はヘソのような支点の両側に力点であるグリップ、作用点の刃があるので、握る力より大きな力で生地を切って行きます。
しかし、「和ばさみ」は、作用点の刃の次に力を入れる力点、そして端に支点があります。
ピンセットと同じ構造で、握る力より刃に加わる力は小さくなる代わりに繊細な作業をする事が出来ます。
しかし、これでは「和裁」で生地を切るのは結構大変な作業だったのではないでしょうか?

今では「自動裁断機」なる機械もありますが、やはり基本は手道具での手仕事だと信じております。
小規模なテント屋の場合、このような手道具での作業がほとんどなのです。
でも、小よく大を制す。
大きいものだって作れますよ。

2006年01月30日

道具2(高周波ウエルダー)

縫製関係の道具シリーズです。
高周波ウエルダーと呼ばれているこの道具も、現在のテント屋には必須アイテム。
巾90cm又は100cmなどの生地を繋いで、大きな一枚の布にする為の道具です。
弊社のは旧式機ですが、現在はコンピューターで制御するタイプになりつつあります。

高周波ウエルダー

高周波というのは、周波数の高い電波の事。
電子レンジと同じ原理で加熱して接着する仕組みです。
多くのテント生地・シート生地は、表面が「ポリ塩化ビニール(PVC)」で覆われています。
「ポリ塩化ビニール(PVC)」は、熱可塑性という特性(熱を加えると柔らかくなる)を持っているので、加熱して圧力を加えると、お互いが融合してくっつくのです。
この道具は、加熱に「高周波」を使い、加圧は油圧シリンダで行っています。
他に、加熱を温風や熱ゴテで行う道具も有り、そちらは「ライスター」と呼ばれています。
昔は、この熱溶着の技術が無く、全て糸で縫う「ミシン縫製」で巾つなぎもしていました。
その場合、どうしても糸穴からの「漏水」があるので、縫製後に糸穴の「目止め処理」を行わなくてはなりませんでした。
熱溶着は、テント・シートの「耐水・防水性能」を高める上で重要な技術だったのです。

2006年01月24日

道具1(工業用ミシン)

テント屋の一番基本の道具はミシンでしょう。
ミシン1台で独立開業した方が多いはず。
弊社もその中の一社です。

ミシン

工業用ミシンです。
結構古くて30〜40年物でしょうか。
ミシンメーカーとしてはマイナーなMITSUBISHI製です。
上下送りといって、布を送る仕組みが上下に付いています。
家庭用ミシンは、下にだけギザギザな板が有って、それが前後に動いて布を送りますが、これは上下で挟んで送る仕組みです。
厚くて重いテント生地やシート生地を縫う為です。
このミシンを使い、上下二本の糸で様々な形を生み出します。
不可能な形は、ほとんど有りません。
それがテント屋の誇りであり強みです。