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2006年12月06日

これもテント張り替え

久しぶりに施工現場を手順を追って見ていただきます。
約6年前に新規で施工した現場の張替工事でした。

まずは、張り替え前。
こんな姿でした。
軒裏の右側は、少し天井部分を撤去しはじめています。
真ん中右側の脚立は3メートルあります。結構高い所まで手が届きます。

軒裏を全部はずしました。
中には蛍光灯の照明が仕込んであります。

古い生地を全部はがしてしまいました。
ほとんど錆もなく綺麗な状態のフレームでした。
白いペンキで再塗装を行ったところです。
この機会に蛍光灯も全部交換するため取り外しています。

一気に飛んで(笑)
新しい生地がすっぽりかぶりました。
中の蛍光灯も全部交換されて、明るい光に戻っています。
中央のロゴが最初の写真と異なるのがお分かりですか?

完成写真です。
辺りはすっかり真っ暗になってしまいました。
でも、暗くなってからがこのテントの本領発揮。
内蔵している蛍光灯の光で、テント全体が明るく光っています。
正面はくっきり明るく白い面、中央のロゴも綺麗に映えます。
軒下に相当する部分は、アルミパンチングメタル(アルミ板に無数の丸い穴があいているもの)を取り付けているので、正面より明るさが押さえられています。
足下は少し暗くなるのですが、その事が、正面のロゴ面をより一層目立たせる効果になっています。

普通の生地ではこんなに綺麗に明るく光りません。
内照式サインテント専用の、光の拡散性が良く、適度な透光性を持つ生地を使っているから明るくムラのない光で演出できるのです。
夜の長いこれからの季節、あなたのお店を印象的に演出するのは、内照式のサイン(デザイン)テントです。
ご相談は鳴海テントへ

参考資料 使用生地 テイジン ルナシャイン

2006年10月20日

どんなところにもテントを

先日の施工です。
順番に御覧下さい。

まずフレーム取り付け。
ちょっと高い場所なので、クレーンで吊上げました。

次は生地の展張作業。

あっという間に完成です。
実際は、それなりの時間がかかってますが。
ちょっと変わった形でしょう。
理由があるのです。
この建物は、道路に対して斜めの壁面になってます。
テントは、窓を潰さない形で設置が条件。
しかし、背の高い車両が入るので、地上からの高さを確保しなければいけない。

そこで、こんな形になりました。
わずかな勾配でも雨が流れるように、また積雪の荷重にも耐えるように「曲面」の採用です。
左右でテントの「出巾」が違うのですが、単純なシリンダー形状の曲面なので「ねじれ」等を生じません。
造形的な効果を考えて、太いパイプで枠を組み、角度の異なる「つり棒」での懸架式です。
雨水も正面ではなく、左右に分かれて落ちるので、下の空間の作業性が高まる事でしょう。

限られた範囲での設計、歪んだスペースへの設置は鳴海テントにご相談下さい。
条件に合ったご提案をできると思います。

2006年10月04日

二段構えのテント

近くの町工場での施工です。
工場内から製品を出す時に「雨よけ」が欲しいとのご注文。
しかし、2階に重量物を吊上げる場所でもあるので「固定式」は不可との事。
そうなれば「可動式オーニング」が最適。

シャッターの上に「テント」を取り付け完了です。
いや、まてよ。
これは「固定式」のテント。しかもシャッターボックスからほんの少ししか出ておらず「雨よけ」の役には立たないんじゃないか?
さっき「可動式オーニングが最適」っていっていたはず。
それでは、次の写真へ。

ね!
「可動式オーニング」がついてるでしょ。
この現場、製品を出してくるのは写真左手のシャッターの方なんです。
どの向きに取り付けても良かったのですが、間口が小さいので、低コストの「住宅用モデル」を採用。
ただし、「住宅用モデル」は出巾が2mまでなので左のシャッターからだと、相当寸足らず。
そこで右側に取り付けなんですが、こちらもほんのちょっと足りないんです。
それに、シャッターボックスが邪魔でもあるので、寸法を稼ぐのと、障害物のシャッターをかわすために「小さな固定テント+可動式オーニング住宅モデル」となりました。
工場の出口側の壁際には、雨仕舞のために「可動式オーニング」の傾斜に会わせて小さな「ひさし」も取り付けました。

フレームを自社加工する鳴海テントですので、このような芸当も簡単です。


2006年09月29日

夜のお仕事

看板の設置を夜間工事で行ってきました。
駅の近くなので、昼間は人通りが激しく工事が困難です。
夜間に道路使用許可を取って工事しました。

手もとの照明だけが頼りの作業です。
昼間より能率は下がりますが、緊張でかえって丁寧な仕事になるかもしれません。
ゆったりと時間はたっぷりありますから。
今回の現場で活躍したのがこれ

発電機です。
小さなガソリンエンジンで発電機を回しています。
夜間なのでお客さまの店舗はシャッターが閉まってます。
外壁に使えるコンセントが無いので、電気エネルギー持参の工事でした。
今回借りた「高所作業車」は、ちょうど発電機を置くスペースがありました。
写真の発電機の影に電源ケーブルのリードがあり、発電機につなぐと、ブームの中を通って作業函(バケット)の中にあるコンセントに給電します。
邪魔なケーブルが無いので、快適な仕事ができます。

この現場の「完成形」は、後日、昼間撮った写真を添えてお披露目します。

2006年09月25日

表裏一体じゃない

先週の施工でした。
店舗の固定テントの張替でした。
生地が劣化していて、一部は大きく破損していました。
同じ生地での張替でした。

天気の良い日だったので、張り替えたばかりの生地が太陽の強い光で輝いているようです。
紺地に白文字で、和風の定番配色です。
一見普通の様ですが、この生地はちょっと面白いのです。

同じテントの裏側です。
表は「紺色」でした。この写真でも下端部分は生地を巻き込んでいるので表の面が見えています。
「紺色」でしょう。
でも、上の方を見ると「水色」です。
表と裏で色が異なっているのです。
と言っても「リバーシブル生地」ではありません、表には保護層や紫外線カット層、防汚層などがありますので、表は表として使わなくてはいけません。
では何故?
この色の組み合わせの利点があります。
「紺色」は、濃い色なのでどうしても内部が暗く感じます。
照明をしても、濃い色なので「反射」の効果は望めません。
しかし、「水色」なら、昼間は回り込んでくる太陽の光で明るく感じます。
照明をつける夜も、照明の光に照らされた「水色」の面は明るくなるので、店頭などテントの下も明るく見えます。
「表裏一体じゃない」事がプラスになる例です。
決して「表裏のある奴」と、ののしる事はやめてくださいませ。

テント生地にも色々な「個性」があります。
あなたのお店やお宅、お部屋に一番似合う生地はどれでしょう?
はい、鳴海テントにご相談下さい。お似合いの生地をお探しいたしましょう。

参考資料
使用生地 テイジン パスティ 8328FP

2006年09月19日

球へのマーキングとALCへの取付

先日の施工です。1/4球型テントの張り替えでした。
でも、最初の写真は弊社の縫製場。
張替なら現場作業なんじゃないかって思うでしょ。

何故かというと、この「イラスト」なんです。
球体のテントなので、生地は立体的に縫製されてます。
なので、生地だけでは「球面」にならないのでイラストを切り抜いたマーキングフィルムが貼れないのです。
分かります?平らな面なら床や作業台に広げて作業できるけど、球面に貼るには球面になっていないと駄目なんです。
なので、一度フレームを取り外して作業場内で生地を張って球面を作ってからフィルムを貼ります。

さて、現場です。
このフレームはALCと呼ばれる外壁材でできた壁に取り付けられていました。
ALC用の釘で打たれていたので、一時撤去時にバールで釘を抜いてしまいました。
再取付では同じ場所で固定しなくてはいけないので、今度は「釘」は使えません。
そこで、ALC用のアンカーを使いました。
釘の穴を大きくあけ直して、白い樹脂製のアンカーを入れます。
このアンカーはねじ込んでいくタイプです。ねじ山があってALCに食い込みながらねじ込まれます。

すっかりねじ込んだ状態です。
壁の面と同じところまで入っています。
このアンカーの穴が、ボルトのナット役を果たします。
今回は直径6ミリのボルトを入れます。すると、このアンカーは先ほど細い穴になっているので、入れたボルトで押し広げられてしっかりと固定されるのです。

縫製場で生地を張り込んだまま、生地ごとフレームを持ち上げて固定しました。
一気に再取付完了です。
コーヒーカップのイラストが回り込んでいる球面に貼られているのがよく分かると思います。

完成後の姿です。
明るいオレンジ色が強いポイントとなってお店を引き立てています。
特に今回使った生地は高度の防汚処理がされているハイグレード生地なので、このオレンジ色が長い間まばゆく輝いていることでしょう。

この現場は、「ペイントサインマツモト」様の現場でした。ありがとうございました。

参考資料
使用生地 泉(東レ) クールテントクリーンロイヤル T-6003F
文字フィルム IKC Eカルテント

2006年09月13日

本当の故障箇所は?

10年ほど前に電動式の可動オーニングを取り付けたお客さまから
「スイッチが壊れたので手配して欲しい」と連絡が入りました。
スイッチは単純な構造なので滅多に壊れません。
モーターが動かないのは他に原因があると思い、点検に行きました。
すると、思った通り。
モーターは時々動きますが、途中で止まってしまう。
動いているときはしっかりしたギア音なので、モーター自体に不具合はなさそう。
さては、あそこかな?

やはりそうでした。
上の写真は巻き取りパイプを回すモーターのヘッドです。
中央に真っ白な部分がありますが、「クラウン」と呼ばれ回転数を感知する部分です。
問題は、その左側にある輪、少し黄ばんでいる部品。
「クラウンリング」と呼ばれているみたいですが、「クラウン」と「パイプ」を繋ぐ部品です。
これが腐食して破損していました。
そのため、回転数を感知できず、とんでもない所で止まったり、止まるべきところで止まらないという症状になります。
最悪はモーターを焼き切ってしまう事にも繋がります。

そこで「クラウンリング」だけ発注。
現在の仕様では黒い樹脂になっていました。
おそらく耐候性を高めたのだと思います。

この黒い新品リングを装着した写真です。
黒いリングには「フランジ」が有るのが見えますでしょうか?
この「フランジ」でパイプ端に引っかかって固定されるのです。
古いリングはこの「フランジ」が削れてしまってなくなっていました。
紫外線で樹脂が劣化したためだと思います。

モーターの全景です。
巻き取りパイプの中に装填されるので、普段はヘッド部分しか出ていないのでブルーの部分は見えません。
このブルーの部分に、モーター本体のコイルや回転子、減速ギアなどがコンパクトに入っています。

モーターユニットは10万円もする高価な部品です。
それに比べて「クラウンリング」は、送料を含めても桁が二つ違います。
安いんです。(高い方に二つじゃン千万円ですから)
モーター本体の焼き付きなどは、モーター全体の交換をしなくてはなりませんが、単に動かないとか動きが変だという場合、周辺の部品の不具合も考えられます。
現在電動式の可動オーニングをお使いの皆様は、モーターに変化が見えたときは早めにお近くの「テント屋」にご連絡下さい。
早いうちなら「安く」復帰させる事が可能かもしれません。
そして、動かない原因で一番多いのが
「コンセントからプラグが抜けてた」
です。
露出形スイッチの場合、スイッチボックスから出ている電源線を追っていって見て下さい。
ちゃんと壁のコンセントにささっていますか?
これは無料で直る秘けつです(笑)

2006年09月10日

窓は大きな看板スペース

一昨日の施工です。
窓ガラスにマーキングを施して、大きな看板にします。
大型インクジェットプリントで、地色と文字を一緒に出力した一枚物を貼り込む方法も有りますが
今回は、マーキングフィルムを重ねて貼っていく、「伝統的」な方法を採用です。
理由は、後ほど。

まず、地色のフィルムを貼ります。
この部分は濃いめのブルーが地色になります。

地色フィルムを貼り終えたところ。
手前は白地になる部分です。

地色フィルムの上に、ロゴタイプや文字を重ねて貼っていきます。
あらかじめ文字などの形に切り抜いたマーキングフィルムに、
アプリケーションフィルムと呼ぶ「転写フィルム」をかけた上で、貼ります。
アプリケーションフィルムだけ剥がすと、文字などが現れます。

この方法にした理由ですが、第一は発色の良さです。
インクジェットプリントも、年々発色が良くなってきていますが、あくまでも「ドット」の集合でできています。
今回の様に背景に「色ベタ」がある場合、もともとその色でできているマーキングフィルムと比べると発色性の違いが出ます。
また、色の耐光(耐候)性も理由です。
これも、インクジェットプリントの性能が日増しに高くなっています。
しかし、フィルムの樹脂に「顔料」が練り込まれて発色しいるマーキングフィルム自体の色と比べると
まだ色の耐光(耐候)性が低いのがインクジェットプリントです。

しかし、グラデーションの有るデザインや、写真がある場合はインクジェットプリントでの表現がベストです。
「適材適所」それぞれの長所を生かした方法を選択することが、より良い製品をご提供する基本と鳴海テントは考えます。

この現場には、後日に壁面の大型看板を設置予定です。
全ての完了後に全体の画像をご披露したいと思います。

参考資料
使用フィルム 東洋インキ製造 ダイナカル

2006年09月05日

下地が大切

以前にエントリーした、下見に行った現場の施工です。
東京都町田市鶴川です。
この現場は、前にはコンビニエンスストアだったそうです。
間口12mの長い電動式可動オーニングを取り付けます。
正面のパラペット(軒上の垂直な外壁、屋根の構造を隠すために主に店舗で使われる)は
水平に入っている木造下地に窯業系サイディングの縦張りです。
内部は電動シャッターのボックスなので、主要な構造材が有りません。
そのままでは取り付け強度が確保できません。

そこで、梯子状の下地金物をあらかじめ取り付けます。
水平に流れる外壁の下地材3本に、数多くの木ねじを打ち込んで強度を出します。
画面右側の様にL鋼で組んだ「梯子」をしっかりと固定します。
画面左側は低くなってますが、ここには看板が入るので、仕方なく切り欠いています。
その部分で分かるように、「梯子」の取り付け後は、白い板で覆います。
鉄骨むき出しでは体裁が良くないので、お化粧です。
この、新たな白い壁の下端に、可動オーニングが取り付けられるのです。

この下地工事をした日は、写真のように青空が広がる良い天気でした。
この翌日に、電動式可動オーニングを取り付けたのですが、その日は大雨。
しかし、日程を延ばせなかったので、雨の中での作業でした。
雨仕舞のコーキング作業も有ったのですが、日が暮れる少し前に雨があがったので
ヒートガンを使い、壁面と機材を乾かしてコーキングを完了しました。
しかし、その頃には空が暗くなっていて、写真が撮れませんでした。
従って、完成後をお見せする事ができません。

町田市鶴川の、鶴川街道沿い、鶴川二小入口交差点にこのお店はあります。
通りがかった方、あるいはお近くの方、写真を撮られたらメールでお送り下さい。
そして、このお店でお買い物を。
薬屋さんなんです。

2006年08月30日

ちょっと考えた看板

タイヤをバーストさせながらもたどり着いた現場
おなじみキャラクターの店舗で看板関係の施工でした。
まずは完成写真。
欄間の部分の看板とフロントサッシのマーキング類、店内のアクリルパネルを作りました。

ショッピングセンターのテナントです。
壁面に看板を付けられないと言う条件だったので、既存のガラスにマーキングフィルムを貼って看板としました。
でも、夜間用に内部照明が欲しい。
そこで、鳴海テントは考えました。
ガラスの内側に「ライトボックス」を付けよう。

これが裏側です。
下端に蝶番を付けた開閉式です。
でも、照明器具は本体側ではなく、フタ側に取り付けてます。
こうすることで、ガラスの内側の掃除もできます。
蛍光灯の交換も低い位置で確実にできます。
店舗のスタッフでも蛍光灯交換作業やガラスの掃除が可能です。
そんな一石二鳥を追い求めました。

他には、このステッカー。
透明な粘着フィルムにシルクスクリーン印刷の多色刷りです。
白い部分があるので普通のインクジェットプリンターではダメなのです。
(パソコンのプリンターも同様ですが、白は紙やフィルム自身の白を使っているのです。)
今は白インクも使うインクジェットプリンターもありますが、白がくっきり出る伝統的手法のシルクスクリーン印刷を選びました。
同系列の営業店にもスタッフの方々が自分達で貼れるようにとの事で、全部で22枚作りました。

そしてこのパネル。
以前は透明アクリルで長方形のパネルの支給品を使いましたが、ここでは弊社で用意した楕円パネルでした。
アクリル板を楕円に切って縁を仕上げます。曲線の仕上げはちょっと面倒です。
そして、インクジェットで透明なフィルムにプリントしたものを、画像輪郭でカットして貼り込みます。
壁面にあけた楕円の窓からの照明で明るく輝きます。
この輝きを背にしてスタッフが、お客さまと契約の手続きや相談をするのです。
「交渉ごとをするときは太陽を背にして行え」
という格言があるそうです。
良いことがあるのでしょうね。これも輝く「太陽」の効果を出すかもしれません。

いろいろな制約の中で、使いやすくメンテナンスしやすい「かたち」を考えます。
あきらめる前に鳴海テントにご相談下さい。経験と知恵で打破してみせます。

2006年08月22日

超速張り替えの理由

今日の施工です。
固定テントの張り替えでした。
作業開始が午前8時半頃、終了が午前10時半過ぎ。2時間強で完了です。

間口が4800mm(2間半強)テントの高さが1400mm 出幅が900mmのサイズです。
古い生地がとても劣化していて、ビリビリ状態でした。
生地を剥がし、フレームの錆落としをした上で、塗装を施し、新しい生地をかけました。
その行程を2時間強で完了させられるのは、塗料に秘密が有ります。

まあ、公然の事なので秘密でもなんでもないのですが、弊社では「超速乾塗料」を使います。
5分ほどで指触乾燥(手で触ってもくっつかなくなる事)します。
そのため、塗装してから新しい生地をかけるまでのアイドルタイムが短縮できるのです。
「時は金也」、また作業時間を極限まで短縮する事は、営業中のお客さまの利益にもなります。

たった数時間でお店や、事務所、お住まいの装いが一変する「超速張り替え」
鳴海テントにご用命下さい
あっという間の「早変わり」をお見せ致します。

2006年08月18日

現調(現地調査)の旅

昨日17日より、お盆明けの通常営業に戻りました。
今日は、来週と再来週に施工予定の現場をまわりました。
さいたま(大宮)から、東京都町田市に行き、その後千葉県成田市への移動です。

まず、町田市の現場。鶴川という地名です。

古く汚れてしまった「可動式オーニング」です。
間口が12mもあります。従って「電動」です。
今回は生地の張り替えですが、単に張り替えるのではなく。

すぐ近くの「新店舗」へ移設しての張り替えです。
旧店舗では張り替え用の生地加工のために機材のサイズを測ります。
新店舗では、取り付ける壁面の状態を調べました。
その結果、このままでは取り付けが困難と判断。
取付強度を確保するために、下地金物を製作する事にしました。

そして、東名高速と首都高速、東関東自動車道を経由して
成田へ移動です。

来月初めにオープンするショッピングセンターのテナントです。
写真が正面ですが、ここに看板等サインを施します。
ガラスのサイズ、サッシのサイズを測ったり、搬入経路や床の状況等を確認します。

製作前に現場をくまなく測り、状況を把握する事で「ジャストフィット」のテントや看板を作る事ができるのです。
この段階で仕事の半分以上を終えているといっても過言では有りません。
それだけ重要な場面なんです。

今日は、お盆休み明け直後で、まだ休業中の人も多いのか予想より渋滞が少なく快適に短時間で移動できました。
この二件の施工後は、後日のエントリーをお楽しみに。


2006年08月10日

コットン調生地にもキラキラ黄金文字

今度はコットン調の生地にキラキラぴかぴか黄金色の文字を入れました。
マクロ(接写)で撮ったので布目の質感が分かりますでしょうか。

塩ビラミネートの生地ならば、粘着系の専用フィルムを貼ればOKですが、コットン調生地に粘着系フィルムは上手にくっついてくれないのです。
そこで、熱転写シートで下地貼りをして、その上に粘着系フィルムのメタリックゴールドを貼りました。
接写の写真なので、少しずれているのがばれちゃってます、では無く、下地の熱転写シートの文字の方を少しだけ大きくしているのです。
剥がれ防止の為なんです。
普通の視点で見ると、この「ずれ」は気になりません。
それより剥がれにくさの方が大切なんです。

2006年08月08日

キラキラ、ぴかぴか、黄金色の文字

照明の光を受けて輝く文字
可動式オーニングのフリルに入れた文字です

金属光沢を持っている文字ですが、ペイント描きやシルク印刷ではメタリックなゴールドは表現できません。
これは、テント生地専用のマーキングフィルムを使いました。
塩ビラミネートの生地なので、粘着タイプのマーキングフィルムです。
えんじ色の生地に、輝くゴールド文字は豪華さを演出します。
他にメタリックシルバーのフィルムもあります。
お店に取り付けた後には、太陽の光を受けて、もっとキラキラ輝く事でしょう。

2006年08月04日

蛸かっぱのぞうさん

なんやて、ちょっと前に「蛸の雨合羽」なんて物こさえといて、今度は「象」かいな。
まったく、なんちゅーうもん作っとんねん、自分。(大阪弁調でお読み下さい)

いえいえ、「象」ではなく「増産」です。また、「蛸の雨合羽」でもありませんのでお間違いなく。
先日おさめた品の追加注文をいただきました。

製作途中の図です。
ベースになる生地は、丸い穴があり、この後色々な部分を縫製で付け加えて完成させます。
この品も「お盆前納品」。
縫製場は、ひとときも休めぬ忙しさです。

2006年08月01日

生地の巾のあれこれ

いよいよ8月に入りました。
弊社も「お盆前に」というお客様が多く、今週と来週は忙しい日々を過ごします。
さて、今日は「生地巾」について。
とりあえず縫製場にある生地を出してみました。

5種類の生地が写っています。
巾の広い方から

203cmの生地(写真では緑色)
「にめーたーはば」と呼ばれます。
一部のポリエステル帆布やターポリン生地のサイズです。

188cm(185・184なども)の生地(写真のアイボリー色)
「だぶるはば」と呼ばれます。
2倍という意味ですが、なんの2倍かは後で。
多くのターポリン生地や一部のポリエステル帆布のサイズです。

154cmの生地(写真のオレンジ色9
「ひゃくごじゅうせんちはば」と呼んでます。
まんまな呼び方ですが、他に知りません。
国産の一部のポリエステル(塩ビラミネート)テント生地にこのサイズがあります。
輸入生地にもこのサイズが見受けられます。
ヤードポンド法で考えると、約60インチなので、「60インチ巾」なのでしょう。

103cmの生地(写真のシルバー、ほとんどグレーに見えますが)
「めーたーはば」と呼びます。
実際は1mより少し広いのですが「メーター巾」です。
前出の「2m巾」は、このサイズの2倍というわけです。
でも、「2m巾」は「だぶるはば」とは呼びません。
この「m巾」は、ポリエステル帆布の基本サイズです。

94cmの生地(写真のエンジ色)
いよいよ真打登場です。
「なみはば」と呼びます。
漢字では「並巾」
普通のって意味です。
ほとんどの国産ポリエステル(塩ビラミネート)テント生地がこのサイズです。
また、昔から(おそらく戦前、大正・明治、いやその前から)ある生地の規格サイズで、木綿の帆布もこの巾です。
さっきの「だぶるはば」は、この「並巾」の2倍という事だったんです。

他には120cm(116cm・117cm)の生地(おもにファブリック系)や
137cm巾(主に懸垂幕用のターポリン)の生地もあります。
また、看板に使うFFシートと呼ばれる生地には、最大500cm巾もあります。

何故、こんなに色々なサイズの生地が有るのか、についてはまたの機会にさせていただきましょう。
とにかく、このような決まった巾の生地を繋いで大きな一枚の「布」にして色々な場面に必要な「テント」「シート」を作ってます。
東京ドームの屋根だって、細い巾の生地をいくつも繋いであんな広い「覆い」になっているんです。

2006年07月29日

オーター加工のメリット

2トントラック用のシートです。
半分に畳んだ状態です。
画像の下側、ハトメが打ってある所が、荷台の下のロープ掛け(ダボー)の面になります。

ハトメの間隔が等間隔では無いのがお分かりでしょうか?
決して間違ったのでは有りません。
トラックの荷台外側に有る「ロープ掛け」は、等間隔には付いていないんです。
しかも、車種によって、または同じ車種でも荷台のサイズや形状、材質によって位置が異なっています。
オーダー加工でお受けする時には、この「ロープ掛け」の位置も採寸します。
その荷台に合った位置にハトメを打つ為です。
また、お客様の使い勝手をお聞きして、「ロープ掛け」以外の場所にハトメを打つ事も有ります。
大量生産の既製品ではこのような事はできません。

あなたの「愛車」にピッタリのシートをお作りになりたいならば
鳴海テントにご用命下さい。
弊社専用駐車場で、ゆっくり確実に採寸し、ぴたっとフィットするシートをお作りします。
大型のダンプトラックも入れますのでご安心下さい。
4トンロングのトラックも悠々大丈夫です。
お待ちしております。

2006年07月26日

看板面の裏話

昨日の施工です。
晴れ上がった今日と違い、降ったりやんだりのグズグズ梅雨空でした。

このサイトで何度も御覧いただくキャラクターです。
今回は、この「面」の裏側をお見せします。
ここだけですよ、ご内密に。

ちょっとピントが甘いのですが、それは秘密保持の目的だったりして。
まるっきり「固定テント」そのものです。
生地にハトメを打ってロープでかがってテンションをかけています。
フレームはスチールパイプで組んだもの。
街のテント屋ならどこでも製作可能な構造です。
これを、照明の入った本体側に取り付けると、上の写真の看板が出来上がります。
高価な専用フレームや展張金具を必要としないので、コストを下げる事が可能です。
仕上がりは、上の写真の様に遜色有りません。

この現場は、1985年に「つくば科学万博」が開かれた場所のそばでした。
面している道路もその時に作られた、広い道です。
当時、科学好きの私は5回程でかけました。
作業中、この現場の現場監督との雑談で「科学万博懐かしいねぇ」と私が言ったのに、
その監督さんはきょとんとした表情で「いつやったんですか?」との問い。
「1985年だよ」と答えると、「じゃあ3才だったんだ」
それじゃあ記憶の端にも無いよね。
そうか、もう21年も経つんだ。
みなさん「コスモ星丸」憶えていますか?

2006年07月18日

ちょっとヨーロッパの街並?

少し前の施工です。
現場は、ワールドカップ目前のドイツの・・・・・・。
いやいや、東京調布の「つつじヶ丘駅」近くでした。

壁に掛かっている「バナー」です。
今回は「更新工事」

写真の様に、風で翻弄されて傷付いてしまったので、新しいものと交換です。
以前は「ファブリック生地」にシルクスクリーン印刷されていたのですが、今回の更新では「ターポリン生地」にインクジェットプリントに変更です。
写真では分かりませんが、えんじ色の部分には細かい「地模様」が入っています。(古いバナーの写真で少し分かるかな?)
一度に多くの数を作る場合はシルクスクリーン印刷が良いのですが、単品では高コストになってしまいます。
その点、インクジェットプリントは一枚でも低コスト。

このバナーは表裏両面にプリントしています。
ターポリン生地は、光を透過させるので逆光の時に裏の文字が透けてしまいます。
それでは困るので、この場合は「遮光ターポリン」という素材を使います。
白い生地の間に「遮光層」を挟んだ「サンドイッチ構造」です。
その為一枚の生地ですが、光が透けず文字もちゃんと見えます。

「バナー」の製作を承ります。
あなたのお店の「バナー」すり切れていませんか?
痛んだバナーはお店の雰囲気を壊してしまいます。
鳴海テントにご用命下さい。

2006年07月17日

深紅の大優勝旗じゃなく

一昨日納めた品です。
製作途中の縫製場での姿です。
当然「優勝旗」ではなく、トラック用シートです。

以前に「幸せの黄色いシート」がありましたが、今回は「真っ赤」
受注の経緯はこうです。
弊社は幹線道路(旧国道16号線、現県道さいたま春日部線)に面しているので、時折飛び込みでのお客様がみえます。
その日も「トラックのシートを補修するものが有るそうですが」とお寄りいただきました。
シート生地に粘着材を塗布した「補修用テープ」をお出しして、3mお買い上げいただきました。お会計を終えた後「トラックのシートって作ってくれるの?」との問いでしたので、「車を測らせていただいてオーダーで作っています」とお答えしました。
「じゃあ御願したい、車はそこの道を入った突き当たりの駐車場にあるから」
お客様は、すぐ近くに車を置いている「運送屋さん」でした。
「で、生地の色ってどんなの?」と。
「普通はグリーンとシルバー、それに自衛隊のOD色ですね」
「真っ赤とかは?」
「カラー帆布を使えば赤もできますよ、ただ、少しお高くなりますが」
「いくら位?」
「だいたいこの位で(と金額を伝える)」
「じゃあ、その赤で」
と言う事で、「真っ赤なトラックシート」の誕生になりました。
4t車のロングボデー、しかも「アオリ」が80センチある「大柄な」トラックの荷台をスッポリ覆うシートです。
イタリアンレッドに近い「真っ赤」なシートを纏ったトラックが走っていたら、たぶんこのお客様の車です。
後ろの車が興奮して追いかけたり、頭突きをしたりしなければ良いのですが・・・・・。

そうそう「深紅の大優勝旗」と言えば夏の甲子園。
母校が県予選で、一昨日初戦突破しました。
40年前は甲子園常連の「古豪」ですが、最近は全くダメ。
今日、試合がある日でしたが、雨で中止かな?ちょっと調べてみましょう。

参考資料
使用生地 平岡織染 ウルトラマックス U-13

2006年07月15日

こうやって取り付けします

昨日の現場でした。
今回は、「可動オーニング」の取付方法を御覧いただくのに良い条件だったので、「施工例」ではなく「施工方法」のカテゴリーでエントリーします。
少し長くなりますが「保存版」とでも言うべき内容です(自画自賛)
それでは、取付スタート!

壁に「取付ブラケット」と呼ぶ部品を設置します。
本体を建物に固定する部品です。
この現場は鉄筋コンクリート造でタイル仕上げなので、「目地」を狙って「アトウチアンカー(メカニカルアンカー)」を打ちます。

「取付ブラケット」が付いたら、そこに「ベースパイプ」をはめ込んで固定します。
ベースパイプは40mm角のスチールパイプです。
テントにかかる荷重全てを受け持つので、強度優先で「鋼材」を使っています。

一直線に「ベースパイプ」が付きました。
これから、このベースパイプに色々な部材が加えられて行きます。

あらかじめ生地をセットしておいた「巻き取りパイプ(元棒)」と「前枠」を一諸に持ち上げて、ベースパイプ両端に付けた「エンドブラケット(軸受)」にはめ込みます。

この段階では、既に雨除け用の「上ケース」を固定しています。
生地は巻き取りパイプに巻かれた状態で両端のエンドブラケットに入って居ます。
前枠は、生地でぶら下がっている状態になっています。

「アーム」の取付に移ります。
ぶら下がった前枠を持ち上げつつ、「アーム」をベースパイプに固定します。
この機材では全部で3本。
すでに、3本のアームが見えます。

アームの先端と「前枠」を繋ぎます。
全部のアームが前枠と繋がったら、アームが広がるのを押さえている「仮バンド」を外します。

この写真では、雨除け用の「上ケース」と壁の間を「シリコンコーキング」で埋めて、雨が壁を伝って落ちない様にしています。

今回は、リモコン式の電動仕様でした。
仮設で電源を繋いで、開閉をします。
テントを出し切った位置と、巻き取り切った位置で「リミットスイッチ」が働く様に、リモコンスイッチを使ってセッティングします。
モータの内部に小型のコンピューターが入っていて、回転や位置を感知制御しています。

このセッティングが終われば取付終了です。
あとは電気屋さんが新設した「コンセンント」に電源コードを差し込めば、即使用できます。
有線式スイッチですと、この後に室内に設置するスイッチまで「コントロールケーブル」を、壁を貫通して配線しなくてはならないのですが、リモコン式では不要なのです。
今回は、屋内の造作もある改装工事でしたので、有線スイッチの設置も可能ですが、既存の住宅等の場合は、壁の貫通が不要な「リモコン式」が便利です。
工事の簡便さもありますが、「どこでも操作できる」のもメリットです。

以上が「可動式オーニングテント」の施工手順です。
このお店は、この後テントの下にウッドデッキを作って「オープンテラス」の客席になります。
実は「喫茶店」なんです。
デッキが出来上がり、開店したら「施工例」として御覧いただきたいと思っています。

2006年07月12日

おNEWな道具

先週末に入った新しい道具です。
以前エントリーした「切断機」の後継機です。

エンブレムが読めるでしょうか?
天下の「HITACHI」製。
今日、初めて「製品」の材料を切りました。
さすがに新しいので動きも軽く、疲労も少なくなりそうです。
これから「バリバリ」切ってもらって「ドンドン」テントのフレームを作っていきます。

2006年07月01日

足して加えて、生まれ変わる。第3話

お話は「第3話」となり、佳境に入って来ました。
まず、テントの完成姿

開店前の状態です。
テントの下に、開口部をスッポリ包む「引幕」があります。
内側にレールを仕込んでありますので、スムーズな開閉ができます。

さあ、開店時間間近。
「引幕」を開けて、「いらっしゃいませモード」です。
今回、波形で色分けされたデザインを採用しましたが、この色分けはどうやっているのか。
全面をインクジェットプリントで作れば、比較的簡単で自由にできます。
しかし、敢えて「色生地の接ぎ合わせ」で作りました。

理由は
1、テント生地の持つ「透光性」を活かして、店頭を明るくした。
(インクジェットプリントでは、インクの透光性が低いので暗くなってしまう)

2、赤系統の多い配色なので、インクより耐光(候)性の高い「生地の色」を使った。
(年々改善されていますが、まだまだ生地の地色(顔料の練り込み)の方が、インクより格段の耐光(候)性の高さを有しています。特に赤系統)

3、テント生地は、汚れ防止の為の特殊表面加工をしているので、生地地色を使った方が汚れにくい。

4、溶剤系インクジェットの場合、UVカットのオーバーラミネートを施すが、加工上ミシン縫製が必須のテントの場合、ミシン穴からの「浸水」等が懸念される。

5、ラミネート不要のプリンターの場合でも、上記3の問題が残る。

6、テント用の特殊配合の樹脂を使うテント生地と異なり、インクジェット用の「ターポリン生地」は、施工時の扱いが難しく、綺麗な仕上げが困難。

以上の様な理由から、色生地の接ぎ合わせで作ったので、テントの内部はこうなってます。

太陽光が、それぞれの色生地を通って来ています。
特に黄色は透光性が高いので、明るい店頭になっています。
手前に写っている照明器具が「紫色」になってますが、これはデジカメの特性の様です。
実際は白いまま見えますよ。

このテントのサイズは、間口12mで、テント本体の高さは3mです。
「薬」の文字のベースの赤い楕円形は、横3.4mで縦1.8mあります。
ちょうど4畳分の大きさです。
店名ロゴも、人の背丈程の大きさの文字でした。
文字の貼り込み作業は、ちょっと大変でした。

参考資料
使用テント生地 ダイニック レガード6000 6007(黄)6008(オレンジ)6009(赤)
使用マーキングフィルム(文字) IKC Eカルテント

2006年06月30日

足して加えて、生まれ変わる。第2話

27日のエントリー「足して加えて、生まれ変わる」の続編です。
いよいよ生地の交換へと進みます。

古い生地を全て撤去して、既存フレームの再塗装を終えた姿です。
設置後13年のテントですが、一部を除き錆も少なく綺麗に塗装できました。
(経年劣化でテントの天井部に穴があいたため、一番下の生地を巻いているパイプは、錆びていたので錆を落して速乾性の防錆塗料で下地調整しました)

翌朝、生地張込み開始です。
建物の屋根に登ると、テント上端の作業に最適。
生地を仮固定して、下ろし広げた所です。
全ての工事が終わった「完結編」は次回のお楽しみに・・・・。

今回の工事は営業を継続しながらなので、短時間ずつ4日間に渡りました。
梅雨なのですが、作業中は雨が降らず、逆に天気が良すぎて気温の高さに苦労しました。
我々が暑さにバテながらの作業中にお店の前では、おなじみ「サトちゃん人形」が、「営業中 工事期間中もやし9円」の看板を携えて、買い物のお客様をお迎えしていました。

2006年06月27日

足して加えて、生まれ変わる

今日のさいたま市は、真夏の太陽が照りつける日でした。
梅雨の期間中に、このような晴天は嬉しいのですが。ちょっと暑すぎ。
灼熱の中での現場です。

今日の作業終了時点の写真です。
店名の入っているテントの下に、新たなフレームが付いているのがお分かりでしょうか。
先週、塗装段階のエントリーをしたフレームです。
このお店の施工前はこんな姿でした。

カマボコ型のテントが付いていました。
このテントも前に施工させていただいたのですが、今回、本体のテント(店名入り)の天井部分が痛んでしまった事と、店舗前面を整理してスッキリさせる為にリニューアル工事となりました。
正面の大きなメインテントのフレームはそのまま使い、カマボコ型テントを撤去した代わりの「売り場」として、間口全部を1。5m前にせり出す「ヒサシ型テント」を追加する計画です。

メインテントの生地下端を外して、むき出しにしたフレームに新しいフレームを加えます。
お店の営業は休まないので、溶接は避けて主にボルト接合で組み立てます。
お客様の増える夕方には作業を止めて、また明日朝から再開です。
明日も「灼熱地獄」との天気予報。
雨に降られるより良いのですが、「てるてる坊主様」の神通力が効き過ぎです。
でも、とりあえず明後日までは雨を降らさないで下さい、てるてる坊主様。

2006年06月24日

梅雨の晴れ間に塗装作業

九州や西日本では被害が出る様な大雨。
お見舞い申し上げます。
今日のさいたま市周辺は、青空も見える良い天気でした。
そこで、露天で塗装を行いました。

来週施工予定の、間口が約12mのテントの一部です。
サイズが大きく、組んでしまうと大変なので、現場で組み立てるプレハブ方式です。
屋内でも塗装できるのですが、天気が良い日は外で塗った方が気持ちが良いし、乾燥も確実です。
塗料は、超速乾性の変性フタル酸エナメル塗料を使っています。
主に、張替の際のフレーム塗装の為に導入しています。
指触乾燥時間(触って大丈夫になるまでの時間)が、気温20度で15分くらい。
これからの季節の気温25度以上だと、10分足らずで乾燥します。
仕上がりも艶があり綺麗ですし、作業性も良いので多用しています。
今回は、新規フレームの製作ですが、塗装後短時間で積み重ねる必要が有ったので、超速乾塗料を使いました。
もちろん、下地には防錆塗装(錆び止め)を施しています。

2006年06月22日

今日は「看板屋さん」でした。

今日の施工です。
昨日作っていた「箱文字」を取り付けてきました。

でこぼこした仕上げの壁に貼付け施工です。
凹凸が激しいので、普通の接着剤ではなくデコボコでもしっかりくっつく材料を使用しました。
この角度からの写真だと、文字の厚みがよく分かると思います。
文字の大きさ(高さ)は250ミリ、厚みは15ミリです。
デコボコの壁と合わせて、立体感が豊かなサインになりました。
表面の色は、マーキングフィルムを使っています。
以前は、アクリルや塩ビの「色板」を使いましたが、最近はほとんどマーキングフィルムです。
色が豊富なのと、加工性の良さがメリットです。

お店の正面中央のサインです。
こちらも写真では分かりにくいのですが、激しくデコボコした壁面です。
昨日、加工中の写真で登場した「所」は、アーチ状に配置された文字列の一番右端。
「台所」の「所」です。(見えますか?暗くなっちゃたので写真がイマイチですが)

今回の現場では、テントのお仕事は無く、この箱文字をお店の前面に貼ったのと、ガラス面へのマーキング、そして少し離れた所にあるこのお店の駐車場まわりの看板製作でした。
社名は「鳴海テント」ですが、こうした「看板屋仕事」もやっています。
テントと一諸に「看板」も一新してみませんか?
全部まとめて「鳴海テント」がお請け致します。

2006年06月21日

糸鋸で文字を切る

今日の作業です。
弊社は「テント屋」ですが、看板のお仕事もお受けしています。
今回は、壁面に取り付ける「文字」の加工です。

厚さ15ミリの板を、電動糸鋸で切ります。
漢字の「所」という文字を切っている最中です。
この素材は、薄い塩ビの板で発泡ウレタンを挟んだ構造です。
糸鋸で切れる程度の堅さなので、加工性は高い素材です。
仕上がると厚みを持つ、ボリューム感有る「箱文字」になります。

参考資料
使用素材 筒中プラスチック工業 サンロイドチャンネル 15mm

2006年06月15日

看板の中身公開

すこし前に施工した看板です。
まずは、加工途中の写真から。

作業場内で組立を終え、内部照明の試験点灯を行っているところです。
ちょっと暗くて分かりにくいですが、既に「面」の生地を張込んであります。
普通の固定テントと同様にロープで編み込んでいて、以前に施工した看板と同じ方式です。
内部はこんな仕組みになっています。

そして施工後の写真です。
看板の上端は「蝶番」で繋がっているので、蛍光灯の交換時は面全体を蓋の様に持ち上げられるので作業が簡単です。
「看板だけど中の仕組みはテント方式」の看板です。

参考資料
表示面プリント使用プリンター 武藤工業(MUTOH) ラミレスグランデ

2006年06月14日

伝統的テントの張替手順

昨日の現場です。
腕木(腕棒)式巻き上げテントの張替工程を御覧いただきます。
40年前は、テント屋の仕事と言えば、この腕木(腕棒)式巻き上げテントがほとんどでした。
今は、アルミフレームのいわゆる「オーニング」をお使いになるお客様が多く、数が少なくなってます。
写真は、張替工程の途中からです。
写真の前段階で、
1、両サイドの腕木(腕棒)を先棒(前棒)からはずす。
2、先棒(前棒)を生地から抜く。
3、生地を巻いたまま元棒(巻取棒)をはずす。
4、生地から元棒(巻取棒)を抜く。
5、地上で、新しい生地に元棒(巻取棒)を挿入し固定する。
6、生地を仮巻きした元棒(巻取棒)を建物に付いている金具と巻取機にかけて固定する。
の工程を済ませています。
それでは、参ります。

仮巻きしていた生地をほどいて垂らします。
まだ先棒(前棒)は入っていません。

横から見た写真です。
生地下端が袋になっています。そこに先棒(前棒)を挿入します。
元棒(巻取棒)も同じ様に袋状に縫製された部分に入っています。

先棒(前棒)を挿入し、左右の腕木(腕棒)をL字型の金具(エルボ)で繋ぎます。
エルボとは、英語のelbow、肘(ひじ)の事です。
腕木(腕棒)を水平にした位置で生地を固定します。
この時、先棒(前棒)は地上から1.5m程の高さ、頭がぶつかってしまいます。
どうするのか?

左右の腕木(腕棒)は伸縮式になっています。
先ほどの水平の位置のまま、腕木(腕棒)を伸ばします。
これで地上から2m弱の高さになり、人が通れるようになりました。
普段、使う時はこの形になります。

前から見た姿です。
先棒(前棒)が微妙に反っているのが分かりますでしょうか?
間口に対して比較的細いパイプを使うので、まっすぐなままでは自重で垂れたり、生地に載る雨水の重さなどで垂れたりします。
パイプ中央が垂れてしまうと、生地がゆるみ、ますます雨が溜まるようになってしまいます。
それを防ぐ為に、パイプを僅かに曲げて反りを付けます。
これをベンド(bend)と呼びます。

腕木(腕棒)を元通りに縮めて生地を巻取って収納です。
伸ばしたままだと、最後まで巻取れません。

これで完成です。
腕木(腕棒)式巻き上げテントは、先棒(前棒)の重さを利用して、地球の重力で開閉し、また生地に張力を与えています。
そして、細い先棒(前棒)の微妙な反り(ベンド)が、綺麗な張りと雨水のスムーズな流れを作ります。
ひとつの「職人技」で、ちゃんとした腕木(腕棒)式巻き上げテントが出来上がります。

腕木(腕棒)式巻き上げテントの新規製作や生地張替。
鳴海テントにご用命いただけば、昔ながらの「職人技」で、張りのあるシャンとしたテントに仕立ます。

参考資料
使用テント生地 テイジン ニューパスティ 8887FP

2006年06月12日

明るいミドリ色のテント

今日の現場です。
生地の張替でした。
新たにお店がオープンする現場です。

とても明るいミドリ色の生地を使いました。
梅雨入りしたと言うのに、朝からピーカンな空でした。
施工完了が正午少し前だったので、太陽が空の真上に有り、テントの前面が強い太陽光でハレーションを起こしています。
ロゴが中央に入っているのですが良く見えません。
アップの写真を用意しました。

文字の色は薄いベージュ色です。
文字の色には悩みました。
ベースの生地が白成分の多いミドリ色なので、濃紺とか黒とか強い色ならば文字はハッキリ見えます。
でも、少し品が無い様な気がしました。
白文字では弱すぎるし、グレーは濃ければ黒と同じ雰囲気になってしまうし、薄ければやはり弱い。
そこで、無彩色から手を引き、淡い有彩色を使う事に決定。
ミドリ色に調和する色相群から「ベージュ」を選びました。
上品な仕上がりだと自負しています。

でも、ピーカンが災いして写真では上手く表現できませんでした。
是非、現物を見て下さい。
このお店はダイニングバーなので気軽に入っていただけると思います。
場所は東武鉄道春日部駅西口
市役所通りに有るボーリング場の裏の道に面しています。
表通りから少し入るので分かりにくいかも知れませんが、是非、探し当てて下さい。

参考資料
使用テント生地 クラレ パロニィFC 5148F
使用フィルム(文字) IKC Eカルテント ET-150

2006年06月08日

万引き除け?ネット

今日の施工です。
茨城県稲取市まで行って来ました。往復の移動時間を含めて16時間もかかってしまいました。帰着は22時、逆算すると出発は、さて何時だったのでしょう。

施工現場はインストア型のドラッグストアです。

「ハト除け」ならぬ「盗難除けネット」です。
営業時間終了後に、写真の様に使います。
本体のスーパーマーケットより早く店じまいをする為に設置しました。
天井にレールを付け、ワイヤーでネットを吊っているので、簡単に開閉できます。

裾は金具で固定します。
ネットはゴルフボール用の「防球ネット」
ゴルフ用の25ミリ目のネットは、様々な素材と加工法で多くの種類があります。
やはり需要が大きいのでしょう。

ネットを固定していた金具は、ネットを開けた時にはたたんでしまいます。
床からの出っ張りがないので、歩く時に邪魔になりません。
けっこう優れた品物です。
これは、船舶で使われる部品で「リングプル」と呼ばれています。
狭い船内で、不要な時はたたんで平にしてしまう、そんな発想の金物だと思います。

参考資料 使用品リスト
カーテンレール 
岡田装飾金物 OSレール Dー30(アルミ)
ネット
中田産業 防球ネット ゴルフ(グリーン)ポリエステル ラッセル2000D×5本 25mm目
床金具
浅野金属工業 リングプル(小)
掛け金具
ワンツースリー Cリンク 6mm

2006年06月05日

所変われば品変わる

昨日、今日と1泊2日の旅行でした。
弊社のお客様の「店舗設計・企画屋さん」の慰安旅行でした。
店舗を作る時の色々な業種の職人さん達が約30名集まった旅でした。
大工さん、電気工事屋さん、ガラス屋さん、などなど。
行き先は新潟県村上市の「瀬波温泉」でした。
村上と言えば「鮭」、サーモンが特産。

「イヨボヤ会館」という所を見学。
イヨボヤとは村上の方言で「鮭」の事。
施設内に鮭の稚魚の人工養殖池を覗ける所が有りました。
無数の稚魚が光を受けて、それはそれは綺麗なこと、綺麗なこと。
竜宮城の風景は、こんな風景かもしれません。

これは、今日の昼食に立ち寄ったお店。
建物全体をテントが覆っています。
テント屋としては、とっても嬉しい風景です。
ご飯も新鮮な魚と、エビと蟹の出汁が効いた味噌汁など美味しい。

この店の他も、多くのテントがありました。
固定のテント、可動式のテントと様々ですが、固定テントのフレームはステンレス材やドブ浸けメッキ(溶解亜鉛メッキ)のポストジンク材で作られているものが多い様でした。
海が目の前、しかも冬には日本海からの、強い潮混じりの北風。
鉄に塗装のフレームでは「錆」から逃れるのが難しいのかもしれません。
休業して久しいと思われる店舗の、鉄パイプに塗装仕上げのフレームは、内陸の埼玉県ではあまり見ない様な錆び方をしていました。
しかし、定期的に生地を張り替えて、その都度塗装を新しくしていけば、鉄に塗装の場合でも美しいまま使っていけると思います。
無塗装のステンレスや亜鉛メッキには無い「色」を楽しめるのが塗装仕上げのメリットです。

環境に応じて素材を選ぶのも重要ですが、日頃のメンテナンスを欠かさない事も大切です。
「綺麗」を保つ事が、お店の売上を伸ばす礎です。

テントの張替は、鳴海テントにご用命下さい。
あなたのお店を「綺麗」にして売上の向上に貢献します!

2006年06月01日

早苗色のテント

昨日の現場です。
お米屋さんの建物に付いているテントの張替でした。

早苗色1

上の方にちょこんと2台のテント。
壁の中には大きな「精米機」が入っています。
背が高い機械なので、中は「吹き抜け」です。
精米する時に熱が発生して暑くなるので熱気抜きに窓があります。
でも、雨の時には吹き込んでしまうので窓を開けられない、でもムシムシ暑い。
そこで、雨除けとしてのテントです。
深くかぶっているので強い雨でも窓を全開できます。

早苗色2

施工後に中を覗くと、こんな色の世界です。
お米屋さんだけに「早苗色」
ちょうど今、田んぼの稲はこんな色でしょうか。
この写真で、太い影がフレームのパイプ。
その間に有る細い影が生地の「継目」です。
このテントは間口が2m。
94cmの普通の巾の生地を2枚と少し継いで作っています。
一昨日の現場や、一昨々日の現場のテントにはこの「継目」が無いのです。
お分かりいただけたでしょうか?

お米は日本人の「主食」です。
昨今は消費量が落ちている様ですが、やはり白いご飯を食べるとホッとしませんか?
炊きたての温かいご飯に「生卵」「明太子」「納豆」それからそれから。
でも、本当に美味しいご飯は何も無くても美味しいです。
ほんのり甘くて、噛むと弾力があって、ん〜たまりません。

参考資料
使用生地 クラレ パロニィFC 1140F

2006年05月30日

二日続けて・・・・

今日の施工です。
テントの文字で「なに屋さん」か、ってことは明らか。
スポーツ用品店です。

sankousya1

お店の間口いっぱいのテント。
赤・青・緑と「光の三原色」のラインが目立ちます。
写真左端に少し写っているのが、弊社の「主戦運搬機=メインのトラック」です。
それはさておき、
今日のタイトル「二日続けて」とは何でしょう?
何が続いたのでしょう?
それは次の写真で。

sankousya2

このテントも「継目無し」シームレスなんです。
昨日の現場と同様に艶有りの「広巾」(154cm巾)生地を使いました。
寸法が丁度良いと言う点も有りますが、このテントは光の三原色ラインと横組のロゴどちらも「水平」が強いデザインです。
出来る事なら「垂直」な継目は入れたくない。
そんなデザイン上の理由もありました。

このスポーツ用品屋さんは、地元大宮では「老舗」です。
私が小学生の時の「運動着」は、こちらのお店から。そして中学・高校と所属した運動部の備品もこちらのお店から購入しました。
その頃から、テントのデザインは同じです。
今回で何代目になるのか分かりませんが、長年同じイメージを維持しているのは凄い事です。
そして、そのデザインが決して古くない。
最初が良かったんですね。ただ、残念ながら最初は当社じゃなかったんです。
時代は変わり、学生達が変わってもずっとシューズやユニフォームを扱っていて欲しいです。

参考資料
使用生地  ダイニック REGARD(レガード)6000 6001

2006年05月29日

一枚布のテント

今日の施工です。
既存フレームへの生地張替でした。

何の変哲も無い「ヒサシ型テント」ですが、普通のテントとは少し違う部分が有ります。
このテントのサイズは、間口が4.6mで壁からの出巾が1.2mです。
テント生地の生地巾は94cmなので、4.6mだと5枚巾継をします。
屋根部分や正面部分には4本の継目が出ます。

でも、このテントの屋根に継目はありません。
真っ平らな一枚布です。

正面の文字が入っている面も同様に継目が有りません。
その謎解きは?
生地巾が154cmある「広巾」の生地を使っているのです。
生地を横に使い、継目の無い仕上げにしました。
強度が一様ですし、生地端部からの水分の吸い込みも有りません。
それより何より真っ平らで綺麗です。
現在、この広巾生地は色数が少なく、艶有りの生地のみですが、使い方によってはとても綺麗でスッキリしたテントが作れます。

今回、張替させていただいたのは「Kembang Teratai ソープカービングギャラリー」というお客様。
果物や石鹸に細密な彫刻を施した伝統的芸術品のギャラリーと教室です。
その作品の緻密で美しい姿は絶品です。
作品の写真や詳しい事は「Kembang Teratai ソープカービングギャラリー」のサイトを御覧下さい。
きっと、うっとりとする事、請け合いです。
このギャラリー(教室)は、さいたま市の東武野田線北大宮駅すぐそばに有ります。

参考資料
使用生地  ダイニック REGARD(レガード)6000 6019

2006年05月28日

これも丸っこいテントです

「またまた曲げられてしまったパイプ達」を使ったテントを施工しました。

オカノ1

施工後の写真です。
形はお分かりですか?
少しまわりがうるさくて良く分からないかもしれませんので、見やすい写真を。

オカノ2

施工前に、作業場で「仮張り」をしているところです。
これで形がよく見えると思います。
円筒形を1/4にした形です。
「1/4円筒(Quarter Cylinder)型」としておきましょう。
「1/4パイプ型」でも良いのですが、側面に布面が有るのでパイプ(Pipe)とは言いがたく、やはり円筒(Cylinder)。
これが、あの「嘘のクイズ」の答えです(笑)

オカノ3

生地を張込み、雨仕舞のシーリングも終わったのでテントの中を点検に入ったら、とっても綺麗な空間でした。
青いテント生地を太陽の光が通り、なんとも言えない「ブルーの洪水」
スキューバダイビングはやった事の無い私ですが、海の中ってこんな風景なのかな?と思ってしまいました。
テント生地の透光性が作り出す「色」の効果。
雨除けや日除けの機能だけではなく、「色」を上手に使った演出がメインな「テント」も出来るんじゃないかな?と思った瞬間でした。

「カラーフィルター」効果も合わせ持つ「テント生地」
「色」の事も考えていく鳴海テントです。
お店やお部屋に新たな「色」のアイテムとして「テント」を考えてみませんか?
是非、ご相談下さい。

参考資料
使用生地 クラレ 彩(いろどり)FC 9150F


2006年05月25日

テントの形いろいろ

過去の施工例です。
ご近所の調剤薬局さん。
かれこれ5年くらい前の施工でした。

ちょっと特殊な形かな、と思いご紹介。
建物の出入り口の「雨除け」としてのテントです。
普通なら「ヒサシ型」と呼ばれる片流れのまっすぐなテントが定番。
壁から手前に傾斜が付いていて、雨は手前に流れる形です。
でも、ここの場合「なんか面白い形にして」とのリクエストも有ったので、
まず、曲線を使う。
そして、来訪者の動線上に雨を落さない。
しかも、単純ではない形。
というコンセプトで考えました。
あまり高さが取れない位置なので、いわゆる「カマボコ型」は無理。
そこで、緩やかな円弧で屋根を作り、雨水は左右に流す、そして左右非対象。
それが、この写真のテントでした。
雨が正面に落ちないので、今でも正面の部分は綺麗です、気になる「しずく汚れ」も有りません。

まるで、飛行機の翼の断面のような形状。
勝手に「ウイングスタイル」と名付けてます。

こんな独創的な形も、お客様の使い勝手を中心にして考えます。
鳴海テントで世界にひとつのテントを作ってみませんか?

2006年05月19日

クラゲじゃないよ、カバーだよ。

今日、納めた品です。
透明ビニールで作った「カバー」
大きさは、横30センチ、奥行き40センチ、高さ40センチ。
角にファスナーを付けています。

透明カバー

ある基礎工事会社からの御依頼品。
屋外の施工現場でつかう計測機器のカバーです。
雨に濡らしてはいけない機器で、しかも表示面が良く見えるように、そして操作する時は正面を開けたい。
その要望がこんな形になりました。
この後すぐに工事現場にデヴューする事でしょう。

でも、この写真「クラゲ」に似ている。
昔、「魚貝の図鑑」に出ていた「クラゲ」の絵にそっくり。
「ちょうちんくらげ」っていったかな?四角いクラゲ。
定かではありませんが。(アンドンクラゲが正解、2006.5.23加筆)
でも、「クラゲ」は漢字では「海月」と書きます。
船から見下ろす丸いクラゲは、海という「空」に浮かぶ「月」。
なんと風流な、でも刺されると痛い、しかし、食べると美味しい。

参考資料
使用生地 塩化ビニール透明フィルム(0.3mm厚) ビスロンファスナー#10(白)

2006年05月18日

アメリカ製の生地で

先日、お持ち込みの材料を縫製して、キャンピングカーのサイドオーニングをお作りしたお客様からの御依頼で、新たに、ストライプ生地のサイドオーニングを作りました。

4577-1

ブルーが基調のストライプ柄。
この生地はアメリカ製、残念ながら国産品にはこの手の柄が無いのです。
今回は、お客様の方でアメリカの業者さんから、直接輸入した材料を支給していただきました。

4577-2

前の加工では、樹脂製のブッシングを縫い付けた、車体側レールへの挿入部分を、生地に太いロープを縫い込む方法にしてみました。
ロープの径を替えて、お客様におねがいして試験していただき、フィットする太さを決めました。
固めの樹脂ではなく比較的柔らかいロープなので収納時にコンパクトにたためると思います。

今回使った生地は、コットン調のファブリックで、アメリカのSunbrella社の製品です。
日本国内にも在庫が用意されていますので、いつでも必要な分だけ調達が可能です。
ウエストコーストの真っ青な海と空に似合う鮮やかなストライプ。
他にも色々な色や柄の生地があります。
鳴海テントにご相談いただければ、このアメリカ製の生地を使ったテント・オーニングを、あなたのお好みの生地で、世界でひとつの「パーソナルフルオーダー」で加工致します。
是非ご用命下さい。

参考資料
使用生地 Sunbrella STYLE4577


2006年05月16日

道具8(小さいけど働き者)

看板の取付シーンで登場した「短いリーチのかわいいメカ」のご紹介。

unippy

古河ユニック製の、電動油圧式クレーンです。愛称はUnippy(ユニッピー)、本名はUNIC UE-500。
詳しくは古河ユニックのサイトを御覧下さい。
このクレーン以前にもPTO駆動油圧式のミニクレーン付きトラックを所有していましたが、排気ガスの規制で手放しました。
人間って便利で楽な道具を使うと離れられなくなるもので、すぐにクレーンが欲しくなりました。
しかし、以前同様のクレーンはベースになるトラックごと購入しなくてはならず、相当高いコストでした。
そこに、知り合いの車屋さんから「車載バッテリーで駆動する小型クレーンが有るよ」と教えられ、導入しました。
その時既に所有していた平ボデーのトラックに、改造申請無しで架装できたので、本体の価格もさることながら架装費用も安く、とても低いコストで入手できました。
ブームが4mと少し短い腕なのですが、テントの取付ならほとんどこなせます。
今では、とても心強い、そしてかわいい奴です。

最近、彫刻家の友人の作品の引っ越しに出動しました。
塀越しの作業でしたが、短い腕をこれぞとばかり伸ばしてギリギリ届きました。

これからもよろしく「Unippyちゃん」

2006年05月15日

またまた、曲げられてしまった。

曲げられたパイプが、またしても運ばれてきました。
最近、本当に「丸」系のご注文が多いです。
ありがとうございます。

今回の材料は、今まで御紹介してきた「扁平半ドーム」や「クォータードーム」とは別の、新たな形のテントになります。
フレームが完成し、施工されるまで可能であればその姿を御覧いただきたいと思っています。
どんな形状か予想してみて下さい。

「おわかりになった方は、隠しページの応募フォームで答えをお送り下さい。
正解多数の場合は、厳正な抽選を行い豪華賞品をお送り致します。」

な〜んて懸賞クイズができたら良いですねぇ。
「」の中のクイズ募集は「うそ」です。
「隠しページ」も存在しません。ごめんなさい。
でも、形の予想はしてみて下さい。
答えは数日後に。

2006年05月13日

しあわせの黄色い、シート?

昨日納品した品です。
鮮やかな黄色がまぶしい。

まっ黄色のシートですが、トラックの荷台用としてのご注文でした。
トラックのシートと言うと、普通はOD色(オリーブドラフ)やグリーンが主流で、最近はシルバーも有ります。
昔は(今もかな?)通運色と言って、ペリカン便の日本通運をはじめとする「通運グループ」が、車体もシートも「オレンジ(俗に通運色、通運オレンジ)」を使っていました。
今回の様な「カナリアイエロー」のご注文は珍しいです。
しかし、トラックの荷台が華やかになって良いかもしれません。

やっぱり黄色は開運と、そして「幸せ」の色ですから。
幸せを包み、運ぶ、「しあわせの黄色いシート」は、鳴海テントにご用命下さい

参考資料
使用生地 平岡染織 ウルトラマックス U-11

2006年05月04日

連休中の作業場

3日から7日まで、事務所はお休みを戴いています。
しかし、連休明けすぐに施工や納品を控えている物件があるので、工場は動いています。
今、製作中のフレームは

クオータードーム1

またまた「曲げ加工」された鋼材を使う「丸っこい」テント。
今回は、同一半径の材料のみ、つまり「1/2W(間口寸法)=D(出巾寸法)=H(高さ)」の「正ドーム型」です。

クオータードーム2

またたく間に組み上がりです。
半径80センチのかわいいサイズです。
今回は1台のみなので、「扁平半ドーム」の時の様なゲージは作らず、「曲尺」で垂直を見ながらの作業でした。

クオータードーム3

錆び止め塗装も終了です。
でも、このテント、少し形が変だと思いませんか?
裾のパイプが「半円」になっていない事お気付きですか?
このテントは、平面の壁に付くのでは無く、「入隅(いりずみ)」といって、壁がへこんでいる角に取り付けします。
上から見ると、半円の半分=1/4円なのです。
そこで、「1/4ドーム(Quarter Dome=クォータードーム)型テント」と命名しましょう。
現場に設置後の姿は連休明けにお披露目の予定。乞うご期待!

丸っこいテントが得意な「鳴海テント」です。どうぞよろしく。

2006年05月01日

テントの「防炎ラベル」

以前、「シート」の防炎ラベルに関してエントリーしました。
今日は「テント」に貼る防炎ラベルです。
正確には「防炎製品ラベル」と呼びます。

テント防炎ラベル

カーテンなどに「防炎性能」を有する「防炎物品」の使用が義務づけられている場合、テントも「防炎製品」である事が望まれます。
また、「防炎防火対象物」(消防法で指定されている場所)以外でも、「防炎性能」を持った製品が使われる事で火災の危険が低減されます。
生地の防炎表示は、各メーカーが「防炎協会」の認定を受けて、素材に「防炎材料」を示す認定番号とラベルが付されています。
しかし、その素材を加工した「製品」への防炎表示は、消防庁に登録した「縫製業者」のみが行う事ができます。
上のラベルに有る「事業所番号」は、防炎ラベルの一括交付団体である「日本テントシート工業組合連合会」加盟の各県組合所属組合員に付されています。
「11006」が弊社の固有番号です。
前の「シート用ラベル」の弊社固有番号は消防庁登録者番号の「E-11-30876」でした。
つまり、二つの番号があり、消防庁への登録が「基礎登録」となっていて、それを前提にテント用ラベルの番号が付されています。

デパートやホテル、ホールにある「テント」や工事現場の「シート」でこの「防炎ラベル」を探してみて下さい。
きっと同じデザインのラベルが付いているはずです。

テントやシートのご用命は「防炎製品表示者」の鳴海テントにご用命下さい。

2006年04月30日

国や地域で色の好みが違うのかな?

先日、電子メールで懸垂幕のお問い合わせをいただきました。
生地色に関して、DICカラーガイドでご指定いただきました。
「日本の伝統色」と「中国の伝統色」からでした。
「日本の」は手元にありましたが「中国の」が無かったので、早速デザイン用品のネット通販で購入し到着しました。

伝統色チャート1

これが弊社にある「伝統色」のカラーガイドです。
いずれも、お客様からの指定色を生地の色の中から探したり、プリントデータ作成時の色合わせ等に使っています。
本家のカラーガイドと合わせて5種類のガイドを持っていますが、全てお客様からのご指定をいただいた際、手元に無かったのを取り寄せて増えました。
こと色に関してはお客様に教えていただき勉強している点が多いのです。

伝統色チャート2

今回購入した「中国の伝統色」はチョット面白いです。
各色票の上にその色に関する説明があるのですが、これが「中国語」「日本語」「英語」の三か国語表記。
中国語は「簡体字」でカタカナの発音ふりがなも入ってます。
色の勉強に留まらず、中国語の勉強にもなりそうです。

もしかして、と「フランスの伝統色」を見ましたら、案の定「仏語」「英語」「日本語」でした。
そして、「日本の伝統色」は、日本語のみでした。あたりまえかもしれませんが、ちょっと残念。
「萌葱色(もえぎいろ)」とか「蘇芳色(すおう色)」が英語でどのように説明されるのか見たかったなぁ

2006年04月29日

扁平半ドーム型&砲弾型完結編

今日の施工現場です。
あの砲弾型テントの壁が出来上がっていました。
こんな感じです。

以前は、レンガ壁に直線的な尖塔が建っていて洋館風な造りでした。
今回、壁が岩の様な造形になり、中央アジアとか中東アラブの雰囲気に変わりました。
「砲弾型テント」は、膨らみを持った「アラビア風」もしくは「ムスリム風」の「塔」のイメージでした。
内部に蛍光灯が入っているので、空が暗くなると、ほんのり緑色に光って見えるはずです。

今回「扁平半ドーム型テント」もこの現場への取付でした。
外部のテントが全部見えるアングルからのショットです。
2階の窓の「扁平半ドーム型」10台と屋上の「砲弾型」2台がフレームから新調のテント。
1階左側に3台ある緑色のテント、それから右側の高所作業車ブーム下に見えるカマボコ型のテントが生地の張替でした。
他にも、この写真で見えない場所にも・・・・・。

入口の「自動ドア」
テント生地で作ったゲートです。
よく「のれん状」のゲートを見ますが、ここは赤外線センサーでの「自動開閉式」
オーナーの発想で、普通の自動ドア(ガラスの)駆動装置を使ってテント生地ゲートを動かしています。
今回は生地の張替でした。
今までは単純な一枚物の幕でしたが、新しい幕は、風圧で大きくなびいてセンサーが働いて開いてしまうのを避ける為に、数多くの「窓」をあけました(色の違う部分が窓です)
裏にフラップを付けて、風が当たったら窓のフラップが開いて風を逃がすことで、全体が大きく動くのを避ける仕組みです。
お客様との話し合いの中で提案しました。
幕本体の裾には、鉛の入った重い「ウエイトロープ」を入れています。これも「振れ止め」の一環です。
さて、このゲートをくぐると・・・・。

中に、こんな幕があります。
少し前に縫製場で加工していたストライプ生地です。
オーナーのプライベート部分と駐車場を分ける仕切幕として使いました。
この生地は、このような使い方はあまりしないのですが、オーナーが「色柄重視」で選んだ結果です。
間違われない様に「出口ではありません」と文字を入れています(笑)

他に、建物裏側にあるテントの張替も行いました。

今月初旬に曲げ加工された鋼材が入荷した時から始まった「製作・施工記」ですが、これをもって「完結」といたします。
ご愛読(?)ありがとうございました。

今日はみどりの日の祝日でした、皆様、良き「ゴールデンウイーク」をお楽しみ下さい。
ちなみに上記現場は5月1日リニューアルオープンです。
場所は、ヒ・ミ・ツです。写真を参考に探して下さいませ。(ヒント、国道4号線)

今回の現場は「株式会社パムコ」様の現場でした。
ネット上にサイトをお持ちなのでアクセスしてみて下さい。
「株式会社パムコ」様のサイトはこちら

参考資料
各テントの使用生地です。
「扁平半ドーム型」東レ(泉)ルミパールテント(透光性生地)T-3002F 
「砲弾型」テイジン テトロンテント 3669FP
1階部分張替 東レ(泉)クールテント T-1788F
自動開閉ゲート クラレ パロニィFCテント 4170F&1171F
内部仕切幕 東レ(泉)コスモエバリア 5103

2006年04月24日

とても繊細な線の文字

今日の縫製場です。
明日取付の生地に文字を入れました。
細長い生地ですが、とても小さなテントです。
出巾が17センチ、立ち上がりが34センチ。両手に入ってしまいそうな断面寸法です。

文字はお客様からデータを戴いたロゴタイプ。
凄く繊細な書体で、一番細いところは1ミリ強しかないのです。
生地がコットンライクなファブリックなので、熱転写シートでの作業です。

そーっとカットして、そーっとウイード(カス取り)して、いざ貼付け。
あまり加熱すると、細い部分が溶けてしまって失敗する、しかし、加熱不足は接着が不充分で剥がれてしまう。
微妙なバランスで加熱圧着しました。
なんとか綺麗に仕上がりです。

2006年04月21日

長蛇の寝袋?

今日の縫製場の完成品です。
とても細長い品物。
長さは約6mあります。

布筒

写真奥の方が直径100ミリ、手前が直径300ミリの筒状です。
工場内でプラントとプラントを繋ぐ役目を担います。
筒の中を、生成途中の製品が流れるのです。
布でできている「ダクト」とでも申しましょうか。
もし、金属製でこのようなテーパー(先端と末端で直径が異なる形状)のかかったダクトを作ったら。どの位の費用がかかるのでしょう?
布(ポリエステル帆布)なら、安価でできます。
また、設置時に経路上に障害物があっても、少しなら曲げて取り付けられます。
やわらか素材の長所です。
堅い金属製では融通が効きません。

これも鳴海テントの仕事なんです。

素材データ
使用生地 平岡染織 ウルトラマックス U-21(シルバー)

2006年04月20日

こんなんできました。

最近、まるっこいテントが続いています。
今日の夕方、弊社駐車場にこんなモノが出現しました。

砲弾1

これは、現在製作中のテントフレームです。
鉄の加工が終わり、錆び止め塗装も済んだので生地縫製の型取りをする為に、鉄骨作業場から運んで来ました。
この形、中膨れの紡錘型ですが、「砲弾」に見えませんか。
「砲弾型テント」とでも命名しましょうか。

砲弾2

この「砲弾型テント」は外側の、曲げ加工されたパイプを外すとこうなります。
こうなると放送用のアンテナの様な形。

砲弾3

そして、最終的にはベース部分も4分割されてしまいます。
この「砲弾型テント」は、高さが約2.6m、一番太いところの差し渡しは約2mあります。
取付の時もですが、運搬も大変なサイズです。(弊社の2tトラックの荷台内のり寸法は、約1.7m)
そこで、バラバラに作って組み立てる「プレハブ形式」です。
取付も現場で順番にボルトで組み立てていくと完成します。

最終的にはこのフレームに生地がスッポリと被って、色鮮やかな「砲弾」になります。
ただ、ご注文いただたお客様のイメージは「砲弾」ではなく、全く別のモノなのですが、それは施工後の方が分かりやすいので、その時にでも。


2006年04月19日

扁平半ドーム型テント取付SP

お約束の「取付編」特番です。
今日、第1期分を取付しました。
写真が多いのでコメントは少なめで参ります。

シルクロード1

まず、フレームを壁に取り付け。

シルクロード2

続いて生地を掛けます。まだテンション(張力)をかける前、生地がしわしわです。
今回の工事、実は2階の窓への取付です。
写真右側に少しだけ「高所作業車」が見えるでしょう。

シルクロード3

とりあえず、高所作業車を動かさずに届く範囲だけを完成させました。
ふた窓飛んでいるのは、車に近すぎて作業できなかった(ブームを最短にしても高すぎるのです)ため。

シルクロード4

車を移動して、飛ばした窓にもフレームを取り付けました。

シルクロード5

今回の工事では、建物のこの面だけなので、全部で6台、全て完成しました。
なんとか、まあまあの仕上がりになりました。
高所作業車からの撮影、テントの取付位置の高さからの眺めです。
写真下端の黄色いパイプが高所作業車の「カゴ(バケット)」の手すりです。

シルクロード6

そして、完成した姿を地上から普通の視線の高さで撮影です。
普段は、このように見えるわけです。
下から見上げると間口寸法に対して、出っ張り(出巾)が少ない「扁平さ」が分かりやすいと思います。
間口寸法の半分(半径分)が出っ張ると「真円半ドーム」になるのです。

残りの4台は、別の壁面に取り付けです。
今、その面は足場が掛かっていて、壁面の清掃と塗装の作業が行われて居ます。
今月一杯で全ての工事が完了して、リニューアルオープンの予定です。
弊社も、この現場で他にも「テント」を施工します。
機会があれば、他のテントもお披露目したいですね。


2006年04月18日

縫製場では(ストライプの生地)

今日、縫製場で作業されていたのはこの生地でした。
ストライプ柄の生地です、これもテント生地なのです。
色が濃く見える方が「表」です。
画面左側の少し色が薄いのが「裏」です。
この生地は「ファブリック」と呼ばれる「織物」
表面に塩化ビニールがラミネートされているテント生地とは別物です。
この生地の表面は織物の「織り目」そのままの状態なので、本来は表裏共同じ色のはずなのです。
ても、テント生地として「防水性」を持たなくてはなりませんし、日本においては「防炎性能」も要求されます。
そこで、生地の裏面に樹脂を塗布する事で様々な性能を持たせているのです。
その樹脂の為に、裏は少し色が変わっています。

コスモエバリア1

ストライプ部分のクローズアップです。
細かいストライプが見えますでしょうか?
ベージュに見える地色の部分も、実は細いストライプの地紋になっています。(写真をクリックして拡大して見て下さい)
色数が多く、美しいと思います。

コスモエバリア2

今、テント屋業界では「ストライプ生地」が減りつつあります。
消費量が少ないのが廃番の原因ですが、国内メーカーでは年々ストライプ生地のラインナップが減っています。
ヨーロッパ(イギリスを除く)では、このファブリックで細いストライプ柄が好まれていて、生産量も多いそうです。
何故か日本では、と思っていましたが、昨秋に弊社が出展した見本市(コラボさいたま2005)では、弊社ブースにお立ち寄りいただいた方で、特に女性のお客様が多色で細いストライプ柄の生地に関心を示されていました。
従って、潜在的な需要は結構大きいのではないかと思っています。
日本の建物との調和を考えると難しい面もありますが、壁の色や瓦の色、そして窓から見えるカーテンなどの色や柄などとトータルコーディネートでしっかり計画すれば、色が豊かで、しかも落ち着いた雰囲気を建物全体に醸し出せると思います。

そんなご相談も鳴海テントにお寄せ下さい。
良いご提案が出来ると思います。

ちなみに写真の生地は国内メーカーの「泉(東レ)」が出している「コスモエバリア」です。
数少ない国内メーカーの「ファブリックのピンストライプ柄」です。
生地指定でのご用命、よろしくお願い致します。

2006年04月17日

テント屋の知恵

昨日の施工現場です。
西武新宿線の井荻駅近くの美容室です。
ヒサシ型テントの先端についているアルミの「見切り」が、シャープな雰囲気を作っています。

井荻1

この「見切り材」実は、とあるメーカーの「アルミオーニング」の部材を拝借して使っています。
この写真がその部材の断面です。

井荻2

それを、この様にカットしてしまいます。
右側の部分を使い、ヒサシ型テントの先端にキャップのようにはめ込みます。
そして、右端の丸い溝に「フリル」を通すと、最初の写真の様に完成です。

井荻3

残念ながら、これは当社のアイデアでは無いのです。
このお店は、昨年の夏に店舗改装に合わせてテントを張り替えしました。
その時すでにこの仕組みでした。
以前に何処かのテント屋さんが考えて編み出したのでしょう。
張替えの時には既存の部材をそのまま使いました。
今回、車がテントに接触する事故が起こり、アルミ材とフリルが損傷。
その原状復帰作業として、新たにアルミ材を当社で切断加工しました。

この方法、なかなか思い付く事ではありません。
長いアルミ材を真っ直ぐに「縦裂き」にするのも大変な作業です。
でも、思い付いて、やってみて、結構綺麗に仕上げた。
その何処かのテント屋さんに敬意を表します。


2006年04月15日

木綿のハンカチーフ、いやシート。

珍しく、綿帆布のシートの注文が入りました。
何故珍しいかと言うと、最近はシートと言えばポリエステル基布に塩化ビニールを含浸(がんしん)させた「ポリエステル帆布」が、ほとんどだからです。
軽く丈夫で長持ちなポリエステル帆布なので、綿帆布が負けるのもしかたありません。

写真左が綿帆布、右がポリエステル帆布です。
共に「OD色(オリーブドラフ色)」いわゆる自衛隊色とか国防色と言われる色です。
生地は裁断した後、巾継をする為にミシンの懐に入る大きさに畳みます。
あとはひたすらミシン縫製での加工です。

ハトメも打って仕上がりました。

綿帆布は、重くて、湿ったまま畳んでしまうとカビが生えるし、防水は「防水液」を表面に塗布して実現しているので一定期間を経るとだんだん防水性が低下してしまうなど短所が多いのですが、今回ご注文いただいたお客様には綿帆布を選択する理由がありました。
ひとつは、角の鋭い荷を積むお客様。
ポリエステル帆布は、全体的には丈夫ですが、鋭利なモノに当たるとぽちっと穴があいてしまうのです。
その点、厚手の綿帆布は尖ったものが当たってもなかなか突き抜けないのです。
二つ目は、高温のアスファルト合材を積むお客様です。
表面が塩化ビニールのポリエステル帆布では、アスファルトの高温で樹脂が柔らかくなり、アスファルトがこびり付いてしまうのです。
綿帆布ならば、こびり付きは無く快適に使えるのです。
他にも、綿帆布には適度な「通気性」があるので、蒸れてしまうのを嫌う「青果」や「生花」を扱う方にもお使いいただいています。
過去には「医療用酸素ボンベ」を運ぶお客様にもお使いいただきました。
ポリエステル帆布だと、夏の高温時に積荷のボンベが過熱して圧力が上がり、緊急弁が開いてしまうのだそうです。綿帆布だと繊維の厚みの断熱性と、適度の通気性で過熱が押さえられるとか。

天然素材の「綿」なので、廃棄時にも「可燃物」として焼却処理もできます。
また、キャンバスとは、もともと綿生地の事なのです。
天然由来という点で、バッグや帽子に使われるのも、この綿帆布の薄手生地です。
自然から戴く素材も上手に活かして使っていきたいものです。

素材データ
使用生地 綿帆布(平岡染織 スリーダイヤ)9号 OD色


2006年04月14日

連続ドラマ「扁平半ドーム型テント」

フレームの上塗り塗装が完了しました。
生地は既に縫い上がっているので、「扁平半ドーム型テント」計10台製作終了です。
天気に恵まれたので、露天で塗装しました。

domefinish

製作完了、即取り付けの予定だったのですが、現場のスケジュール変更で来週に取付が延びました。
それまでの数日の間、弊社駐車場で待機です。
テント、特に丸っこい形のテント製作を最初から御覧頂きました。
ひととおりの手順や方法をご理解いただけたと思います。

お楽しみいただいた(?)連続ドラマ「扁平半ドーム型テント」も「製作編」は本日が最終回です。
近々、特番形式で続編の「取付編」を公開すべくドラマ製作の準備を致します。
次回作は全編ロケで構成の予定です。乞うご期待!

2006年04月13日

フレームの化粧品選び

下塗りが乾燥したら仕上げ塗りですが、何色で仕上げるかはそれぞれの現場で異なります。
通常は、白・ライトグレー・黒の三色を超速乾の塗料で常時用意しています。
その他は、その都度のご指定に合わせて調色します。
お客様からの色の指定は色々な方法で頂くのですが、一番確実なのは「ペンキの色見本」である日本塗料工業会の「塗料用標準色見本帳」のナンバーでの指定です。
その見本帳はこんなモノです。

nittkou1

ズラッと並んでいますが、この見本帳の色なら各塗料メーカーに調色を依頼すると、ちゃんと同じ色で出てきます。
デザイナーさんは良く「DICカラーガイド」で指定して来るのですが、「DIC」は染料である印刷インクの配色見本なので、顔料のペンキでは再現できない色が多いのです。
なので、「DIC指定」の場合は、あくまでも近似色となりますが、中にはペンキで再現不可な色も有り、悩むところなんです。
今回のご指定はこの色

nittokou2

画面真ん中の色です。
限りなく白に近いのですが、マンセル値の「5YR9.2/1」が示す様に、ほんの少し「黄色と赤色」が入っています。
この色で「扁平半ドーム型テント」のフレームはお化粧(仕上げ塗装)をします。
メイクアップアーチストの腕が試されます。

今回の指定理由は、テントが設置される建物の壁に有る装飾部分と同じ色との事。
特段に調和を考えない場合は、前出の無彩色で塗装するのが無難ですが、生地の色に合わせたり、今回の様に建物側に合わせたり、また、敢えて合わせるのではなく生地とは反対の色を使ってフレームを際出せたり、などフレームの色の演出には様々な方法があります。
目的と環境に合わせた配色をご提案する事もできます。
是非、鳴海テントにご相談下さいませ。

2006年04月12日

フレームも同時進行

すっかりお馴染み「扁平半ドーム型テント」
こちらはフレーム製作現場です。
フレームも、錆び止め下地塗り完了です。

錆び止め

赤っぽい塗料が「錆び止め塗料です」
有害な「鉛」を含む塗料が錆び止めとしては高性能の様ですが、最近では「鉛フリー」なモノも良くなって来ています。
この赤みを帯びた色は「赤さび色」と呼ばれています。
他に、もっと鮮やかな朱色の「光明丹色」もありますが、いずれも「赤系統」
錆び止め塗料というと、この赤系統を連想しますが、「淡緑色」や「グレイ」はたまた「アイボリー」の錆び止め塗料もあります。
でも、この「赤系統」の方が錆びにくそう、と感じるのは「慣れ」でしょうか?

錆び止め塗装は、鉄の素地に強固に食い付き、大気と鉄の縁を切り、また、化学的作用で「防錆」するのが主目的です。
しかし、下地調整剤として、上塗りの仕上げ塗料の「ノリ」を良くするのも役目です。
ちょうど、お化粧の際の「ファンデーション」と同じですね。
しっかり丁寧にファンデーションを施す事で、仕上がりの美しさが決まります。
皆さん、ファンデーションをおろそかにしてはいけません。

このところ「扁平半ドーム型テント」の連続ですが、ひとつのテントが素材から加工され、施工を終えて完成する流れを知っていただくのに良い例と思い「連続ドラマ化」しています。
でも、他の仕事もやってますよ、ちゃんと。

2006年04月11日

テント縫製と洋裁は似ている?

引き続き「扁平半ドーム型テント」です。
最初に作ったフレームを使って、生地縫製も開始です。
まずは、型を取って型紙を作ります。

型紙

写真のピンク色しているのが「型紙」隣の赤い生地は型紙を基に裁断したものです。
それを縫い合わせていくのですが、各スパンを縫い合わせた段階で、一度フレームに被せます。

仮縫い

さながら「仮縫い」ですね。
「待ち針」は使いませんが、この段階で裁断や縫製の不具合を調べます。
細部を修正して仕上げ縫製をした後、ハトメを打って最初の生地が縫い上がります。

張込み

それをフレームに張込んでみます。
しわが生じないかどうか点検です。
ピンと張れる様なので、この型紙で残り9台分の裁断と縫製を続けます。

今回は、新規製作のテントなので、フレームを屋内に持ち込んで型取りをしています。
しかし、既存のテント張替の場合は、設置してある現場で型取りします。
風が吹いていると型紙が飛ばされそうで大変なのですが、この最初の段階が重要で、型紙が正確に取れないと綺麗に張れるテントになりません。
最初が肝心なんです。

型紙とか裁断・縫製・仮縫い、など用語も洋裁と同じです。
布とハサミとミシンで行う作業なので、自ずと似てしまいます。
テント屋も「服」を作るのと同じように、一つひとつ丁寧に心を込めて縫っています。

2006年04月10日

扁平ドームフレーム製作経過

昨日は休日返上で、数日前から手を付けている「扁平ドーム型テントフレーム」製作に勤しみました。
おかげさまで、昨日中でフレームは組み上がりました。
総計10台。

ドーム経過

写真は、その途中の風景。
手前に5台分、画面右奥の台上に組立途中の1台が載っています。
この時点で、既に1台は下地塗装を終えて生地縫製の為に「型取り」をするので縫製場の方へ移動していました。
フレームは、組立完了後、錆び止めの為の下地塗装を行い、乾燥後に着色の為の上塗り塗装を行います。
その模様は後日にご報告。

フレームが出来たので、生地の縫製も始まります。
こちらも明日以降にお披露目できると思います。

今日は、金物作業場の整理や、新規の現場の下見、また受注が決定したテントのフレーム設計・製図と忙しく過ごさせていただきました。
ありがとうございます。

2006年04月08日

道具7(バリバリ切ります)

今日は午前中、カーテンの打ち合わせの為に「北青山」まで行きました。
原宿駅から明治神宮表参道を歩きましたが、土曜日なので人が多い多い。
地方から出てきたての女子大生が、電車の中で前に居ました。
会話の内容で↑と分かったのです。

午後は戻って「半ドーム型テント」のフレーム製作続行です。

鋼材をバリバリ切断するのが上の機械。
比較的ゆっくりと回転する「刃」が、鉄を削り切ります。
以前は高速で回転する「砥石の刃」が鉄を「擦り切る」タイプの切断機を使いました。
派手に火花を出す代物です。
しかし、その機械は、
「ぎゅぅうい〜んん」と大きな騒音をまき散らすので、現在はあまり騒音を出さないこのタイプを使っています。

明日は日曜日ですが、「半ドーム型テント」が間に合わなくなるといけないので製作続行です。
まわりの桜ももう限界、花吹雪が激しくなっています。

そうそう、今日は「灌仏会(かんぶつえ)」「花祭」とも呼ばれるお釈迦様の誕生日祭。
打ち合わせ現場(青山)の近くにお寺があり、本堂の前に「天上天下唯我独尊」のポーズの釈迦像が、甘茶の中に立っていました。
手を合わせて、甘茶を掛けました。
打ち合わせの待ち時間に周辺をぶらついて出会った光景でした。

2006年04月07日

丸・○・マル・まる

今日の金物作業場の状況です。
朝、作業場に行くと材料屋さんから「曲げ加工」された材料が入っていました。
曲げ半径別に置いてみたのがこの写真です。
さて、何を作ろうとしているのでしょう?
巨大なフラフープ?、でっかい新体操の「輪」?
なんやて、そんなん誰が使うねん!

曲げ加工1

正解は、窓に付ける「ドーム型」のテントです。
正確には「半ドーム型」
窓の上に丸いテントが付いているの見たことありません?
あれです。
加工を始めたのがこの写真、扁平ドームなので丸い「骨」の半径が異なるのです。
(真円ドームなら全部一緒なんですが、扁平は大変なんです)

曲げ加工2

1台だけなら、「曲尺(かねじゃく)」の仕事で作っちゃいますが、今回は10台製作するので、それぞれ同じ形に仕上げる為に「ゲージ」を自作しての製作です。
CADで書いた図面で各部材の裁断寸法を割り出して、その通りに切断したら、あとはゲージに従って組み立てれば、全く同じ形のフレームがポコポコ出来上がる。
なーんて事なら楽なんですが。
手仕事で、一つひとつ確認しながら組み立てていきます。

完成した姿は後日にお披露目、できるかな?
結構急ぎのお仕事なんです。

2006年04月05日

道具6(非鉄金属用)

前に溶接機のご紹介をしましたが、あれは「鉄」専用の道具でした。
今回ご紹介するモノは、昨年に同業者から譲り受けた溶接機で「TIG溶接機」と言います。
これは優れもので、鉄はもちろんの事「アルミニウム」や「ステンレス」も溶接できてしまいます。
写真の上が「TIG溶接機」、下は今は現役を退いている「交流手棒溶接機」です。
どちらも三相200Vの「動力電力」を使います。

TIG

いつまでたっても全く錆びない「オールステンレスフレームのテント」や
大きいのに一人で持ち上げられる「オールアルミニウムフレームのテント」を作ろうと目論んだのです。
いずれも加工しにくく、また「テント」は一つひとつが「世界で一つ」のオーダー製品なので、外注で依頼すると材料が高価な事もあり非常に「お高い」製品になってしまいます。
そこで、自社内で加工出来れば良いなぁ、と思ったのです。

しかし、鉄の溶接に比べ、ステンレスやアルミニウムの溶接は難しい。
日頃の仕事の合間でしか練習できないので、なかなか腕が上達しません。
でも、少しずつ練習して、自分の手で「キラキラステンレスフレーム」や「軽々アルミフレーム」を製品レベルまで持っていく所存です。


2006年04月04日

応急処置

今日の朝「テントに穴があいちゃったの」との電話を受けました。
ここ数日、強い風の日だったので風で破損か?
早速、行ってみました。
見事にあいた大きな穴。
設置から十数年経過しているので、経年劣化と紫外線劣化で生地の強度が著しく低下していました。
指でも穴があいてしまう程。

応急処置1

何故あいてしまったか、というと、このテントの上にアームライトが有り、電球が切れたのでお店の旦那さんが脚立に乗って交換した時に、つい足を載せてしまったとの事。
強度が充分な時なら、片足くらい何でもないのですが、既に紙の様になっている生地はひとたまりも無く破れた様です。
でも、この真下には、このお店の商品が並んでいるのです。
ここは「魚屋さん」です。
運悪く、明日の天気予報は「雨」
応急処置をせざるを得ません。

応急処置2

穴に、大きな別生地を掛けて塞ぎます。
急だったので同じ色の生地が無く(例え有っても経年変化で色あせが激しいので・・・・)
違う色の生地となってしまいました。
普通、テント生地用の専用接着剤を使いますが、それは表面の「塩ビ」層を溶剤で溶かして融着させるのですが、今回は劣化が激しく、「塩ビ」の層がほとんど無くなっているので接着効果が期待できません。
そこで、いつもは雨仕舞に使うシール材の「シリコンコーキング」を接着剤代わりに使いました。
これで「穴くべ応急処置」完了。

とはいってもあくまでも「応急」です。
このお店も、生地全体の「張替」のお見積をさせていただきます。

でも、足をテントに突っ込んでしまったけど、お客様に怪我が無くて良かったです。

2006年03月31日

年度末だから

今日の作業です。
地元の自治会から、役員の「札」の御依頼です。
年度が新しくなると、色々な役が代わります。
既に役員札は有るのですが、汚れたり壊れたり、中には盗まれたりで足らなくなっているのです。
この年度末に、不足分や新設分を作ります。

役員札

材料は、ベース板が「アルミ複合板」文字はマーキングフィルムの切り文字貼りです。
比較的安価に出来るので、汚れたら即新調、と言う感じで作らせていただいています。

桜が満開!
移動中の車の窓から、色々な場所の「桜」を楽しんでいます。
今日は、国立市の「一橋大学」前の大学通の桜が綺麗でした。
明日は「花見」に行く予定、数年ぶりに本格的花見をします。楽しみだなぁ。

2006年03月27日

熱して写して貼付けて、剥がれない

昨日の施工です。
美容室の休業日に張替を行いました。
コットン調のポリエステルファブリック(織物)を使いました。
ふんわり柔らかな風合いです。

ケイパレット

この少し毛羽立っている様な生地に文字を入れる方法は?
普通の塩化ビニールラミネートの生地だと、テント生地用の粘着フィルム(マーキングフィルム)で貼りますが、このファブリック系生地には貼れません。
そこで「熱転写シート(フィルム)」です。
「鏡文字(裏文字とも呼びますが、文字を裏から見た形)」でカットし、裏返して位置を決め、そのあとはアイロンで加熱しながら加圧します。
すると、熱で樹脂が柔らかくなり、テント生地側に接着します。
熱が冷めたら、「台紙(透明な樹脂フィルム)」をゆっくり剥がすと完成です。
写真では「K’」が、加熱直後で透明な台紙がかかってます。「HAIR SAISON」は鏡文字のフィルム側の姿。
下の「Palette」は、冷却後で台紙を剥がしています。
アイロンは家庭用。専用の「ヒートプレス機」も有る様ですが、普通のアイロンで大丈夫です。

熱転写

熱転写のしくみは「アイロンアップリケ」と同じです。
小学生の時、運動着に校章をアイロンで転写したのを憶えています。
また、昔のお菓子におまけで付いて来た「転写シール」にも似ています。
家の柱やタンスに勝手にシールを貼ってしまって、お母さんから怒られた事はありませんか?
あれは、指の爪でゴシゴシこすって写し貼りましたね。
今でも同じ様な事をやってます。
もちろん仕事で、ちゃんと決められた位置にですけど。

素材データ
使用生地 テイジン シャガール EC23
文字素材 ショウワ カラーフレックス(白)

2006年03月25日

簡単確実で滑らかな動き

今日の施工現場です。
東京東久留米の団地内に有る「トランジットモール(車の入れない街路)」形式の商店街にある八百屋さん。
店舗改装に伴い、雨除け&風除けの透明ビニールカーテンを設置しました。
商店街共用の固定テントフレームから、角パイプで「腕」を突き出してカーテンレールを取付です。

八百新1

レールは、屋内のカーテン用より大きくて丈夫な「工事用レール」
ランナーを見て下さい。
小さな「カラビナ」が付いています。
今まで、ランナーと生地との接合には色々な方法を使いました。
細いロープで縛り付けたり、「エスカン(S字型の金具)」で引っ掛けたり、「ダブルリング(螺旋状になっている金属の輪)」で繋いだりしました。
最近は、この「カラビナ付きランナー」を使っています。
単価が少し高いのですが、簡単に取り付けできて、はずれる事が無く、見た目も良いのでお気に入りです。
これならば、生地が痛んでしまった時も、お客様ご自身の手で新しい生地と交換する事が簡単で確実にできます。
生地交換の出張作業費がかからないので、維持管理コストが安くなります。
お客様にとっても、結局はお得になると思います。

八百新2

先頭の二個繋がっているランナーは、先端に磁石が付いています。
カーテンを広げた時、レールの先に付けているプレートにくっついて、多少の事では動かない様になっています。
風などで自然に動いて開いてしまうのを防ぐ為のしくみです。

なんでもない金具ですが、こうして「クローズアップ」で撮影すると迫力がありますね。
自分自身、一つひとつの道具や材料を見直すには良い方法だと思います。
皆さんにも、細かい材料の詳細を御覧頂き、それぞれの長所を知っていただいた上でお使いいただきたいと思っています。

素材データ
使用生地 透明ビニールフィルム 0.3mm ターポリン生地補強
使用レール 岡田装飾 OS D30レールシステム

2006年03月23日

今日の縫製場では

近くの看板屋さんからの御依頼。
横断幕の端部縫製の作業でした。
仕上がり寸法は、間口が約14mです。
使っている生地は看板用のFFシートと呼ばれるモノ。
既にインクジェットプリントがされています。
でも、この素材がクセ者なんです。

ジョンレノン

世界バレー

テント用の生地は、テントの多様な形に追随できるように柔らかく、しなやかさを保つ為の樹脂配合がされています。
しかし、看板用の生地は、真っ平らになるように(平面性が高い)堅く、融通が利かないのです。
箱形の看板に張り込む場合は、この堅い生地の方が真っ平らになって綺麗なのですが、ミシン縫製は大変です。
布ではなく、まるで「板」を扱っているような感触です。
でも、どうにか2枚とも完成しました。

写真でおわかりのように、1枚は「ジョンレノンミュージアム」の特別展。
もうひとつは、今年の秋に開催される「世界バレー」のPRです。
たぶん、「さいたまスーパーアリーナ」の線路側に設置されると思うので、大宮駅とさいたま新都心駅間で電車をご利用の方は、ちょっとアリーナ側を見て下さい。
この横断幕が見えると思います。

2006年03月20日

かんざしに懸垂幕

以前にかんざしをさした看板とのエントリーをしましたが、今日、そのかんざしに、全面プリントの懸垂幕を取り付けました。
品物は先週末に仕上がっていたのですが、あの台風以上の暴風の為取付を延ばしていました。

サンマルク懸垂幕

両側に6ミリのステンレスワイヤを張り、幕を掛けます。
ワイヤと幕を繋いでいるのはあの金具です。
こんな風に使っています。

小規模な懸垂幕なので、上下操作はロープを手で引っ張る方法です。
幕の下端のパイプはオモリ役の物なので、ワイヤには固定せず上下が自由に出来るようにしています。
風が強く当たる時には、上下に動いて幕にかかる荷重を分散してくれるはずです。

昨日までよりはマシですが、今日も結構強い風が吹きました。
完成後の幕も風を受けて湾曲しています。
ユーザーサイドで簡単に上下出来るのが懸垂幕ですから、台風並みの風の時は幕を落していただけると破損させずに済みます。
風がおさまったら、また上げていただければ良いのですから。
懸垂幕を設置している皆様、よろしくお願いいたします。

2006年03月19日

道具5(鉄の仕事用具)

一昨日、昨日に続き今日も台風以上の暴風が吹き荒れました。
乾燥している地面から砂埃が舞い上がり、空が薄茶色に染まっていました。
荒れた天候が続くと、屋外での工事に影響するので、非常に困ります。

今日は、弊社の「鉄骨製作」関係の道具をご紹介します。
まず、鉄材をくっつける役割の「溶接機」です。

溶接機

写真の上、青い顔をしているのが「手棒溶接機」です。
図体は小さいのですが、体に似合わぬ力持ちで看板のベースプレート(厚さ10mm程の鉄板)もドンドン溶かしてくっつけていきます。
小型で軽いので単相200Vの電源が確保できる現場の場合、持ち込んで使う事も出来ます。
その下にあるのが「半自動溶接機」で、炭酸ガスでシールドするタイプの溶接機です。
「手棒溶接」と比べて、簡単に綺麗で確実な溶接ができます。
こちらは三相200Vの電源を必要としています。

昔は、「アセチレンガス」と「酸素」で、手持ちのバーナーを使って「直火」で鉄を熱して溶接する「ガス溶接」を使いました。
しかし、肉厚の薄いパイプを使うテントの場合、ガスバーナーの炎が必要の無い所まで熱してしまい、フレームに歪みが生じ易いという欠点があったので、次第に「電気溶接」に代わってきました。
「手棒溶接機」も「半自動溶接機」も電気溶接機の一種です。

溶接全般に関してはこちらをご参照下さい。

固定テントのスチールフレームは、このような溶接機で確実に接合されて屈強な体となり、丈夫なテント生地と一緒になって様々な荷重に耐えるのです。

2006年03月16日

全面プリントで懸垂幕づくり

描く、貼る、に続く文字づくりの方法。昨今の主流であるプリントです。
写真は、180センチ巾の白いターポリン生地に80センチ巾でオレンジ色の地色と文字をプリントした姿です。
「貼る」ならば、オレンジ色の生地に、白と黒の文字を貼るのですが、プリントの場合全て白生地です。
何故かと言うと「白インク」が無いからです。
これは、オフィスや家庭で使うインクジェットプリンターと同じなんです。
(昇華型というプリンターには、白も金も銀もあるそうです)

プリント懸垂幕

懸垂幕は、この後にオレンジ色の部分を裁断してロープ縫い込み、ハトメ打ちなどをして完成です。
えっ? プリントの説明なのにプリンターの姿が無いって?
実は、当社ではプリンターを所有していません。
でも、原稿編集(データ作成)を自社で行っています。
Power Mac G4をメイン、G3をサブのマシン構成で、画像処理にはアドビフォトショップ、レイアウト作成にはアドビイラストレーターを使っています。共にヴァージョンは「CS」までアップしています。
手元で出力寸前の完全データにした上で、使う生地(メディア)に最適な出力ツールを持つ「出力屋さん」に送りプリントしてもらってます。

ブロードバンドのお陰で、大きなファイルも電子メールで送れるようになりました。
宅配業者さんのお陰で、出力された完成品は翌日手元に届きます。
「さいたま」で編集したデータは、日本のあちこちで出力されています。
それぞれの「得意技」を集めて、より良い製品を創っています。

写真の加工・編集やオリジナルロゴ作成などの技術を駆使して、看板やバナーとして最適な訴求性を持たせつつ、周囲とマッチした構成をお創りします。
あなただけの、世界にひとつの「オンリーワン★サイン」は鳴海テントにご相談下さい

2006年03月15日

別の畑の作物を頂戴しました

ステンレスの金物です。
当社では、この金物をある事に使っています。
しかし、テント屋業界の品物ではなりません。
名前を「チェーンフック」と言い、チェーン(鎖)を繋ぐために使われる金具です。

チェーンフック

当社では、懸垂幕とワイヤを繋ぐ為に使います。
普通は「カラビナ」と呼ばれる金具をよく使います。
ただ、「カラビナ」も元々は登山用品で、岩山を登る時「ハーケン(岩に打ち込む杭の様なもの)」から下ろした「ザイル(ロープ)」と、登山者の身体を繋ぐ金具です。
私が以前やっていた「パラグライダー」でも、翼と身体を繋ぐために「カラビナ」を使っていました。

話がそれましたね。戻しましょう。
この、チェーンフックを懸垂幕に使う場合、写真では右側の小さい方の穴に、左右の「ガイドワイヤ」を入れます。
そして、左側の留め金が付いている方を懸垂幕の「ハトメ」に入れて繋ぐのです。
ひとつの楕円形である「カラビナ」と違い、幕の入る部分とガイドワイヤの入る部分が分離しているので、動きがスムーズで幕が痛みにくいのです。
また、ワイヤに後から出し入れが出来るので、追加したり痛んだ金具を交換するのも簡単です。
写真の下がワイヤを入れる部分を開いた形、上はねじ込み式の留め金を締めた形です。
ねじ込みの留め金なので、口が開いてワイヤから金具が外れる事はありません。

「テント屋」業界は決して大きくありません。
専用金具を開発してもなかなか採算が合わない様です。
なので、他の業界で開発されている品物を上手にテント用に使う事が大切だと考えています。
それが、丈夫で体裁の良い部品を安価に調達する手段であるとも考えています。
「テント」に使う部品には、色々と面白い他業種出身のモノがあります。
機会をみながらそんなモノ達もご紹介していきます。

2006年03月14日

リユース(reuse)なテント

過去の施工例です。
千葉県成田市のペットショップです。
店舗前面に間口の広い固定式テントでした。
雨水を受けるためにアルミの雨樋が付いています。
コーナーがカチッと決まった直線的なデザインです。

ハッピーベル成田1

中を覗いてみましょう。
おや?、スチールの丸パイプで作られる普通のフレームとは違い、大きめのアルミ型材で出来ています。
なんか雰囲気違いますね。

ハッピーベル成田2

このフレームは、元々テント生地が掛かっていたのではなく、アクリル板が入っていました。
「アクリルルーフ」とか「ルーフテント」などと呼ばれ、一時期はテント生地を使う「テント」を凌駕し、テント生地を駆逐してしまうのではないか、と「テント屋」を恐れさせた品物です。
この現場では、アルミのフレームだけが残された状態でした。
そのアルミフレームに「生地」を張込む事はできないだろうか?という依頼でした。

生地を張込む為の部材(正面上部角のパイプやロープを掛ける為のパイプ)をスチールパイプで加工し、アタッチメントの形で加えました。
正面の雨樋は、そのまま温存使用する事で、裾が引き締まり雨垂れも落ちないテントに仕上がりました。

ひと頃大量に流通した「アクリルルーフ」「ルーフテント」は、各メーカーの相次ぐ取扱廃止・製造中止によって維持の為の交換部品が手に入らない場合も多くなっています。
この現場の場合も、折り曲げ加工した規格品アクリル板が無く、また一部の固定用アルミ部材や防水用ゴム部材も無い状態だった様です。
その点、テント生地を個別にオーダー加工する「テント屋仕事」は、テント生地という素材さえあれば対応できます。

すこし手を加えれば、部品の無くなったフレームも生き返ります。
鳴海テントにご相談下さい。
リユースで、それまで以上の製品をお作り致します。

素材データ
使用生地 クラレ パロニィFC 1141F
文字素材 IKC Eカルテント(白)

2006年03月10日

関西流?関東流?

過去の施工です。
ある和食ファミリーレストランで、テントの張替でした。
張替前がこの写真、黄色の生地でした。

張替前

張替後は、赤系統の落ちついた色の生地になりました。
このテント、よく見ていたいただくと分かりますが、左右の端はロープ等でかがっていません。
側面で見える様に、壁際は生地に一本の太めのパイプが入っています。
先端も同様に生地にパイプが入っています。
左右にはフレームが有りません。
上下のパイプを、両サイドと中央の「腕」で支えています。
なので、ピンと張りつめた感じではなく、自然に垂れているような柔らかい感じになっています。

張替後

同じ様な構造は、もっと小規模の装飾性を重視する現場で作った事はありましたが、その時は「これは独創的だ、他に考えた人は居るまい」と悦に入っていました。
張替の現場で見た事はありませんでしたし、街中でもお目にかかった事が無かったのです。
なので、この現場で大きなサイズで同じ仕組みなのを見て愕然としたのです。
元々この店舗のテントは大阪のテント屋さんが新規で作ったそうです。
もしかしたら関西ではポピュラーな構造なのかもしれません。
実際にテント屋の世界で、関西流・関東流というのが存在する様です。
昔ながらの「腕棒(腕木)式巻上げテント」に使う部材は明らかに違いがあります。
関西では多く見かける「街路式(すべりだし)テント」が関東ではあまり見ないなど、関西と関東ではテントの「好み」が違うようです。
この「違い」が、何故どのように生じたのか「研究」していただける方はいらっしゃいませんでしょうか?
「比較文化論」のテーマとして成立しそうな気がします。

素材データ
使用生地 テイジン ニューパスティ 8880FP

2006年03月09日

コンクリートへの固定方法

昨日のエントリーの現場での方法。
この現場は、既に看板用の基礎工事が済んでいました。
しかし、固定用のボルトは用意されていない。さてどうする?
コンクリートに後からボルトを埋めるには、先端が広がって固定される「拡張型アンカー(メカニカルアンカー)」と、樹脂でボルトを固定する「ケミカルアンカー」が有ります。
それぞれ長所短所が有るのですが、今回は「ケミカルアンカー」を使いました。

ケミカルアンカー1

写真のある茶色と白の帯が有る「カプセル」が「ケミカルセッター」と呼ばれ、樹脂と硬化材が入っています。
これを先に穴に入れておきます。
次に、ボルトを差し込んで叩き込みます。
すると、カプセルが壊れて中の樹脂と硬化材が混ざって反応を起こします。
気温やコンクリートの温度で硬化完了時間が異なりますが、比較的暖かかったので1時間程で硬化しました。

ケミカルアンカー2

念のため、2時間程おいてナットを締め付けて固定完了。
ゆるみ止めのために「ダブルナット」にしてあります。
ケミカルアンカーは、拡張型アンカーと異なり、コンクリートにストレスを与えにくい工法です。
ただ、硬化に時間がかかる事や、上向き施工が困難など短所も有りますが、適材適所で工法を選んでいます。

ちなみにアンカーはAnchorで英語。
意味は
1、錨(いかり)
2、支え(頼み)になる人(もの)
3、リレーの最終走者(泳者)、綱引きの最後尾の引き手、最後に行動する人、しんがり

そんな意味を持つ人間になりたいですね。
船をしっかり繋ぐ錨の様に、支えになり、綱引きのしんがりの様にどしっと落ち着き、勝負を決し、最後に悠々と行動する、心の大きな人間になりたい。


2006年03月07日

道具4(測る)

生地を縫う前に裁断をします。
裁断の時に登場するのが、測る道具の「物差し(ものさし)」
弊社で使っている「物差し(ものさし)」を並べてみました。
工場内で生地加工の際に使用しているものです。

ものさし1

中の3本が「竹さし」1m、1m半、2mの三種類です。
銀色のが「スチールさし」こちらは1mと2m。
一番右は「指距(さしがね)」1m×50cm。
蛍光イエローは「スチールメジャー」です。

みなさん「竹さし」は、最近目にしないのでは?
私が小学生の頃は30センチの物差しをランドセルに差して通っていました。
テント屋では今でも結構使います。
「竹さし」の利点は、万が一生地の上に落しても生地を傷つけないことです。
もし、「スチールさし」を落したら、角で生地に「かぎ裂き」を作ってしまいます。
でも、実は「スチール」も良く使ってしまいます。目盛りが見やすくまっすぐなので。
また、スチールメジャーで一気に測る事もしばしば。手間が省けるんです。

でも、何故か使いきれない数の「竹さし」が作業場に有ります。
こんな風に作業場の隅に掛かっています。

ものさし2

だいぶ前に永六輔さんが「尺貫法」擁護の運動をしていました。
和裁で使う「竹さし」の目盛りは「くじら尺」という独特な単位(建築の尺や寸=曲尺とは違う)」が刻まれています。
でも、上の写真の「竹さし」の目盛りは「メートル」
しかし、国産テント生地の生地巾は920mmです。
これは「三尺」ということ、尺貫法の名残です。
オープンカフェやウッドデッキを彩る「オーニング」も、間口寸法の規格は「三尺刻み」
まだまだ「尺貫法」は、日本の生活に馴染んでいます。

テント工事の現場でも「ロープを二尋(ふたひろ)切ってくれ」なんて会話があります。
「尋(ひろ)」は両手を広げた長さですね。
身体が基準、最も確実な「計測機器」かもしれません。


2006年03月06日

看板だけど中の仕組みはテント方式

少し前の施工です。
お馴染みのお店だと思います。
店舗正面のサイン全てを施工しました。
あちこちに「ダック」が入っています。

アフラック十条1

注目は壁面看板です。
変哲の無い看板ですが、面はアクリルではなく生地です。
内部からの光を拡散させてムラの無い明るさが出る「フレックスフェイス」とか「バックリット」と呼ばれる材料です。

アフラック十条2

この手の生地で看板をつくる場合、生地を平らにピンと張るために専用のアルミ製金具を使います。
専用金具を使えば、確実に、しかも簡単に均一で強いテンションを掛ける事が出来て綺麗に仕上がります。
でも、難点があります。
その金具が比較的高価なのです。
この現場は、アーケード商店街の中なので雨がかからない環境。
なので全てスチール部材で組みました。
生地を張る仕組みも、テントと同じく「ロープ編み方式」です。
面の部分を本体とは別の枠にして、ハトメを打った生地を巻き込んでロープで編んでテンションをかけます。
そして、化粧のアルミアングルで囲って、本体枠には蝶番で繋ぎます。
オール自社製の「開閉式看板枠」なのです。蛍光灯交換も簡単です。
本体枠は、白い「アルミ複合板」で覆ってあるので、綺麗に仕上がっています。
看板の寸法は現場の建物に合わせてピッタリフィット。

高価な専用部材を使わなくても、見た目の良い安価な看板が出来ます。
それが鉄骨加工を自社内で行っているメリットです。
手持ちの予算が少なくて、とお悩みの方。
鳴海テントにご相談下さい。
なにか良い方法を見つけだせると思います。

2006年03月04日

ミシンの日

昨日の3月3日は「桃の節句」であり「耳の日」でした。
今日、3月4日は「ミシンの日」なんだそうです。
伝聞形で書きましたが、実際知りませんでした。
現場に移動中、TBSラジオの「土曜ワイドラジオ東京 永六輔その新世界」で取り上げられていたのを聞いて、初めて知りました。
「テント屋の一番基本の道具はミシンでしょう」などというエントリーをしていながら、お恥ずかしい事です。
その番組の中で「ボビン」も語られていました。

ボビン

当社のミシンのボビン達です。
画面奥左側にあるのが、ボビンケース。その右側にあるボビンを入れてからミシンにセットして使います。
ボビンの直径は25ミリ。
手前の少し大きめのボビンは「水平釜式」のミシンに使うボビンで、直径28ミリ。
こちらはボビンケースを使いません。直接ミシンにセットしてしまいます。
ボビンに巻かれている糸は、下糸になります。
上糸は、大きな糸巻きから直接供給されますが、下糸は小さなボビンから供給されるのです。
なので縫製作業中に何度もボビンが空になり、新しいボビンと交換しなければならないのです。

ミシンの端に、ボビンに糸を巻取る装置が付いています。
幼かった頃、巻き上がったボビンを装置から外して、次の新しい空のボビンをセットするのが「お手伝い」のひとつでした。
懐かしいなぁ。

ボビンって何語?と思い調べたら「Bobbin」の綴りで英語でした。
例によって辞書すると、
Bobbin 名詞
1、糸巻き ボビン
2、電気用語でコイルを巻く巻き枠
3、細い組みひも、(扉の掛け金の紐に付いている)木製の玉
今回は意外な訳語が無くてつまらなかったですね。

昔、35年程前、アニメのキャラクターに「ボビンちゃん」という女の子が居た様な気がするのですが。
記憶が定かでは有りません。どなたかご存じの方居ますでしょうか?

そうそう、今日は「サッシの日」でも有るそうです。
こちらに関しては「アルミサッシ屋」または「アルミサッシメーカー」のサイトを御覧下さい。

2006年02月24日

マーキングフィルムでの文字づくり

以前、「伝統的レタリング」として、手描き文字についてエントリーしましたが、今回は現在の主流の文字づくりの道具をご紹介します。

プロッター

文字を切り出す「カッティングプロッタ」です。
パソコンから送られて来る文字のデータ(袋文字の様な輪郭線データです)で、写真真ん中少し上のカッターヘッドが左右に動いたり、ブルーのフィルムの左右両端を押さえているローラーが回転してフィルムを前後に動かしたりして、直線、斜線、曲線を使って文字を切り出します。
弊社のカッティングプロッタは、フィルム巾60センチまでの、今となっては超小型のモデルです。
現在では1メートル以上が主流。
でも、弊社の製作能力は、つい最近まで45センチ巾でしたので、それでも少しは進化したのです。

ちなみに「プロット(plot)」という英語の訳語は、とんでもない事で
「陰謀・策略」などとあり「たくらむ」と動詞でも。また「筋書き」「区画」とも。
でも、この機械のような場合は「座標上の点を結んで引く」という数学用語や、「見取り図をかく」とか「図面上に表す」が適当なんでしょう。
元々、コンピュータで図面をかく「CAD(キャド)」の出力で、紙にペンで線を書いていく「ペンプロッタ」のペンをカッターに置き換えたものなんだと思います。

この「陰謀なる」機械、文字の輪郭線に「刃」を入れてくれるとこまではやってくれるのですが、文字として使う部分と、ゴミとなる部分(塗り潰した文字の余白部分と思って下さい)を分けて、ゴミ部分を台紙から剥がして捨てる作業(ウイード作業)はやってくれません。
その作業は、ピンセットとカッターを持った「人の手」が、二つの「眼」をセンサーとして「脳」で処理したデータに基づき行います。つまり「手作業」です。カットの精度が向上し、数ミリの小さな文字も切れるのですが、ゴミ取りは「手作業」ですから、ねぇ、分かるでしょう。
このゴミ取り作業が自動化される日はいつの日なのかと考えながら、小さな文字を凝視してゴミ取りしていたら、いつの間にか「プリント全盛時代」に突入してしまいました。
「プリント」による文字づくりに関しては、また別の機会にお話致しましょう。
今日はこの辺で、ご機嫌よろしゅう。

2006年02月16日

ワンチャン達のお風呂場

今日の施工は神奈川県厚木市でした。
ホームセンター内に新規オープンするペットショップ。
白いカーテンを取付ました。

トリミングルーム

まだまだ工事中ですが、完成するとこの部屋は「トリミングルーム」になります。
カーテンの奥は、ペット達のお風呂場です。
水に濡れても大丈夫で、汚れても一拭きで綺麗になり、丈夫で安価な生地と言う事で、使ったのは「ターポリン」です。
基布に塩化ビニールをラミネートした生地で(生地の製造法に関しての詳しい事はこちら)しなやかで丈夫で安価です。
街中の工事現場で足場を覆っている白いシートと同じ素材なので、とっても頑丈なんです。
普通のカーテン生地より重い事と、少し手荒に扱われる事も考慮して、カーテンレールも家庭用より丈夫な「工事用レール」と呼ばれる品を使いました。

カーテンも用途・目的に合わせて色々な素材を使います。
鳴海テントにご相談いただければ、適材適所の素材でお造り致します。
家庭用の普通のカーテン(あなたの窓にピッタリのオーダー加工)も扱ってま〜す。
よろしく!

2006年02月11日

糸へんに逢うで縫うとは、これ如何に

糸と糸が出逢い絡まって「縫製」になります。
特に上下2本の糸で縫うミシン縫製は、まさに出逢いと絡まり。
今日は、その主役の「糸」

ミシン糸

生地の色に合わせて何種類かの色糸を用意しています。
たくさんの「単糸」を合わせた撚り糸です。
写真の糸は「ビニロン」の糸です。
昔、綿の防水布を使っていた頃は「綿糸」を使っていた様ですが、耐久性と発色の良さで合成繊維の糸を使います。
「ビニロン」は吸湿性が高い繊維ですが、吸湿(吸水)性が低い「ポリエステル」で、撥水処理をした糸が、熱溶着のできないファブリック(織物)系のテント生地縫製用に使われるようです。

糸の太さは「番手」で表します。
数字が大きい程細くなります。8番より20番の方が細いのです。
生地の厚さや加わる荷重、形態の複雑さ等で最適な太さを選んで使います。

2006年02月03日

道具3(ちょきちょきチョッキン)

基本中の基本な道具を忘れていました。
ハサミです。
生地を裁断する為の手道具、これが無きゃ始まりません。

ハサミ

上の二丁(ハサミは一丁二丁と数えます)が「裁ちバサミ(ラシャバサミ)」
生地の裁断を行うハサミです。
良く見る典型的な形でしょう。別名は「洋ばさみ」
「洋」と呼ばれるからには「和」があるのか。
下の二丁が「和ばさみ(にぎりばさみ)」です。
もっぱら、ミシンの手元で糸を切るために使っています。
明治の文明開化で、西洋の道具や技術が日本に入るまで、ハサミと言えば「和ばさみ」しかなかったそうです。
つまり、和裁の仕事場では反物を裁断するのも、この「和ばさみ」の巨大ヴァージョンでやっていたそうです。
ここで理科の勉強を思い出して下さい。
「てこの原理」ってありましたね。「てこ」には、力点・支点・作用点があり、支点からの距離によって作用点に加わる力が変わるという奴です。
「洋ばさみ」はヘソのような支点の両側に力点であるグリップ、作用点の刃があるので、握る力より大きな力で生地を切って行きます。
しかし、「和ばさみ」は、作用点の刃の次に力を入れる力点、そして端に支点があります。
ピンセットと同じ構造で、握る力より刃に加わる力は小さくなる代わりに繊細な作業をする事が出来ます。
しかし、これでは「和裁」で生地を切るのは結構大変な作業だったのではないでしょうか?

今では「自動裁断機」なる機械もありますが、やはり基本は手道具での手仕事だと信じております。
小規模なテント屋の場合、このような手道具での作業がほとんどなのです。
でも、小よく大を制す。
大きいものだって作れますよ。

2006年01月30日

道具2(高周波ウエルダー)

縫製関係の道具シリーズです。
高周波ウエルダーと呼ばれているこの道具も、現在のテント屋には必須アイテム。
巾90cm又は100cmなどの生地を繋いで、大きな一枚の布にする為の道具です。
弊社のは旧式機ですが、現在はコンピューターで制御するタイプになりつつあります。

高周波ウエルダー

高周波というのは、周波数の高い電波の事。
電子レンジと同じ原理で加熱して接着する仕組みです。
多くのテント生地・シート生地は、表面が「ポリ塩化ビニール(PVC)」で覆われています。
「ポリ塩化ビニール(PVC)」は、熱可塑性という特性(熱を加えると柔らかくなる)を持っているので、加熱して圧力を加えると、お互いが融合してくっつくのです。
この道具は、加熱に「高周波」を使い、加圧は油圧シリンダで行っています。
他に、加熱を温風や熱ゴテで行う道具も有り、そちらは「ライスター」と呼ばれています。
昔は、この熱溶着の技術が無く、全て糸で縫う「ミシン縫製」で巾つなぎもしていました。
その場合、どうしても糸穴からの「漏水」があるので、縫製後に糸穴の「目止め処理」を行わなくてはなりませんでした。
熱溶着は、テント・シートの「耐水・防水性能」を高める上で重要な技術だったのです。

2006年01月24日

道具1(工業用ミシン)

テント屋の一番基本の道具はミシンでしょう。
ミシン1台で独立開業した方が多いはず。
弊社もその中の一社です。

ミシン

工業用ミシンです。
結構古くて30〜40年物でしょうか。
ミシンメーカーとしてはマイナーなMITSUBISHI製です。
上下送りといって、布を送る仕組みが上下に付いています。
家庭用ミシンは、下にだけギザギザな板が有って、それが前後に動いて布を送りますが、これは上下で挟んで送る仕組みです。
厚くて重いテント生地やシート生地を縫う為です。
このミシンを使い、上下二本の糸で様々な形を生み出します。
不可能な形は、ほとんど有りません。
それがテント屋の誇りであり強みです。

2006年01月13日

伝統的レタリング=手描き文字

刷毛を使っての作業
屋形テント(集会用テント)天幕への文字入れです。
店舗のテントは、マーキングフィルムの貼付けで行いますが
屋形テントの天幕はたたむ事が多いので、昔ながらのペイント書きです。
普段は天幕メーカーに入れてもらいますが、今回よんどころない事情で
自社作業となりました。

マーキングフィルム用プロッターのペン出力で原寸原稿を作り、天幕に輪郭線を転写します。
文字職人は一発描きでやりますが、指定書体でもあるので私は転写の道を選びました。

ペイント開始です。
使うのは「テントカラー」という専用塗料です。
軟質塩ビの可塑剤の関係で普通の塗料では癒着等が起こりやすく問題有りなのです。

描き進めます。
輪郭線が転写されているので、その中を「塗り絵」の様に潰していきます。
でも、エッジは刷毛遣いで出来るだけシャープに仕上げようと奮闘しています。

ようやく完成です。
まあまあの出来と自画自賛です。
このあと充分に乾燥させるため、このままにしておきます。
明後日の日曜日に「防災訓練」で初披露となる予定です。
なんとか明日の納品に間に合いそうです。

多くの作業を機械に任せてしまう昨今ですが、もし機械が壊れたら?もし停電が続いたら?
そんな時の為に、「手仕事」の技術も維持しようと思っています。
災害や争乱時に、たよりになるのは「手」の技術だと思います。

2006年01月10日

取付準備中

住宅用可動式オーニングの取付前の姿

工場内で、準備をした姿です。
3列で置いてあるうち、真ん中が本体。
天地を逆さまに置いてあるので、アームの納まり方が分かります。
向かって右側が、建物外壁と巻き取りパイプの隙間の雨を避ける「ヒサシ」
「上ケース」と呼びます。
左側が取付用のベースプレート。
建物の構造材に合わせてボルト穴をあけてあります。
本体の間口と同じ長さを用意したので、2×4(ツーバイフォー)構造の住宅でも
スタッド(壁パネルの中桟)に固定できるので、特別な壁面補強が不要です。
さて、

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2005年12月24日

生地張替の手順

今日の施工です。
生地が経年劣化していたテントですが、先日の冷たい強風で破れてしまいました。

harikae001.jpg

あまりにもみすぼらしいので店名・電話番号は伏せます。

まず、破損生地を取り、フレームを掃除(ほこりが厚みを持って溜まっていました)

harikae002.jpg

そして、再塗装を施します。(今回はライトグレーに塗りました)
フレームの見栄えは、ほぼ新品状態。

新しい生地を張込んで出来上がりです。
青い空に黄色が眩しいでしょう。
テントの色が変わると、お店の表情も一変します

<完成写真だけクリックで大きな写真を御覧いただけます>

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